二度目の春を迎えているASEANが熱い!?『ネクスト・アジア』を読みました。

公開日: お金と社会, ビジネス,

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現在のアジアの様子を物凄く分かりやすく解説した『ネクスト・アジア』という本を読みました。

十年ほど前までは、アジアといえば中国!超発展中!すげー!という感じだったのですが、アジアの様子はめまぐるしく変わっていきます。世界の国々の在り方を正しく把握するためには、各国でどのようなことが起こっているかについて、最新の情報をキャッチアップしていかなければいけないのです!!!(というようなことをLINEの森川社長がブログで書いていたので、この本を買ったのです。)

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ASEANが二度目の春を迎えている

様々な面を見せて、先進国の需要に答えてきたASEAN

ASEANには様々な文化背景の国があり、それらは様々な面を見せてきました。

アメリカ英語に近い英語を話す人々が多いフィリピンは、先進国の外注先として発展してきました。

タイは、世界の工場として発展した中国でも人件費高騰や労働力不足が発生する中、人件費を抑制する政策をとって外資を呼び込み、発展を遂げてきました。

ベトナムはサムスンの工場を誘導することで、スマートフォンの生産工程に携わり、経済を成長させています。

そして、それぞれに強みを持つ国々が集うASEANでは、自由貿易協定を結び、関税を引き下げることで、東南アジア域内の産業連携を強化し、ASEAN全体の競争力を高めてきたのです。

本書を読むと、ASEANは全体として、中国やインドに比べると、先進国の需要にしっかりと答える体制を作ることで、発展をしてきた地域だというイメージが湧きます。

消費する国々としてのASEAN

そんなASEANでも人件費は徐々に上がり始めています。

しかし、人件費が上がるということは、消費生活を送ることができる人が増えることも意味すると、この本では述べられています。そのことは「工場労働者が去ると、消費者がやってくる」という言葉で分かりやすく表現されています。

中でも、ASEANでは都市型の消費が根付いているそうです。

都市型の消費というのは、スターバックスでコーヒーを飲んだり、無印良品で小物を買ったり、ヤマハ教室に子どもを通わせるといったような消費だと本書では述べられています。

僕は今年の2月にフィリピンのセブ島に遊びに行ったのですが、街中をふらふらとしていたときに、現地の方々も普通にスターバックスでダベッたり、大型ショッピングモールで買い物を楽しんでいるのを見て来ました。セブ島だからフィリピン全体と比べると様子が違う面もあるのかもしれませんが、特に違和感もなかったです。

フィリピンでは日用品はまだまだ安く、日本の1~2割くらいの価格でしたが、嗜好品や外来の商品は日本と同じ値段でした。仮住宅のようなものが立ち並んでいるところもたくさんあり、貧富の差はあるようでしたが、日本と同じ値段の消費物を普通に買って消費する現地の方々もたくさんいました。

そういう部分からも、ASEANが都市型消費の市場として発展してきているという意見には頷くものがあります。

民主化と政治の安定

ASEANでは民主化や政治の安定によって、中流層が出来上がりつつあるそうです。

民主政治というのは、同じような価値観を持つ中流層を背景に発展し、そうした中流層をよりたくさん生み出していく政治体制です。たとえば日本では非正規雇用の問題など、こうした中流層が崩れ始めたこともあり、政治の行方が心配されている面もあります。

ASEANはこれから民主化が一層進んでいくということで、消費する力を持った中流層が台頭してくると予想されているようです。

また長らく軍政が続いたミャンマーも、無事に民政に移行し、外資等が進出しています。こうした、これまでのASEANの中心以外の国も発展を始め、ASEANは今、二度目の春を迎えていると本書では述べられています。

 

中国やインドはどうなるか

中国は沿海部オンリーの発展から内陸の発展へと繋げられるかが課題

中国の発展とは、つまり沿海部の発展でした。上海や香港は言うまでもないですが、海に面しているところから発展を遂げてきたのです。

僕は4~5年ほど前に上海に行ったのですが、空気が超絶汚いことを除けば、もうびっくりするほど東京に引けを取らない大都会でした。

一方で内陸部はまだまだ発展が遅れています。沿海部で低賃金労働者として働いているのも内陸部の農民の出稼ぎなどが多く、沿海部のホワイトカラーと内陸部の農民・出稼ぎ労働者の間にはどんどん格差が広がっています。

中国の急成長は既に一段落しており、これからは内陸部を発展させていけるかどうかが成長を続けるためには重要なポイントになってくるようです。

また広い国土を持つ中国ではネットビジネスの発展の余地が非常に大きいと本書では述べられています。膨大な国土といえばアメリカもそうですが、ネットショッピング等が非常に盛んです。

アリババなどが大きく話題になっていますが、中国のネットビジネスは今後とも大きく期待が持てそうです。

インドが今ひとつ成長の波に乗れない理由

僕が最近一番興味を持っている国のひとつがインドです。

インドでは未だに身分制度が色濃く残っているそうで、先日も、このような記事が上がっていました。

なぜインドのトイレ普及率は5割以下なのか モディ改革を支える「トイレの聖人」

こちらの記事では、インドでトイレが普及しない理由として以下のように述べられています。

パタック博士の話をする前に、なぜインドでトイレが普及してこなかったかについて解説したい。日本人や、他の外国人からは見えにくい重要な背景があるからだ。

インドではトイレを設置せずに屋外で排泄することが、都市、農村を問わず一般的であった。このためトイレの普及には衛生教育の徹底、またその基盤となる初等教育の徹底と質の向上が必要となる。

インドでは、トイレの普及に必要な条件はそれだけではない。人々が屋外に排泄した物は、モヘンジョダロ(インダス文明の都市遺跡)の時代から、アンタッチャブル(不可触民)の階層の人々が、手で処分をしてきたという事情があるからだ。これらの人々はスカベンジャー(死肉喰い)と呼ばれ、彼らは排泄物の処理に対する代償で生計を立てている。インドにおけるごみの廃棄・処理の問題も同じ構造である。

このような独特な身分制度・社会制度・文化に加えて、官僚主義的な政治構造等、欧米の外資系企業がインドに進出しにくい理由はたくさんあるそうです。

現在のモディ政権には、こうした部分の改革について、各国から強い期待が寄せられている状況です。

それではインドの強みは何でしょうか。一つは高い学力です。インドには欧米のトップ10よりも難関な大学があるそうです。シリコンバレーでも優秀なプログラマーはインド人だらけという記事を読んだことがあります。

もう一つはインド洋の経済圏です。こちらは東南アジアの西側諸国やインドに始まり、中東、そして東アフリカまでを含む海の経済圏です。ここが今、次に発展する経済圏として注目されているといいます。

東アフリカの労働力、アフリカや中東の資源、サウジアラビアやインドの市場、そして発展を遂げているASEANのタイやインドネシアを包括する一大経済圏なのだそうです。

ミャンマーの軍事政権を中国が支援していたのも、ミャンマーを通じて、この経済圏へのアクセスを確保するためだったと本書では述べられています。

 

ということで

この本を読んでいると、東南アジアやインドに旅行に行きたくなります。

成長するタイやミャンマーを見て刺激を受けたいですし、フィリピンも再度見に行きたくなります。それにインドですね。インドは本当に興味深くて、行ってみたいなぁと思います。

というわけで、今年末か来年あたりアジア行きたいですね。アジア。

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