「ツイッターは人間の勝利」。人間の良い行いをする力を信じ続けた創業者、ビズ・ストーンが本当に魅力的。

Twitterの創業者の一人にビズ・ストーンという人がいます。

ビズ・ストーンは、スティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグほどは有名じゃないかもしれません。それはツイッターにはジャック・ドーシーやエヴァン・ウィリアムスなど、複数の創業者がいたからです。

ということで、僕もnanapiの古川健介氏が彼の本を紹介してるのを見るまで、ビズのことを知らなかったのですが、本を読んでみたところ、めちゃくちゃ魅力的な人であることが分かったので、ぜひ紹介したいと思います。

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ビズ・ストーンという”ジーニアス”

bizstone

ジーニアスラボの所長、”天才”ビズ・ストーンを演じるところから始まった

ビズ・ストーンは大学を中退し、ブックカバーのデザイナーとしてキャリアをスタートさせました。

その後、ウェブサイトのデザイナーとして独立、友人の企業に立会うものの離脱し、職を失って実家の地下室で暮らしていたといいます。

そんなビズが始めたのが当時立ち上がったばかりのBloggerでブログを書くことでした。

それもただ日常をブログに書き留めるだけではありません。彼はジーニアスラボという研究所の所長を演じ、日々、これからの世界やインターネットについて論じたのです。

そうした行動はビズをブロガーとして有名にしていきました。

大学の学位も持っていない初のGoogle社員となる

やがて、BloggerがGoogleに買収され、ビズはBloggerの創業者であるエヴァンにBloggerで働きたいとコンタクトを取ります。

このようにして、ビズ・ストーンは成功への道を歩み始めます。

その始まり、つまりGoogleの担当者との電話はこんな感じでした。

数日前、人事部の女性担当者と電話で話したとき、僕は冗談を言った。大学の学位は持っているかとたずねられた僕は、持っていないが、どこで手に入るかはテレビのCMで見て知っている、と答えたのだ。担当者は笑わなかった。就職活動というものにおける僕の勘は頼りにならないらしい。現実世界のビズ・ストーンは自信を喪失した。

 

人間の力を信じきる、デザイナー志向の魅力

ツイッターはテクノロジーの勝利ではなく、人間の勝利だ

ビズ・ストーンの一番の魅力は、大成功したテック系のスタートアップの創業者でありながら、徹底して人間の力を信じていることです。

それを最も端的にあらわしているのが以下のひとことです。

さまざまな機器をネットワークに追加し洗練されたアルゴリズムができたとしても、ツイッターが成し遂げたことは、これまでもこれからも、テクノロジーの勝利ではなく人間の力の勝利だ。

ビズは、正しいツールを手にしたとき、人間はその力を発揮して、正しいことを成し遂げるという信念があります。

つまり、性善説にたってサービスを作っているわけです。

その哲学はツイッターの象徴である鳥の絵にも表れています。

鳥の絵をサイトに載せると、みんなも気に入ってくれ、僕はその鳥をツイッターバードと呼ぶようになった。

半月ほどしてから、友人でデザイナー兼イラストレーターであるフィル・パスクッツォに頼んで、少し手を入れてもらった。フィルはひねりを加えて、鳥には髪が少し生えた。しばらくの間、それを使った。

やがて僕はツイッターバードについて哲学的に考えてみた。会社名の最初の文字をロゴマークにする会社は多い。ツイッターは、はばたく鳥のイラストを表現の自由の象徴として使ったらどうだろう。僕はクリエイティブディレクターのダグ・ボウマンに話し、マンガっぽさを消してよりシンボルらしくしてもらった。フィルが手を入れた絵にダグがアレンジを加え、僕はそれを社内で発表した。

