DCF法とは
DCF法とは、対象会社が将来生み出すであろうキャッシュフローを現在価値に割り引いて、バリュエーションを算出する方法です。インカムアプローチの一種で、最も一般的なバリュエーション手法です。
現在価値とは、将来の現金が現時点でいくらの価値に該当するかを指します。
例えば、ある会社が来年に1.1億円のフリーキャッシュフロー(あるいは利益)を生み出すとします。この「来年の1.1億円」というのは、割引率が10%であれば、現在価値で約1億円となります。実際に現在、約1億円を持っていたとすれば、それを年率10%で増やすことができれば、来年には1.1億円になっています。つまり、割引率が10%のとき、今年の1億円と来年の1.1億円は同じ価値だといえます。
このように、将来のお金というのは、現在のお金よりもその価値が低くなります。また、遠い将来のお金ほど、現在価値はさらに小さくなります。例えば、2年後のフリーキャッシュフロー1億円は、割引率10%で2回割引かれるため、現在価値にして約9,090万円程度になります。
そうすると、割引率が一定以上であれば、遠い将来のフリーキャッシュフローは現在価値が限りなくゼロに近づいていきます。そこで、「今年からX年後までのフリーキャッシュフローの現在価値の総和」を「企業価値」だと捉えるのがDCF法の考え方です。
「今年からX年後までのフリーキャッシュフローの現在価値の総和」は、「フリーキャッシュフローが毎年g%で成長する」という仮定を置いた場合、割引率がr%であれば、今年のフリーキャッシュフローに「(1+g)/ r」を掛けていく等比数列の和だと考えることができます。
そうすると、等比数列の和を計算すれば良いので、企業価値(ターミナルバリュー)は「今年のフリーキャッシュフロー / (r – g)」となります。
written by @raq_reezy
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