オディロン・ルドンとは
オディロン・ルドン(1840年 – 1916年)は、フランスの象徴主義の画家として知られています。彼はボルドーで生まれ、病弱な幼少期を過ごした後、15歳で画家のスタニスラス・ゴランから素描を学びました。ゴランを通じて、ウジェーヌ・ドラクロワの作品に感銘を受け、また植物学者のアルマン・クラヴォーの紹介で、エドガー・アラン・ポーやシャルル・ボードレールの文学に触れる機会を得ました。
ルドンは、初めての版画集『夢のなかで』(1879年)を出版し、その後もエドガー・ポーの小説やチャールズ・ダーウィンの進化論を元にした作品を発表しました。彼の作品は、機械化が進む時代背景の中で、人間の内面や精神性を表現することを試み、特に「眼球」のモチーフを多用していました。このような独自のアプローチは、文学者や芸術家からの高い評価を受け、彼の名は広く知られるようになりました。
晩年には、色彩を活かしたパステル画や油彩画に取り組むようになり、特に女性の横顔を描いた人物画や、新しい音楽の影響を受けた作品を多く手がけました。彼の作品は、象徴主義の中心的な存在として、今日でも多くの人々に愛されています。
私の独創性は、ありそうもない存在に人間的なやり方で命を吹き込むこと。そして、目に見えるものの論理を目に見えないもののために可能な限り役立てながら、どのような存在ならありえそうかという法則に従って、それらを生きさせることにある
オディロン・ルドンの芸術作品
眼=気球
自画像
森の精神
サボテン男
ベアトリーチェ
「起源」 Ⅲ. 不恰好なポリープは薄笑いを浮かべた醜い一つ目巨人のように岸辺を漂っていた
関連書籍・図録
オディロン・ルドン―自作を語る画文集 夢のなかで
19世紀末~20世紀初頭、「黒」と自在な色彩感覚でシュルレアリスムを先取りする華麗な幻想世界を創造したオディロン・ルドン。画家が遺した手記や手紙から自作についてのコメントや芸術観を綴った文章を選りすぐり、作品とともに集成したオリジナル画文集。
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