ポーカーをはじめたけれど、全然勝てないと悩んでいる方へ。
今回は、プロ・ポーカー・プレイヤーのフィル・ゴードンが「初心者がしがち」と書籍の中で紹介していた5つのミスを紹介します。
これらのミスを覚えて、直していくことで、負けにくいプレイを身につけましょう。
本記事の用語が分からない方はこちらをご覧ください。
初心者はミスから搾取される
ポーカーというのは、自分よりも弱い相手をみつけて、その相手からチップを搾取するというゲームです。
それぞれのプレイヤーは、そのテーブルで自分よりも強い相手と弱い相手を見極めて、強い相手からチップを守り、弱い相手からチップを搾取しようとしているのです。搾取される立場のプレイヤーを日本語では「カモ」、英語では「フィッシュ」といいます。
初心者というのは、言ってしまえば、テーブルの全員から搾取される立場にあります。そのため、まずは他プレイヤーから搾取されるミスをなおして、自分のチップを守ることを学ぶ必要があります。
ミスを直せば、チップをどんどん奪われるのを防げるため、じっくりとポーカーをプレイすることが可能になります。それによって、自分よりも弱い相手を見つけて搾取する機会を手にすることができるのです。
ポーカー初心者がなおすべき5つのミス
ブラフの頻度が少なすぎる
初心者は、「強いカードでベットやレイズする」、「弱い手でチェックやフォールドする」とプレイが素直すぎる場合があります。
この初心者にありがちな癖を見抜かれた場合、以下のように相手に効率的に稼がれてしまいます。
- チェックをすると、弱い手だと見抜かれてレイズされ、フォールドに追い込まれる
- レイズをすると、強い手だと見抜かれて、あっさりフォールドされてしまう
結果、弱い手のときにはブラインドやコールしたチップをスチールされ続け、せっかく強い手が来ても相手が乗ってこないのでその分を取り返せません。この状態だと、期待値がマイナスになってしまうため、ゲームを続ければ続けるほど、チップを失ってしまいます。
そんなときは、プリフロップやフロップにおいて「あまり強くない手でもブラフでレイズをして、相手がリレイズをしてきたらフォールドする」という行動を取り入れることで、以下のように2つのメリットがあります。
- 自分が本当に強いハンドがきたときに、相手からのリレイズを誘って稼ぐことができる
- 相手のハンドが弱いときに、レイズに対してフォールドしてくれて勝てることがある
もちろん、ブラフが多すぎるとチップを失いすぎるため、ブラフと本当に強い手の割合はうまくコントロールしましょう。いずれにせよ、ポーカーは情報戦であるため、なるべく相手にこちらのハンドを読ませないようにすることが大切です。
トップペアを過信しすぎる
ポーカーにおいて勝つハンドの平均はツーペアです。しかし、多くの初心者プレイヤーは、トップペアを持っているだけで自信過剰になり、チップを賭けすぎる傾向があります。
たとえば、自分がAを持っていて、フロップでAがめくれて、「Aのペアが出来た!」といったときですね。
このようなトップペアが比較的強いハンドであることは間違いありません。だから、ゲームに参加することは全然問題がないのですが、オーバーベットには常に注意する必要があります。
トップペアを過信する傾向があると相手にバレてしまうと、相手はトップペアに対して勝っているハンドでオーバーベットを誘ってきます。
例
自分はAKを持っています。相手は22でコールしてプレイ。フロップでA・2・Tがめくれました。
自分はAのワンペアが揃ったのでベット。しかし、相手はそれを読んでいて、さらにレイズを打ち返してきました。
ここで、Aのワンペアを過信してしまい、相手のレイズにコール。結果、2のスリーカードに負けて、ポットを持っていかれてしまいました。
自分がトップペアを持っていても、常にそれ以上の役の可能性を意識して、慎重にベットするようにしましょう。
ポット額に対して、ベット額が小さすぎる
ポット額に対して、ベット額が小さすぎるのもミスのひとつです。
なぜなら、相手に現時点で役がない有利な状況において、少額のコストで相手に逆転の可能性を与えてしまうからです。
例
自分はA♦︎Q♣︎、相手は7♠︎8♠︎を持っています。ポットは750ドルだとしましょう。
フロップでA♠︎A♣︎3♠︎がめくれました。
このとき、相手はフラッシュドロー(あとスペード1枚でフラッシュ)ですが、現時点では何も役はありません。一方、自分はAのスリーカードなので、現時点では自分のハンドが圧倒的に有利です。
