日本庭園用語:水琴窟(すいきんくつ)とは
水琴窟(すいきんくつ)とは 水琴窟(すいきんくつ)とは、露地(茶庭)において、蹲踞の手水鉢(ちょうずばち)の近くの地中に穴を堀り、そこに排水を落とすことで音を響かせる仕組みです。音が響くよう、堀った穴には瓶を埋めておくこ…
水琴窟(すいきんくつ)とは 水琴窟(すいきんくつ)とは、露地(茶庭)において、蹲踞の手水鉢(ちょうずばち)の近くの地中に穴を堀り、そこに排水を落とすことで音を響かせる仕組みです。音が響くよう、堀った穴には瓶を埋めておくこ…
蹲踞(つくばい)とは 蹲踞(つくばい)とは、露地(茶庭)の内露地に置かれる添景物で、手水鉢(ちょうずばち)の周囲に石を添えたものを指します。 手水鉢には水が流れており、茶室に入る前に手を清めるのに用います。このとき、手水…
築山庭造伝とは 築山庭造伝とは、江戸時代に書かれた作庭書です。 江戸時代中期に広く読まれた作庭書で、明治時代に入っても刊行されていました。 前編(上・中・下)と後編(上・中・下)に分かれており、前編は北村援琴斎、後編は籬…
築山とは 築山とは、日本庭園内につくられた人工の山を指します。庭全体を指すこともあります。 池や築山、林など多彩な要素を組み込んだ大規模な大名庭園などは築山林泉庭園と呼ばれることもあります。また、江戸時代には『築山庭造伝…
眺望景観創生条例とは 眺望景観創生条例とは、眺望や景観を守るために定められた京都の条例です。こちらで読めます。 通りの眺め、水辺の眺めなど、いくつもの基準集がありますが、その中に「庭園からの眺め」も定められています。 庭…
中門(中潜)とは 中門(中潜)とは、露地(茶庭)において、庭の中に置かれた門を指します。 露地(茶庭)とは、邸宅から茶室までの間につくられる庭を指しますが、この中門よりも外側(邸宅側)を外露地、内側(茶室側)を内露地と言…
中景とは 中景とは、近景と遠景の間につくられる庭の景色です。 枯山水や池泉鑑賞式庭園などの、邸宅から眺める種類の日本庭園においては、特に奥行きの演出が重要になります。そこで、日本庭園の中に近景・中景・遠景をそれぞれ設けて…
池泉舟遊式庭園とは 池泉舟遊式庭園とは、池泉庭園の一種で、舟で庭の中を回れるようになっているものを指します。 もともと平安時代には、庭の池に舟を浮べて「船楽 (ふながく)」 と呼ばれる奏楽をするという儀式がありました。そ…
池泉鑑賞式庭園とは 池泉鑑賞式庭園とは、池泉庭園の一種で、邸宅の座敷や書院などから眺める目的でつくられたものを指します。 池泉鑑賞式庭園は、鎌倉時代頃から見られるようになり、庭が小さくコンパクトになった室町時代に多く作ら…
池泉回遊式庭園とは 池泉回遊式庭園とは、池泉庭園の中でも、池の周りを歩いて回るように設計されている日本庭園を指します。 庭の中を歩いて楽しむという設計は、庭の中に茶室をつくって、そこまで歩いていく途中に石燈籠や手水鉢など…
竹垣とは 竹垣とは、竹を組んで作ったフェンスのようなものです。 『枕草子』や『源氏物語』には「透垣」というものが登場しており、平安時代頃から竹垣のようなものが作られ始めたことが分かります。 竹垣が日本庭園に欠かせない要素…
滝石組とは 滝石組とは、滝をつくるための石組です。滝石組の組み方によって、滝の流れ方が変わるため、滝石組は非常に重要です。 滝石組については平安時代の『作庭記』が書かれた時期に確立されました。同書では、滝の形状について、…
大名庭園とは 大名庭園とは、江戸時代に大名たちが建てた池泉庭園を指します。 戦乱の世が終わり、江戸時代になると、反乱の意志はないということを示すためにも、各地で城ではなく大名庭園が作られるようになりました。各藩が庭づくり…
外露地とは 外露地(そとろじ)とは、邸宅と茶室の間につくられた庭である露地(茶庭)において、中門よりも外側(邸宅側)の部分を指します。中門よりも内側(茶室側)は内露地といいます。 お茶に招かれた客は、亭主が出迎えるまでは…
