才能は思考回路にすぎない?才能の発想を転換する『さぁ、才能に目覚めよう』が良かった。

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才能に目覚める(笑)

先日、ウェブ上で尊敬する人が紹介していた本があって、さっそくAmazonで購入して読んでみたんですね。

それが『さあ、才能に目覚めよう』っていう超怪しいタイトルの本なんですよ。

勝間和代とかも推薦していたらしいんですけれど、これ多分、何も知らない状態で本屋とかで見つけてたら「うわぁ、またこんなのばっか売れてるのか」みたいに思ってたと思うんです。

まぁでも名著と紹介されていたし、翻訳された本なんですけど原題は”Now, Discover Your Strengths”っていう、そこまで怪しそうでもないタイトルだし読んでみるかということで読んでみたわけです。

そうすると、これが何とも面白かったのですね。僕が自己分析系とか人間の性格系の本に疎いからなのかもしれないのですが、何とも新鮮だったのでちょっと紹介してみたいと思います。

“強み”、”才能”とは何か

あなたの強みは何ですか?

あなたの強みは何ですかって就活とかシュウカツとか、あとしゅーかつとかでも、めちゃくちゃ訊かれると思うんですね。

最近とある英語を習う機会があったんですけれども、そこでもスモール・トークを練習しようみたいなので、”what is your strengths?(あなたの強みは何ですか?)”とか出てくるわけですよ。

それで、多分シュウカツのときとかは自己分析をしろとか言われてやったりすると思うんですけれど、僕、自己分析って全然意義を見出せなくて全くやらなかったんですね。

だって、みんな大抵同じような自己分析するじゃないですか。

A男「私の強みは粘り強さとポジティブさです。」

B女「私の強みは粘り強さとポジティブなところです。」

ブルータス「私の強みは粘り強いところとポジティブなところです。」

カエサル「ブルータス、お前もか!!」

みたいな感じだと思うんですよ。

あれなんでみんな同じようなことばかり答えるんだろうって不思議だったんですよね。

なぜみんな同じ”強み”に行き着くのか

それで、この本を読んでひとつの仮説に至ったわけですけれど、

「あなたの強みは何ですか?」って訊かれると、

みんなまず強そうなことを多分思い浮かべるんですよね。

で、強そうな能力って大体、努力家とかポジティブとか社交的とかチームワークとか論理的とか、そこらへんだろうと。で、振り返ってみると、あぁあのとき自分努力家だったなとか、あのとき自分ポジティブだったなとか数回はあるわけですよ、誰にでも。そうするとその事実をくっつけて簡単自己分析いっちょ上がりって感じになるわけですね。

自己啓蒙系の本とかでも、こういうふうに生きろ!成功するためにはこういう考え方だ!みたいな、強みっていうのは画一的なものとして捉えられがちだと思うんですよ。

でも、この本によるとそういうのは別に強みでも才能でもないというわけです。

“強み”や”才能”とは何なのか

強みや才能っていうのは、そもそもある資質っていうのを磨いた結果だというわけですね。

資質っていうのは、それ自体は性質に過ぎなくて、「何回もそういう経験をしている」とか「そういう面がある」というレベルの話ではなくて、もうありとあらゆるタイミングで脳がそういう思考回路で物事を判断しちゃっているようなものを資質と呼ぶらしいんですよ。で、そういう資質に基づくことをしていると、他の人が苦だと思うようなことでも苦じゃないと。自分が当たり前に持ちすぎていて、他の人も当然持っているだろと思い込むレベルの、だから自分の強みでも何でも無いだろうと思ってしまいそうな、そんなところこそが強みになりうる資質なのだというわけです。

それぞれの資質によって、みんな同じだろうと思っている場面でどのようなことが起こっているのかが説明されている部分があるので引用してみると、

具体的な例を挙げよう。六人の仲間がお気に入りのレストランで夕食をとっているとしよう。このような場面で、共感性にすぐれた人は脳内のフィルターの作用によって、ほかのみんなはその夜の会食をどのように感じているかを考え、一人ひとりに笑みを向け、問いかけ、本能的に脳内回路の周波数を相手に合わせ、相手から発信されるシグナルを正確に受け取ろうとする。そして、全員がだいたい同じ気持ちでいることがわかると、自分も愉しい気分になれる。ありていにいえば、この人はそうして安心感を得るのである。

しかし、もちろん全員が同じ気分でいることなどありえない。なかに一人遅れてきた人がいたとしよう。その人はそのことを気にかけ、食事代を持つことで埋め合わせしようかと考えている。くわしくは後述するが、これは<責任感>という才能のなせるわざだ。また別の人はみんなが何を注文するかを考えている。これは<個別化>という才能による。ある人は一番親しい人の横に座り、その人の「近況をどうしても知りたい」と思っている。これは親密な人間関係を築こうとする<親密性>という才能。また別の人は同席している二人が、前回同じ顔ぶれで食事をしたときのように口論を始めないかと心配し、二人が激しやすい話題にならないように気を配っている。これは<調和性>という才能だ。残る一人はまわりのことなど眼中にない。食事のあとでみんなに披露しようと思っている、ジョークを心の中でただひたすら練習している。これはことばでドラマをつくりあげようとする<コミュニケーション>の才能である。

