記事の目次
Macklemore & Ryan Lewisとは
Facebookで「いいね!」されそうなポエム
突然ですが、こちらの文章を読んでみてください。
3年のとき 自分がゲイだと思った。
僕は絵が描けて (ゲイの)おじさんもそうだったから。
部屋に行って、ママに泣きながら話したら、
「ベン、あなた3歳の頃から女の子が好きだったでしょ」だって。
それもそうだと思った。
野球も上手かったし。
ゲイに対する先入観がそうさせたのかもしれない。
右翼の保守派はゲイは意思だと言ってる。
人工的で異端者で、
宗教で直せると考える。
正義のアメリカは、知らない物を怖がる。
神は全人類を愛する事を忘れてる。
3500年前に書かれた本を、未だに引用し続ける。
なぜだろう?
この文章、実はMacklemore & Ryan Lewisの”Same Love”という曲の1バース目です。
こういうリベラルな良い話系の文章がFacebook等に投稿されると、めちゃくちゃ「いいね!」されている印象があるのですが、個人的にはこれをラップでやってのけたのが、まさしくMacklemore & Ryan Lewisだと思っています。
ママにシェアされるコンテンツ
Youtube等にあがっている人権・民主主義等のリベラル系コンテンツを、キャッチーなタイトルとサムネイルを付けてブログに投稿してバズらせるということをしているUPWORTHYというウェブサイトがあります。
このサイトが、バズらせる方法の一つとして、ママにシェアされるコンテンツということを提唱しています。
UPWORTHYでは、記事の最終チェックを他でもない自分のママにお願いすることを勧めている。なぜなら、アメリカでは中年の女性が一番シェアをする世代であるし、誰もママをがっかりさせるようなコンテンツは好まないからだ。
(THE NEW CLASSICさまより)
急速で成長しているUPWORTHYの提案から考えると、従来の違法で危険な世界を描くヒップホップは”ママをがっかりさせるようなコンテンツ”です。
一方で、Macklemore & Ryan Lewisは、ワシントン州のシアトル出身で白人と、ヒップホップとはかけ離れた出自です。
そんなMacklemoreが、芸術性を武器にせずに、正直な言葉で綴るのは、人権擁護や、ブランド品よりも古着でカッコつけること、コデイン批判、高価なスニーカーへの欲から起こる悲劇、寄付等の、キリスト教的な文脈とリベラルな文脈を背景にするようなメッセージです。
物質主義を批判したようなアルバムとしてカニエが投下した”YEEZUS”(実際は、自分の思い通りの商品をデザイン・発売させてくれないナイキやルイ・ヴィトン、自分やキムを批判するメディアやパパラッチへの苛立ちから作られたのがYEEZUSなのですが。)と比べても、どう考えてもマックルモアこそが真の反物質主義者だなと感じさせられます。
とにかく”悪いけど成功しているから許されてカッコイイ”というヒップホップの”悪い”部分に片っ端から反対の構えを示して曲にするMacklemore & Ryan Lewisは、”ママをがっかりさせないコンテンツ”(特にPV)がウェブ上で拡散されたことによって成り上がった存在と言えるのではないでしょうか。
白人には白人なりの悪さや狂気があるんだぜということをやって、”黒人のヒップホップ”に風穴を開けたエミネムとも正反対ですね。
Macklemore & Ryan Lewisの生い立ち
bmrの解説に詳しいので簡単に整理しておくと、Macklemore & Ryan Lewisは14歳からラップ活動を始め、自主盤のリリースなどを続けていたMacklemoreと、そのフォトグラファーやビートメイク、映像制作等で手助けしていたRyan Lewisのデュオです。
2012年始めにThe Source誌の未契約要注目ラッパー(Unsigned Hype)や、XXL誌の要注目新人ラッパーに選ばれ、『The Heist』を自主レーベルからリリースします。
その中から、先ほどの”Same Love”のPV等が注目を集めて知名度が広がっていき、本人たち曰く一番地味で人気の出ない曲だと思っていた”Thrift Shop”(いかに古着で格好良く着飾るかを歌った曲)がYoutubeで再生されまくり、ビルボード1位のスマッシュヒットになります。
Macklemore & Ryan Lewisの来日ライブ
グラミー賞も手に入れたマックルモア、満を持して3月に来日ライブが決定していますが、チケットが売り切れてて買えない。。
ライブ映像
こちらはドイツのフェスでのライブ映像です。盛り上がっていますね。
Macklemore & Ryan Lewisのおすすめ曲
Thrift Shop
先ほど動画を貼ったので、動画は割愛。
他人のおじいさんの服を欲しがってみたりと面白い歌詞、そしてコミカルなビートも癖になります。
Wings
7歳のときにナイキのエアマックスを手に入れて無敵な気分だったマックルモアが、友達の兄弟がスニーカーのために殺されたということを知ったときの話から、ナイキのロゴがどんな事件を起こしてるか考えてみろよと訴える曲です。
そんなことまで曲にするのかと結構衝撃でした。
Macklemore & Ryan Lewisのアルバム
Heist
彼らのヒット曲はだいたいこのアルバムに入っています。
以上、あまりインタビュー等を読めていないので詳しい思想とかまでは掘り下げられてないのですが、マックルモア&ライアン・ルイスの解説でした。
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