外腰掛とは 外腰掛とは、露地(茶庭)の外露地に置かれた椅子を指します。 お茶に招かれた客は、外腰掛に座って、亭主の出迎えを待ちます。亭主石のあたりで亭主と挨拶を済ませると、一緒に中門をくぐって内露地に入り、茶室でお茶をい…
砂雪隠とは 砂雪隠とは、露地(茶庭)の内露地に置かれたトイレのことです。 庭の持ち主は、砂雪隠を常に綺麗に掃除しておいて、いかに手入れの行き届いた庭であるかを表現します。来客は、トイレ用途で実際に使うのは控えるのがマナー…
寝殿造系庭園とは 寝殿造系庭園とは、平安時代の一般的な貴族屋敷である寝殿造の邸宅につくられた池泉庭園・池泉舟遊式庭園です。 風水の考えが取り入れられ、庭の東から青龍に見立てた遣水によって水を引き、庭の南には朱雀に見立てた…
神池・神島とは 神池・神島とは、古くから日本の神社の境内にみられた池と島を指します。 日本では、古来より自然の中に神を見出していました。そのため、海をモチーフに池や島を神社の境内につくり、そこに海神を祀っていました。 中…
深山幽谷とは 深山幽谷とは、世俗を離れた深い山奥を意味しています。 本来の禅宗においては、深山幽谷の中で座禅を組んで修行をするのが一般的でした。 しかし、室町時代などにおいては、実際には京都など町中に寺院が建立されること…
神仙蓬莱石組とは 神仙蓬莱岩組とは、平安時代頃から池泉庭園で見られるようになった、神仙思想に基づく石組です。 神仙思想とは道教の流れを汲むもので、東方の海の彼方に不老不死の仙人が住む神仙島があるという考え方です。そこには…
白川砂とは 白川砂とは、京都の白川上流でとれる花崗岩質の砕けた砂利を指します。細かくなりやすく、光を綺麗に反射するという特徴があります。 日本庭園、特に枯山水庭園においては、綺麗な白い砂利は欠かせない存在で、白川砂は龍安…
浄土式庭園とは 浄土式庭園とは、平安時代後期から鎌倉時代にかけて、寝殿造系庭園をベースに発展した池泉庭園です。 平安時代後期になると、世の中では末法思想が流行しました。末法思想とは、釈迦が入滅した後に長い年月を経て末法を…
須弥山石組とは 須弥山石組(しゅみせんいわぐみ)とは、須弥山に見立てた背丈の高い石を中心とした石組のことです。 須弥山(別名は妙高山)とは、仏教の宇宙観において九山八海の中心に天をも突き抜けるようにそびえる山のことで、そ…
七五三石組とは 七五三石組とは、15個の石を7つ、5つ、3つに分けて配置したものです。 日本では、古来より奇数は陰陽の陽を表す数字とされてきました。7、5、3は特にめでたい数字とされており、それに因んで石を配置した石組が…
三尊石組とは 三尊石組(さんそんいわぐみ)とは、3つの石を三尊仏に見立てて組んだものを指します。 三尊仏とは、中央の仏(主尊)と左右の仏(脇時)で一組となる仏像配置を指します。一尊よりも三尊一体にお願いする方が効果的であ…
借景とは 借景とは、遠景の一部として、庭の後ろにある景色を利用することを指します。 例えば、京都の円通寺や正伝寺は比叡山を借景としています。近年は、間にビルなどが立つことで、従来の日本庭園の借景が損なわれることがあり、京…
下草とは 下草とは、役木の株元に植える草を指します。 役木のほかにも、石燈籠や池、石の周りに植えることもあり、お互いを引き立てる効果が期待できます。日本庭園では、侘び・寂びの観点から、あまり下草をまとめて植えること(寄植…
鹿おどしとは 鹿おどしとは、先端が斜めに切られた竹筒に一定の水が溜まると、その重みでひっくり返って「コーン」という音を鳴らす置物です。庭に独特の音風景を加える役割を持ちます。 元々は、畑を荒らす鹿などの害獣を驚かせて追い…
敷き松葉とは 敷き松葉とは、地面に松葉を敷くことを指します。 主に冬場に苔を霜や凍結から守るために行われ、雪が降らない寒冷地では必須の行事となっています。また、露地(茶庭)においては、冬を感じさせる趣から、好んで敷き松葉…
敷石とは 敷石とは、庭に道状に敷き並べた平らな石を指します。 ひとつひとつの石が離れて並べられる飛石に対して、敷石は文字通り、隙間なく石を敷き詰めて、道のような形がつくられます。飛石よりも歩きやすいのがメリットで、露地(…