プレゼンの場で、僕はアップルのロゴとナイキのロゴを見せたあと、ツイッターバードを見せた。

「僕はこんな未来を思い描いています。人々がツイッターを使って独裁政権を打倒します。そして、崩れ落ちる専制政治の壁に、この鳥の絵がスプレーで描かれるのです」

その後、ジャックがアートディレクターに頼んでさらにシンプルな絵にしてもらい、同じようなスピーチをしたツイッターが強く賢いのではない。強く賢い人々が、強く賢い行動をとったのだ。とはいえ、メディアにとってツイッターは時代の先端をいくツールであり、恰好のネタだった。ツイッターが莫大な価値のあるブランドになったのは、ツールを使う人々のすばらしい行動があったからにほかならない。

 

人とテクノロジーの関係についてGoogleで感じたこと

そんなビズがまだグーグル社員だった頃の話で、僕が好きだった箇所があります。

まるで『星の王子様』が現実になったような話なのですが、

もうひとつ、グーグルにいて気がついたのが、人とテクノロジーの関係についてのとらえ方が僕と異なるという点だった。

グーグルは多くの天才で成り立っている。テクノロジーの開発にかけては飛び抜けた人間ばかりだ。グーグルでは自動運転の車を開発しているという。人間が運転しなくても走る車だそうだ。すごい偉業だろう。だがグーグルらしいなと思う。テクノロジーがどんな問題も解決するという前提があるからだ。

グーグルにいたころ、僕は気分転換にオフィスをぶらぶらしてはあちこちの部屋をのぞいてみた。

ある部屋に、靴を履いていない男が座っていた。床の上で、ばらばらのDVDレコーダーやテレビに囲まれている。「何してるんだい?」僕はたずねた。 「世界中のチャンネルで放送されている番組を全部録画してるんだ」と返ってきた。 「へえ。すごいね。頑張って」僕は言って、そっと部屋を後にした。

別のときには、広い部屋に大勢が机を並べ、ペダルつきの足踏みミシンのような装置をそれぞれ操作しているのに出くわした。装置はフラッシュをたいたような光を発しては、うなるような音をさせていた。ハイテク版の縫製搾取工場といった光景だ。近づいてみると、フラッシュの合間に、「仕立て屋」の人々が本のページをめくってはスキャンしていた。何をしているのかと聞いてみると、これまで出版されたすべての本をスキャンしているという。僕はまたそっと部屋を後にした。

僕はグーグルでたくさんの部屋を後にした。

これがグーグルという世界なのだなぁと。

 

ツイッター社のモットーと、ビズのデザイナー志向

さて、性善説の人間はデザイナー志向が強いと僕は思います。

どんな人間でも、適切な環境、適切なツールがあれば良い行いで力を発揮すると考えるようになるからです。

つまり、失敗の責任を人間に向けるか、その環境やコミュニティに向けるかが変わってくるのですね。

ここで環境やコミュニティに目を向ける人は、すごくコミュニティサービスに向いているのだろうなと思います。

それは以下のひとことにも現れています。

世界は完璧ではない。であれば、自分でできる限りすてきな場所にするのだと決めた。いい面を、希望を見つめたかった。ただものごとの肯定的な面を無理やり引き出すのでなく(僕はそういう傾向があった)、世界をよくするために自分ができることをしたかった。

そんなわけで、ツイッター社にはビズが考案した以下のようなモットーがあるといいます。

1. この先どうなるかは、いつも予測できるわけではない

2.社外には社内よりもたくさんの賢い人間がいる

3.ユーザーのために正しいことをすれば勝てる

4.ウィンウィンの取引だけが取引に値する

5.共に働く仲間は賢く、善意をもっている

6.僕たちはビジネスを成立させ、世界を変え、かつ楽しんで仕事をする

中でも、5.共に働く仲間は賢く、善意をもっているにはビズの哲学が詰め込まれています。

社員のオリエンテーションで僕が話した五番目の前提はこれだ。

こんなたとえを使った。スコットという人がマーケティング部にいて、開発中の製品のマーケティングプランを担当しているとする。スコットは三カ月後にプランをスタートさせる、という。そして三カ月後、製品を発表する段階になると、スコットは最初に話していたのとは違う、規模を縮小したプランを持ってきた。企画時に聞いていたものにくらべると見劣りする。

