US版WIRED創刊編集長のケヴィン・ケリー氏の本です。
<インターネットの次に来るもの>というタイトルですが、内容としてはインターネットがどう進化していくかという話だと考えたほうが近いと思います。
この本は非常に抽象的なことばかりが書かれているのですが、世界の流れを理解する上で、超超超と超を3つ並べるくらい示唆に富んでいると思います。
基本的に、今のインターネット業界の流れというのは、こういうことだと思うんですね。
「データをたくさん集めて、そこで呼び方は人工知能でも何でもいいんだけど、プログラムを走らせて、イケてるアウトプットに繋げるといいよね」と。
たとえばこんなイメージです。
毎日、会社を出て家に帰ります。家に着くと、冬だと寒いです。「さむいさむい」と言いながら暖房をつけて毛布にくるまって待つこと30分、ようやく部屋が暖かくなって活動を開始する。
でも、実は普段からスマホを持ち歩いているので、家にある程度近づいたら、勝手に暖房が付いてくれてると嬉しいですよね。そうすると、家のドアにスマートキーが付いていて、部屋の中にインターネットに繋がった温度計が置いてあって、ドアがいつ開いたか(何時に帰ったか)というデータと、部屋の時間別の温度のデータと、スマホの時間別のGPSのデータを全部集めて、がちゃがちゃとプログラムに計算をさせると、家につく頃にちょうど部屋が良い温度になるように冬の間は毎日自動で暖房を付けてくれると。
そのためには、データは膨大で、計算させるための容量も膨大なので、どこかの会社がローカルのサーバーでやったのでは間に合わないということで、データは全部、マイクロソフトでもグーグルでもアマゾンでもいいんですが、巨大テック企業のデータセンターに借りた仮想サーバー(クラウド)に置いちゃおうと。
そうなってくると、「暖房が最適な時間にいい感じにつく」といった機械の機能(ソフトウェア)は実は全部クラウド上にあるということになってきます。そしてハードウェアの中身はいつでも書き換えられるわけです。そうするとハードウェアの性能というか動作というのは、常にアップデートされて賢くなっていきます。同じクーラーなんだけど、暖房スイッチON最適化機能に加えて、冷房スイッチON最適化機能も追加されましたのでアップデートしてくださいという感じですかね。スマホやPCは既にアップデートがありますし、テスラの車もアップデートがあります。今後は身の回りのものが、最終形態というものがなく、どんどんアップデートされる製品になっていくと。これが「ビカミング」とか「コグニファイイング」のイメージです。
そんな感じで、こうなっていくよね、という流れが述べられている本になっています。
今後どういう世界に向かっていくのかというのに興味がある方は、ぜひ読んでみていただけると、面白いと思います!
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