それって才能なのかと思うくらい、資質というのは、単に人の考え方の性質に過ぎないわけですね。これは当てはまるなとか、これは全然分かんないなとか、これって誰でもそうじゃないの??とかあったと思うんですが。

それでこの本を出版した会社が調査をしてみたところ、そういう資質の中で磨けば社会で強みになりそうなものが大体34個くらいはありそうだと言うわけです。

全部あげると、アレンジ、運命思考、回復志向、学習欲、活発性、共感性、競争性、規律性、原点思考、公平性、個別化、コミュニケーション、最上志向、自我、自己確信、社交性、収集心、指令性、慎重さ、信念、親密性、成長促進、責任感、戦略性、達成欲、着想、調和性、適応性、内省、分析思考、包含、ポジティブ、未来志向、目標志向の34つなんですが。

たとえば共感性っていうのは、僕は全く持ち合わせていないんですが、

あなたは周囲の人の感情を察することができます。彼らが感じていることを、まるで自分の気持ちであるかのように感じることが出来ます。本能的に彼らの眼で世の中を見ることができ、彼らの見方を理解できるのです。

あなたは必ずしもそれぞれの人のものの見方に賛成するわけではありません。必ずしも一人ひとりの困難な状況を哀れむわけではありません。あなたは必ずしも、それぞれの人の選択を受け入れるわけではありませんが、理解します。

そしてこの本能的な能力はすばらしい力を持っています。あなたにはことばに表せない問いかけが感じられます。あなたは人々が必要としていることが分かります。ほかの人がことばを探して苦労しているとき、あなたには適切なことばや適切なことばのトーンが自然に出てくるのです。あなたは、人々が自分の感情をうまく言い表せるように手助けします。あなたは、彼らが感じていることを表現するのを手助けします。このすばらしい力によって、人はあなたに引かれるのです。

というので、これが無いので、僕はたまにすっげーイケてるアイデアだと思ったものが別に誰にとってもメリットがなかったとか、そういうことが往々にしてあるんですが。。

一方で着想というのは、どうやらありそうでですね、

あなたは着想に魅力を感じます。では、着想とは何でしょうか?着想とは、ほとんどの出来事を最もうまく説明できる考え方です。あなたは複雑に見える表面の下に、なぜ物事はそうなっているかを説明する、的確で簡潔な考え方を発見するとうれしくなります。

着想とは結びつきです。あなたのような考え方を持つ人は、いつも結びつきを探しています。見た眼には共通点のない現象が、なんとなくつながりがありそうだと、あなたは好奇心をかき立てられるのです。着想とは、みながなかなか解決できずにいる日常的な問題に対して、新しい見方をすることです。

あなたはだれでも知っている世の中の事柄を取り上げ、それをひっくり返すことに非常に喜びを感じます。それによって人々は、その事柄を、変わっているけれど意外な角度から眺めることが出来ます。あなたはこのような着想すべてが大好きです。なぜなら、それらは目新しいからです。それらは、明瞭であり、逆説的であり、奇抜だからです。これらすべての理由で、あなたは新しい着想が生まれるたびに、エネルギーが電流のように走ります。

ほかの人たちはあなたのことを、創造的とか独創的とか、あるいは概念的とか、知的とさえ名づけるかもしれません。おそらく、どれもあてはまるかもしれません。どれもあてはまらないかもしれません。確実なのは、着想はあなたにとってスリルがあるということです。そしてほとんど毎日そうであれば、あなたは幸せなのです。

というのがあって、こういうふうな枠組みで人間の才能や強みを説明できるとか知ると、スゲー!新しい!と興奮するわけですが、それだから何なのかとかはあんまり考えられなかったりするんですね。

なぜ資質をどう活かすのか

この本では第三章で資質をどう活かすのかという部分にも触れられているのですが、なぜかこの章からはいきなりマネージャーとか管理職目線になっていてですね、こういう資質を持った人はこういうふうに扱ってみようとかばかり書かれていて、なんかしっくりこなかったりもするのですが、資質を活かした人の例は何個も書かれているので、まぁ活かし方は自分で考えろという感じなのかもしれないです。

でも、この資質は自分には全く無いなとか、そもそも他人ってこんな風に考えてたりするのかとか、逆にこれって自分がこういう思考回路してただけなのかとか、そういうのが分かりやすく発見できて面白いですし、どういう場面でどういうことなら積極的に自信もってやっていけばいいかとか分かると、人生どんどん楽しくなってく気がします。

 

テストもついてるけど。。

あと一応、この本にテストもついてるんですね。なんかURLにアクセスして、本の表紙の裏に書かれているコードを入力すると受けられて、自分の5つの資質を発見できるらしいんです。多分性格診断的なノリだと思うんですが。

僕はそんなこと露知らず中古で本を買ってしまったので、そのコードは既に使用されましたみたいに弾かれて受けられなかったのですが。。。

というわけで興味ある方はぜひ。ちょっと資質について知りたいだけならググったりすると色々記事書かれてるみたいなんで出てくるんじゃないかと思います!

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