日本人はなぜマリオを生み出せたのか?チームラボの考える日本人の空間認識がおもしろい!

公開日: アートとデザイン

mario

ログミーにこんな記事が上がっていました。

マリオはなぜ世界でヒットしたのか? チームラボ・猪子氏が語る、日本的空間認識とクリエイティビティの関係性

これがめちゃくちゃ面白かったので、分かりやすく内容をまとめ直してみます。

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日本画は平面的ではない

yamato

日本画は平面的と言われますが、それは現代の”西洋的な空間認識”に基づいて日本画を見るから平面的に見えるだけであって、日本画は平面的ではないとチームラボの猪子氏は述べています。

どういう風に空間を認識するかによって、どういう風に絵を頭の中で認識するかが変わるということです。

つまり、西洋的な空間認識が入ってくる前の日本人は、日本画を見て頭の中で立体的に解釈していたということになります。

 

日本と西洋の空間認識

西洋的な空間認識はパースペクティブな立体構造

それでは、まず西洋的な空間認識とはどのようなものでしょうか。

seiyo1

西洋の空間認識は自分の目の角度から立体的に物を捉えます。

ですから、物を見る角度が変わると、その見え方も変わることになりますし、視点が変われば風景も変わります。

seiyo2

こちら側からモナリザを見ると、このような風景が見えていますが、モナリザ側からこちらを見ると絵を描いているダヴィンチが見えているわけです。

見る角度によって見え方が変わるというのが西洋的な空間認識の特徴になります。個々が視点を共有していないため、横に動くと世界が歪んでしまうのです。

ですから、西洋的な造形は一本の軸に従って作られます。この軸、この視点で見てくださいというわけです。

seiyo3

日本的な空間認識は面とレイヤー構造

一方で日本の造形はこうなっています。

japan1

こちらには軸がありませんね。横に移動しても風景は変わりません。

日本人は面とレイヤーで空間を捉えていたと考えることが出来そうです。まず廊下があり、次に庭があり、次に塀の向こうがあるという具合ですね。

そう考えると、大和絵もしっかりと立体的に見えていたことになります。

japan2

まず空があり、その向こうに人がいて、その向こうに床があるといった具合ですね。

そしてこのように面とレイヤーで世界を捉えていた場合、先ほどの西洋の空間認識とは違い、自分以外の誰が見ても世界は歪まないということになります。

japan3

先ほどのモナリザと違い、登場人物の誰が空間を認識しても世界は変わらないのです。視点を共有しているとも言えるでしょう。

 

日本的な空間認識とゲームにおけるクリエイティブ

続いて猪子氏はこのような面とレイヤーの空間認識は日本人のゲームにおけるクリエイティブに影響を与えていると言います。

japangame1

こうですね。先ほどの大和絵と同じ構図となっています。

主人公のマリオと倒される寸前のノコノコは面とレイヤーで出来た視点を共有しているわけです。

先ほどの日本的な庭の構図と同じですから、横向きにどれだけ動いても世界は歪みません。

マリオというのは世界で初めて横スクロールアクションという概念を生み出して、世界中で大ヒットしています。世界中の人々は、マリオを生んだ人に対して天才なんじゃないかと神のように賞賛しています。

(ログミーより転載)

このように日本的な空間認識によって、自然にマリオというゲームの空間構造が出来たと考えることが出来ます。そしてそれが世界中で大ヒットするクリエイティブとなったのです。

続いて、猪子氏はドラクエで語っていたのですが、僕はポケモンっ子なのでポケモンの画面を見てみたいと思います。

pokemon

見事に大和絵の構図で、登場人物全員で視点が共有されています。

攻略本を見ながらチャンピオンロードをクリアしていたのを思い出しますが、攻略本があれほど分かりやすくマップを説明出来るのもこの構図ならではですね。

僕の大好きなマリオテニスやスマッシュブラザーズなんかもこのような構図で作られていますね。何人でプレイしても画面は一つを共有できます。

猪子氏は、このような構図は主人公を画面に登場させる上で効率が良かったといいます。

ちなみに、西洋の個々の視点、パースペクティブによる空間認識だとゲームはこうなります。

gameamerica

動くと視点がくるくると変わるのですね。

この場合は視覚を優先すると、主人公を画面上に登場させることが出来なくなるわけです。ハンドルやコックだけが画面上に映っているゲームが多くなります。西洋的な空間認識でも主人公が画面に登場するゲームもありますが、向きを変えると主人公の向きが変わった後に、遅れて空間や視覚が変わることが多いですよね。

マリオカートなんかはこのパースペクティブで作られているため、複数人でプレイするときは各自の視点が必要になり、画面が2〜4分割されますね。

 

文化の違いがクリエイティブの違いに影響する

このように日本の空間認識はシンプルでありながら中毒性の高い、深みのあるゲームを生み出す上でぴったりだったと言えるでしょう。

クリエイティビティというのは文化を無意識に受け継いだ上に成り立っていて、文化の制約や恩恵を受けているのです。

文化を積み重ねること、その深みがクリエイティビティにも大きく影響すると言えそうですね。

 

以上、原文はログミー動画にてご確認ください。

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