見栄から解放されたJ.Coleは、洗濯物をたたんで歌う。

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今更、去年のアルバムのネタですみません。。

でも、洗濯物をたたむJ.Cole、かっこいいですよね!

ここ数年、ケンドリックとかをすごく意識して、いい意味でライバルというか、張り合われてたと思うんですね。

Or you might be Drizzy Drake or Kendrick Lamar But check your birth date nigga, you ain’t the God. Nigga, Cole the God (Cole the God, Cole the God)

それとも、お前はドレイクかケンドリック・ラマーかもしれないけれど、お前の誕生日をチェックしてみな。お前は神じゃねーよ。Coleが神だ。

(J.Cole “January 28th”)

でもやっぱりケンドリックがキングだなとか僕は勝手に思ってたんですけど、肩の力が抜けて、疲れてソファで寝てる奥様の代わりに、ネットフリックスを見ながら楽しそうに洗濯物をたたみはじめたJ.Cole。これはケンドリックをある意味、超えましたよね。

J.Coleがリアルで、共感を得てるという意味が、ようやく実感を伴って分かった気がします。(遅い)

もっと早く分かってれば良かったんですけど、これまではカモフラージュされてた部分もあると思うんですね。俺はイケてて遊びまくりだぜみたいな。実際、売れた後はそういう生活してたんだと思うんですけど。それは多分、昔のコンプレックスの反動なんじゃないかなと。

地元で若いうちは、なんかお金持ってるドラッグディーラーがイケてる存在に映るというのはカニエも歌ってた通りで。

Where im from, the dope boys is the rock stars

俺の出身地では、売人のやつらがロックスターだった

(Kanye West “Heard’Em Say”)

そんな中、J.Coleはディーラー的なイケイケな遊び人タイプではなくて、真面目で大学にいくタイプだったと。それで当時はお金もそんなにないし、母子家庭だし、自分は冴えない奴だと思っていた。そのコンプレックスをバネに音楽活動に励んでたんだと思うんですよ。

だから、音楽で成功したときは、ついにこれで誰にもバカにされないイケてる俺になったぜ!!みたいなところで、それがムキになってる感もたまに醸し出したりしてたと思うんですが。

つまり、以前のJ.Coleは「冴えないユースを過ごしたけど、音楽で成り上がって、今ではめっちゃイケてる俺」というコンセプトが強かったと。だから何だか無駄にトゲトゲしてたりして。まぁここら辺は当時の僕の勝手な思い込みもあるかもしれませんが、そういったところが、センシティブで思いやりのあるJ.Cole像を多少見えにくくしてたというか、曲ごとに全然言ってること違うんですけどー感があったというか。僕が理解力なかっただけかもしれませんが。

だから、Crooked Smileとかで良いこと歌ってても、それは好感度狙いでそういう曲も出してるけど、なんだか粗野な人だよねと、僕なんかは完全に勘違いしていたわけであります。(ほんとすみません)

でも、本当はJ.Coleは「自分はディーラーの奴らとは違って冴えない奴だ」とコンプレックスを持ってたその昔から恵まれてたんですよね。

He told me, “Nigga, you know how you sound right now? If you wasn’t my mans I would think that you a clown right now Listen, you everything I wanna be that’s why I fucks with you So how you looking up to me when I look up to you? You bout to go get a degree, I’ma be stuck with two choices: Either graduate to weight or selling number two For what? A hundred bucks or two a week?

あいつは俺に言った。「お前、いま自分が何言ってるか分かってるか?もしもお前が俺の友だちじゃなかったら、お前をアホだって思ってるところだぜ。よく聞けよ、お前は俺がなりたいもの全てなんだよ、だから俺はお前とつるんでるんだぜ。なのに、なんでお前は俺を見上げてるってんだよ、俺がお前を見上げてるってのに。お前は学位を手に入れにいくところだってのに、俺には二つの選択肢しかない、卒業して力仕事につく(?)か、もっと危ないドラッグを売るかだ。それで、週にたった100ドルか200ドルの手取りだぜ。」

(J.Cole “03′ Adolescence”)

家族ができて、子どもができて、でも若いときはイケてると思ってた地元のやつらは、まだドラッグディーラーのままで、というところで、自分がどれだけ恵まれていたかを再認識した。そこで、これまで塗りかえようとしてた過去の冴えなさも弱点ではなくなり、世間的にどうこうよりも、家族愛に生きることに確信を持った、最強のJ.Coleへと生まれ変わったんだと。

上の歌詞にあるように、前作から自分は恵まれていたという描写はあるし、(おそらくサブプライムローン問題で?)担保に入れてた家を取り上げられて苦労してた地元の母親を放置して自由に生きてたことを謝罪する曲があったりと、方向転換を見せてたと思うんですが、ただ、4 your eyes onlyは、前作と比べても、さらに「若いときはイケてるように見えたけど実はゲットーから抜け出せないディーラーの奴らと、実は恵まれていた自分」という構造が際立っているというか。

価値観としても、イケてるかどうかよりも、家族愛こそがリアルで強い感情だと気づいたからこそ、昔だと舐められたくないという感情で出せなかったかもしれない「家で奥様のために、ネットフリックスを見ながら、洗濯物をたたむ自分」さえ、曲にして出してしまえる。

それほど、今やJ.Coleは、以前は気にしていた(ラップゲーム的なものも含めて)イケてるイケてないの競い合いから解放されて、真の自由を手にし、無敵になった。

そういう理解で正しいですか?

(勘違いだらけだったら、すみません。。。)

でも、そういう目線で過去の曲を聞きなおしてみると、ああ昔から「イケてて遊び人の自分」と「家族愛」と、どちらが自分にとってはリアルなのかというテーマは、J.Coleにはあったんだなと気づくわけですね。

Run Awayとか。ここでも洗濯物畳む表現出てますね。

このときは彼女か奥様かわかりませんが、Good Girlが家で洗濯物をたたんだりして待ってるという描写です。

ということで、なんかまとまりのない文章になりましたが、最近は過去作も含めて、このような好き勝手な解釈でJ.Coleを楽しんで聴いてます。

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