NO.Aインタビュー「鹿児島から全国へ」

公開日: インタビュー

4枚目のアルバム「Firm Belief」を発売したNO.A(ナンバーエー)。

客演に空也MC、SNEEEZE、千晴、MC松島、ANCELL、レイト。

DJ6月、観音クリエイション、MICHITA、Jazadocumentをプロデューサーに迎えるなど、豪華メンバーが一枚のアルバムに集まった。

NO.Aが紡ぐ言葉も不器用ながら、一つ一つ丁寧にリスナーに思いを届ける。

“堅い信念”を心に、鹿児島から全国へ解き放たれる時が来た。

text by OTFJ

 

NO.A2

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たくさんの人に届けたい

──まず、NO.Aというアーティスト名にはどういう意味があるのですか。

NO.A:自分が「あっくん」ていうあだ名なんです。

「ナンバーワン」じゃなくても、「ナンバーあっくん」つまりオンリーワンの息の長いアーティストになりたくて「NO.A」という名前にしました。

 

──今回のアルバム『Firm Belief』は参加しているプロデューサーや客演が豪華ですよね。

NO.A:今回のアルバムは個人では4枚目のアルバムなんです。

今までのアルバムは鹿児島の地元の仲間たちと一緒に製作してきたのですが、なかなか全国に響かなかった。

その中で全国で力がある人たちのラップやトラックを借りてもいいんじゃないかと思いました。

まずは「NO.A」という名前を知ってもらいたくて、今回のアルバムは豪華にしました。

 

──たくさんの人に届けたいという思いが強いんですね。

NO.A:そうですね。特に「NO.A」のことをまったく知らない人に届いて欲しいなという思いが強いです。

今までは、知り合いやライブに来てくれる人など、顔見知りに売ることが多かったのですが、自分のことを知らない人がこのアルバムを聴いた時に、どういう反応をするのかなというのはとても気になります。

 

──不器用でも真っ直ぐに自分のことを歌っていることが印象に残りました。

NO.A:特に地方に行けば行くほど、不良文化とヒップホップが結びつく部分が目立ってくると思うんですよね。

鹿児島のラッパーもストリート系というか、そういうラッパーが多いんです。

自分も昔はそういうのをやっていた時期があって、「スモークがどうたら」とか「ヘッドライトがどうたら」とか歌ってた。

でも、実際は国立大学を卒業して、教員免許も持っていて、というようにアウトローでもなんでもない(笑)。

だからこそあえて今の自分をもっと正直に伝えていきたいなと思いました。

 

──リスナーに一番伝えたいことは何ですか?

NO.A:自分にとっての「Firm Bilief」つまり「堅い信念」というのはラップを辞めないことなんです。

捨てるタイミングはいくらでもあったけど、捨てなかったことでこのアルバムを作ることができた。

「何かをやり続ければ、失敗もあるだろうけど確実に何かができる」というのを伝えたいという思いがありました。

今回のアルバムはそれだけではなく、お酒の場の話やお金の話など、とにかくバラエティに富んでいて聴き応え抜群だと思っています。

 

Firm Belief Produced by Michita

 

鹿児島出身でラッキーだった

──東京に出てきて活動をする予定は?

NO.A:自分から上京したいとかは思わないですね。鹿児島でやりたいという思いがあります。

 

──東京と鹿児島のシーンの違いは感じられますか?

NO.A:僕が東京のラッパーだったらここまでできたのかなと思いますね。

ラッパーとDJの数が違うので絶対に埋もれて辞めてそう(笑)。

鹿児島はラッパーやDJの数が少ないから、逆に言えば自分の置かれている環境は恵まれていると思うし、自分はラッキーだと思いますね。

今回のアルバムの「鹿児島から全国へ」というキャッチコピーだけでも“鹿児島のラッパーって何?”と興味を持ってもらえますしね。

 

──鹿児島にはクラブがいくつぐらいあるんですか?

NO.A:鹿児島市の中心にはクラブが5~6個、ライブハウスと合わせると10個ぐらいあります。

 

週末にはイベントが必ず開催されていますね。

ヒップホップのイベントはクラブ中心でやられているんですが、僕自身はクラブにも出るし、ライブハウスでもバンドと共演したりしています。

そのことは、鹿児島でも異色だと思いますし、自分の幅も広がっていると思います。

 

──イベントでは、だいたい何人ぐらいのリスナーが集まるんですか?