さて、このとき次の1枚でスペードがめくれる確率はおよそ16%です。
もしも、自分がポットに対して少額すぎるベット、たとえば100ドルをベットして、850ドルのポットになったとしましょう。相手はコールして100ドルを払うだけで、16%の確率で、約8倍の850ドルを手にすることができます。これは期待値がプラスなので、相手はコールをしてきて、自分は16%の確率でポットを失ってしまいます。
こんなときは、ベット額を大きくする必要があります。
たとえば、自分がポットの約半額である400ドルをベットしたとします。そうすると、相手は1,150ドルのポットに対して400ドルをベットしなければいけません。相手からすると、400ドルが16%の確率で約3倍の1,150ドルになるので、期待値はマイナスです。結果、相手はフォールドして、自分はポットを守ることができます。
このように、せっかく自分の手札が相手よりも強くても、ポットに対して大きな額をベットしなければ、相手に期待値がプラスの選択を与えてしまうことがあります。
基本的に、レイズするときは、ポットの半額以上を入れるようにすると良いでしょう。
コールしすぎる
初心者のうちは、役を揃えるのが楽しかったり、役を揃えるゲームだと勘違いしている場合があります。そのため、何でもかんでもコールして、全てのカードがめくれるのを見たいという気持ちになってしまうことも。
しかし、ポーカーとは期待値がプラスの行動を取り続けるゲームであり、コスト度外視で役を揃えて遊ぶゲームではありません。
何でもコールするなとバレてしまうと、相手はブラフをする必要がなくなります。強い手札がきたときに、たくさんベットして、レイズしてもらうだけで、簡単に稼げてしまうからです。相手からブラフを引き出せないということは、フォールドに追い込んで、ポットをスチールすることも出来ないということです。
これは、もし当てはまっている場合は、とにかく一番最初になおしたいミスです。
プレッシャーからタイトになる
普段は柔軟にプレイができているプレイヤーでも、たとえば賭け金額がいつもより大きかったり、トーナメントの中盤だったりと、プレッシャーがかかる場面ではタイトになる場合があります。
これも見抜かれてしまうと、相手にチャンスを与えてしまいます。相手は、強気に賭けることで、ブラインドをスチールして稼ぐことが出来てしまうからです。
どんなときでも、相手にハンドや行動を読ませないこと、合理的にプレイすることを意識するようにしましょう。
まとめ
初心者にありがちな5つのミスを紹介しました。
- ブラフが少なすぎる
- トップペアを過信しすぎる
- ポット額に対して、ベット額が少なすぎる
- コールしすぎる
- プレッシャーからタイトになる
ざっくりとまとめると、いずれも「自分のこと(自分のハンドやチップ量など)」に集中しすぎているために起こるミスだといえます。
ポーカーにおいては、相手のこと(相手のハンドや行動の期待値など)にしっかりと気を配りつつ、自分の情報をなるべく相手に与えないように気をつけましょう。
僕もまだ勉強を始めたばかりの初心者ですが、大変参考になるフィル・ゴードンのポーカー本がこちら。必読です。
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フィル・ゴードンは、生涯獲得賞金220万ドル超す世界最高レベルのポーカープレイヤーだ。さらに、「セレブリティ・ポーカー・ショウダウン」の司会者であり、ノーリミットホールデムの人気講師でもある。
本書は、彼が今までに対戦してきた実戦の中から、また彼が多くの後陣に教えを授けることで逆に学んだことの全てを15年間ノートに取り続けた知識の全てである。
確率、分析、哲学、心理学、戦略、数学といったポーカーに必要な全てが分かりやすく、かつ惜しげもなく詰め込まれている。これらは、ポーカーを始める人に必要な情報だけでなく、ポーカーに魅了されているプレイヤーにも多くの示唆を与えることだろう。そして、このゲームに行き詰まりを感じているプレイヤーにも、ゲームを楽しむためのモチベーション、忍耐強さをもたらしてくれるはずだ。
本書は、ドイル・ブロンソンの「スーパーシステム」と、デイビッド・スクランスキーの「ザ・セオリー・オブ・ポーカー」と並び、真剣にポーカーを学びたい者にとって必携の書である。
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