そこでスコットはちゃんと仕事をしていないとかだめなやつだとか決めてかかる前に、彼のところへ出向いてみる。

「やあ、ビズだけど、何かできることあるかな?」と。

どういう経緯でそのプランができあがったのかはわからない。そこまでには紆余曲折があり、そうせざるを得ない決断があったのだろう。

製品開発の方でも同じような過程をたどっていた。w、x、yの機能をつける予定が、完成した製品にあるのはxとzの機能だった。当初の予定より削らなくてはいけなかったが、それでも製品には誇りをもっている。マーケティングのスコットにできないやつだと思われたくない、とも思う。

大きさゆえにさまざまな制約もある大企業では、誰でもできないやつに見えてしまうときがあるものだ。

こうした考えを持つビズがいたからこそ、ツイッターはより人間の力を引き出すツールへと進化し、ツイッター社はより人間の力を引き出す会社へと発展できたといえるでしょう。

 

ビズ・ストーンが”良い人”になったきっかけ

そんな”良い人”っぷりを発揮しまくるビズ・ストーンですが、良い人になったきっかけは以下のような体験だったそうです。

まず、高校生のとき、ある女の子から、自分が描いた絵をどう思うかと聞かれたことがあった。好きじゃないな、と僕は答えた。その子は落ち込んでしまった。どうしてそんなばかな答え方をしたんだろう。僕は彼女の心を傷つけてしまった。誰しも、大人になる前にこんな経験があるはずだ。ほかの人は覚えていないようなことだが、急に目が開かれてものの見方ががらっと変わるようなできごとが。このとき、同級生の気持ちを傷つけた瞬間、僕は人の気持ちを考えられる人間になれた。あちこちで人を傷つける人間にはなりたくなかった。いいやつでいたかった。

 

ビズ・ストーンのお金に関する哲学

みんなお金が好きだと思うので、お金についても(笑)。

ちなみにビズ自身は借金を膨大に抱え、グーグル社員になった後も返済に追われて、ダンボールを床に敷いて寝ていたほどの極貧生活を経験しています。

そんなビズは、お金については以下のように考えています。

お金についてもうひとつ言えるのが、人がたくさんのお金を手にすると、その人の人間性が拡大されるということだ。これは普遍的な真実だと僕は思う。

いい人がお金を手にすると、すばらしい慈善家になる。逆に嫌な人間が大金を手にすると、さらに嫌なやつになる。どうして僕の飲みものを二〇度の温度に保っておかないんだ、なんて言い出したりする。自分がどんな人間でいるかを決めるのはもちろん自分だ。だが日々のやりくりに不安を抱えている状態ではやむを得ないこともある。裕福になれば、言い訳はできない。

 

世界市民にできる最高の行為は共感

というわけで、ビズ・ストーンの哲学を紹介してきました。

この本は、匿名のインターネット・コミュニティが好きな人には特にオススメです。

実名のインターネット・コミュニティでは、性善説に基づくデザイナー志向って必要ないのですね。みんな友達との集合写真をアップして、作った料理をアップして、スイーツの写真をアップして、あたりさわりのないコメントをするからです。

匿名のインターネット・コミュニティが好きな人にとってこそ、ビズの哲学は最も有用だと思います。

世界市民にできる最高の行為は、共感をはぐくむことだ。それは何よりも相手の立場になって考えてみることから始まる。この高齢の女性は車をこすられたといって僕を罵倒している。でも僕は言い返さないことにしよう。彼女の言うことに耳を傾けよう。僕にも僕の事情があるけれど、それはほかの人も同じだ。困っている人がいる。僕が助けになれる。こういう力をすべての人が働かせれば、僕らは未来に向かって正しい方向に進んでいける。

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