メロディが消えたとき、ビートと言葉のみが残るのは当然。村上龍の思うヒップホップの誕生。

公開日:

queens

村上龍の『逃げる中高年、欲望のない若者たち』を読んでいたら、ヒップホップについて、ちょっとだけ触れている部分があったので紹介します。

スポンサーリンク

 

メロディが消えて、ビートと言葉だけの音楽が生まれた

以下の文章です。

国民的なメロディは、国民的な悲しみが国を覆っているときに必要とされる。第二次世界大戦は多くの人々にそれまでにない強烈なダメージを与えた。廃墟からの復興には、大勢の人々の心を癒す美しいメロディが必要だった。終戦直後の日本を描いた映画やテレビドラマでは必ず『リンゴの唄』という歌謡曲が流れる。『リンゴの唄』が聞こえてくるだけで時代がわかるわけだが、八十年代以降、演歌だろうが歌謡曲だろうがポップスだろうがフォークソングだろうが、そんな歌はどこにもない。

国民的な悲しみが消えたときに、メロディも消えたのだ。メロディが失われると、ジャズも終わってしまった。イタリアのカンツォーネもフランスのシャンソンも、もちろんポルトガルのボサノバも全部「懐かしのメロディ」と化した。メロディが消失したあとに、ビートと言葉だけの音楽が生まれるのは当然のことだった。ヒップホップは必要とされて誕生したのだと思う。

 

ということで

まぁヒップホップの歴史はそんなんじゃねーよという反論もあるでしょうが、こういう見方も面白いなぁと思いました。

村上龍は小説だと毎回途中で挫折するのですが、コラムは本当に面白いのでオススメです。

 

★さらにヒップホップを楽しむなら...
洋楽ラップを10倍楽しむ、歌詞解読ノート

  関連記事

ここ数年で読んで面白かった本のまとめ

たまに「読んでる本を教えて~」といわれるので、読んでる途中の本もありますが、ここ数年でおもしろかった本で、たぶ […]

必読!2014年に読んで面白かった本をまとめてみた!

  今年は2月に初めて村上春樹を読んで、その後立て続けに10作くらい読んだのですが、『海辺のカフカ』 […]

“独りよがりの芸術”から脱却するには?村上隆『芸術起業論』にはヒントがたくさん。

村上隆って誰だ?と思う方も多いかもしれません。 村上隆は、欧米で評価されている日本人の芸術家です。 ヒップホッ […]

『〈インターネット〉の次に来るもの―未来を決める12の法則』(ケヴィン・ケリー)

US版WIRED創刊編集長のケヴィン・ケリー氏の本です。 <インターネットの次に来るもの>というタイトルですが […]

リリシストすぎる『スプートニクの恋人』(村上春樹)がオススメ!

村上春樹という作家 村上春樹を読んだ3月 今年の3月は『ノルウェイの森』をたまたま手にとったのがきっかけとなり […]

『MEDIA MAKERS』(田端信太郎)が本気の良書だった。

イケダハヤトさんがメディア業界を志す人は必読の本として薦めていたのがきっかけで、田端信太郎さんの『MEDIA […]

本『なぜ、一流の人はハードワークでも心が疲れないのか?―実践版「レジリエンス・トレーニング」』

どの世界においても、活躍している人はパワフルでエネルギッシュです。 この本ではレジリエンス(精神的回復力)とい […]

二度目の春を迎えているASEANが熱い!?『ネクスト・アジア』を読みました。

現在のアジアの様子を物凄く分かりやすく解説した『ネクスト・アジア』という本を読みました。 十年ほど前までは、ア […]

キャッチコピー関連の本なら『ここらで広告コピーの本当の話をします。』がずば抜けて良い!

キャッチコピー関連の本って定期的にヒット作が出るので、その度に読んだりするのですが、これまでに読んだ中でだんと […]

朝井リョウ『何者』を読んだら、瑞月さんがクリエイターの卵殺しすぎた!

  瑞月さんがクリエイターの卵殺しすぎる 桐嶋が部活を止めたことで(?)、一躍有名になった朝井リョウ […]

PAGE TOP ↑