トランプ支持のツイートを行なったカニエ・ウェストの真意

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カニエ・ウェストのツイッターが引き続き話題になっています。

トランプ大統領への親近感を示すカニエ

カニエ・ウェストが心の療養を経て、ツイッターに帰ってきたのは、先日記事にした通りです。

カニエ・ウエストの哲学ツイート15選

その後、カニエは政治的な話題についてもツイートをし始め、その中でもトランプへの共感を示すようなツイートがアメリカで賛否両論を呼んでいます。

https://twitter.com/kanyewest/status/989227154993963009

「俺のMAGA帽子にサインしてもらったぜ!」として、サイン済みのキャップの写真をツイート。

※MAGAは、トランプが選挙戦で用いたフレーズ「Make America Great Again(アメリカをもう一度偉大に!)」のことです。

カニエがトランプを支持する理由

さて、カニエがトランプを支持するツイートを行なっているのは、トランプの政策に賛同しているからという訳ではないようです。

「みんながトランプに賛同する必要はないけれど、誰も俺が彼への愛を示すのを止めることはできない。俺たちは二人ともドラゴンのようなエネルギーを持っている。彼は俺の兄弟だ。俺はみんなを愛している。俺は誰がすることにも賛同しない。それが俺たちの個性なんだ。俺たちは自由に思考する権利を持っている。」

こうしたツイートに対して、ジョン・レジェンドやYG、ニプシー・ハッスルなど、複数の著名人がカニエの政治スタンスを懸念・心配するツイートをしています。

しかし、カニエは必ずしも政治的な意図を持って、今回の行動をしている訳ではないようです。

「もしも、お前の友だちが橋から飛び降りたからといって、お前も同じことをする必要はない。俺が俺であるために戦っていることは、お前がお前であるための戦いでもあるんだ。トランプのアイデアは、俺の周りでは賛否も半々くらいだ。だけど、俺はヒラリーの支援者に対して、ヒラリー支持をやめろなんて言わない。俺はヒラリーのことも大好きだ。」

つまり、カニエは「トランプを支持してはいけない」という風潮のもと、世間が表面的にはトランプ大統領を叩いている状況に対して違和感を感じたからこそ、敢えてトランプ大統領の肩を持つ発言をしたというのが真相のように思えます。政治的なスタンスの表明ではなく、言論の自由に対する世間的な圧力への反発の方に重きが置かれているということです。

振り返れば、カニエはたびたび自身の発言によって炎上を経験してきましたし、その後の対応では、世間の圧力から謝罪をしたけれども、後になって撤回したりという過去があります。

そんな中で、世間から叩かれながらも我が道を突き進むトランプ大統領を見ていて、勇気づけられるものがあったことと思われます。

カニエは直近、「Free Thinker(自由な思考の持ち主)」であれというツイートを繰り返し、世論に自分を合わせていくことによって、個人の自由な思考やクリエイティビティが失われるということを批判しています。

『ye vs the people』

本件について、カニエが曲を制作し、kanyewest.com限定で公開されました。

内容は、反トランプ大統領を標榜するラッパーのT.I.とカニエが掛け合いでそれぞれの言い分をラップしていくというもの。

リリックは、以下に和訳を見つけたので、貼っておきます。

Ye VS the People、訳しました。結論。I♡T.I.

メイキング映像も公開されています。

https://www.youtube.com/watch?v=Egz3hSX6Uzg

チャンス・ザ・ラッパーの擁護と謝罪

また、チャンス・ザ・ラッパーがカニエを擁護するように「全ての黒人が民主党支持者である必要はない」とツイートしましたが、その後に反射的な行動を謝罪をしています。

「俺はカニエの発言に賛同したから、あるいはトランプに共感したからツイートをした訳ではないんだ。俺は、友人であるカニエを助けたかったから、それなのにみんなが彼を攻撃するために俺を利用しているように思えたから、敢えてツイートしたんだ。俺は憎しみや人種差別、その他の差別によってキャリアを築いた人間を支持したことは一度もない。だから、俺の将来の作品を通じて、俺の謝罪を表現していくよ。時流を読み損ねたコメントや反射的な反応を償い、本当に擁護が必要な人を擁護していきたいと思う。」

分断されるアメリカ

トランプ大統領の当選以降、アメリカで分断が進んでいる様子は、以前、KAI-YOUさんでの連載で書かせていただきました。

今回エミネムがリリースしたアルバムタイトルは『Revival』(再生)です。彼は、過去の言動を通じて家族と分断されたことを思い起こし、過去を見つめて「再生」した自分自身を表現した上で、トランプ大統領によって分断されつつあるアメリカ合衆国も「再生」できるはずだと願う気持ちを込めているのではないでしょうか。

エミネムがトランプ大統領に抗う理由 「第2の人格」で築いた名声とその代償

こうした背景がある中で、カニエという空気を読まない「音楽の天才」の悪気のない発言が、政治へのセンシティブさを増している今の社会において、物議を醸しているというのが現状でしょう。

元はといえば、トランプが候補のときに、自身が当選するために、民衆の中にある憎しみの感情を煽るという戦略を取ったことが今に繋がっているものとは思いますが、政治的な緊張が高まり、国家や世界が分断されつつある中においては、「政治的スタンスはその人間の全てではない」という当たり前の事実に立ち返ることも大切なのではないかと、最近、個人的には感じています。

いずれにせよ、カニエ・ウェストが6月にアルバムを出してくれることが本当に楽しみだし、こうした騒動で再び病まなければ良いなと願っています。

The Black Eyed Peasの名曲で結びにしたいと思います。

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