NO.A:鹿児島のアーティストだけだと50人ぐらい。

AKLOとかSALUなどの“メジャー”なゲストが来たら200人ぐらい県内から集まります。

自分もイベントを主催しているんですが、1年に1回はメジャーなゲストを呼んで間口を広げようとしていますね。

特に地方のアーティストの場合、繋がりができるという面で、“メジャー”なアーティストをイベントに呼ぶというのは凄い大事なことなんですよね。

自分に足りないものも見えてきますしね。

 

──鹿児島のヒップホップシーンで注目の人は?

NO.A:OWL BEATSさんとBACK DOROPSさんを尊敬しています。

特にOWL BEATSさんは鹿児島のヒップホップシーンを牽引していると思います。

自分もこういうカッコイイ先輩たちを目指していた時もあるんですけど、そこを目指すだけでは2番手にしかなれないので、自分は違う道を行こうと思っています。

 

自分が動けば世界は広がる

──“違う道”とは?

NO.A:20代前半は鹿児島を中心に一月にライブを4~5回やっていたのですが、いくらライブをしてものし上がることができなくて、20代中盤からは方向転換して、音源製作を中心に活動をしています。

今回のアルバムは4枚目のアルバムなんですが、2枚目からは立て続けにリリースしています。

ライブ中心の活動をしていると、単に鹿児島の先輩のフォロワーとしてだけで終わってしまうという危機感はありましたね。

 

──どうして音源製作中心の活動に変えていったのですか。

NO.A:アルバム一枚分の曲だと毎週、“同じ曲を歌っている”ということになってしまうんですよね。

とにかくライブをこなせばファンが増えると思っていたんですけど、たった10曲程度の持ち曲をずっと歌い続けてもお客さんも面白くなかっただろうなと気付いて、音源を増やそうと思いました。

これをきっかけにトラックメーカーさんのリミックスコンテストなどにひたすら応募し続けるようになりました。

最初は自分の実力不足もあって落ちまくっていましたが、とにかく発信し続けたいと思いましたね。

 

──DJ6月さんの『バッテンウルフ』や観音クリエイションさんの『心白』に参加されていますね。

NO.A:はい。観音クリエイションさんが客演を募集されていて、初めて採用してくださって…。

そこからDJ6月さんのバッテンウルフに参加させてもらったりして、鹿児島だけだった自分の活動が全国にも広げることができたと思います。

あと、ユッカさんがやられている『かなへびコンピ』に参加したのも凄い大きかったですね。

これは応募したら落ちないんですよ(笑)。

この『かなへびコンピ』に入って、去年東京に来たんです。

東京に来た時にクラブ巡りをやったのですが、そこで千晴さんやANCELL君やレイト君に会って、ぜひ一緒にやりたいなと思って今回のアルバムでも客演をお願いしました。

また、逆にANCELL君とレイト君は4月にアルバムを出すのですが、そのリリースパーティーで今度は鹿児島に来てくれたり、自分が動けばどんどん世界が広がっていくんですよね。

 

Change my life for mine feat. SNEEEZE Produced by 観音クリエイション

 

──今後の目標は?

NO.A:日本の音楽シーン、ヒップホップシーンに鹿児島からもっと打って出たいという思いはありますね。

自分が頑張ることで、結果的に鹿児島のシーンも盛り上がると思うんですよね。

 

NO.Aプロフィール

1986年生まれ、鹿児島在住のラッパー。

これまで観音クリエイション「心白」、­DJ6月 「バッテンウルフ」「作品集2」「音源集3」、空也MC「MAD RIVER SONGs」、「FOGPAK」、「かなへび コンピ」等の作品に参加。

OMOIDE LABELからフリーダウンロード・アルバム「REMIX ALBUM」を発表。

ソロでは「OVERTAKE THE BACK」、「soulpower still fighting」、「STEEL WILL」の3枚のアルバム、クルーSOERHTにて「vicissitudes of life」を発売。2015年4月8日発売、アンセル&レイト「 ネオトーキョーシティー」に参加。

 

OTFJプロフィール

2人組の映像制作ユニット

RAq、空也MC、羅漢などの国内アーティストだけではなく、オーストラリアのヒップホップデュオLHAなど多数のMVを制作している。

〝心に残る映像を〟この思いを胸に映像制作を続けている。

またアーティストのトータルサポートを目指しインタビューやイベントレポートなども手掛ける。

企業のイベントレポートやVP制作依頼も随時受け付けている。

公式HP: http://otfjmovie.flavors.me

Twitter: @OTFJMOVIE

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