毎日の楽しみがない状態
別に毎日が辛いわけではないけれど、「マンネリ化して毎日の楽しみがない」という感情になっていないでしょうか。
今回、とあることをきっかけに、こうした「毎日の楽しみがない」という状態を解決する方法に気づいたので、今回はそれについて書きたいと思います。
お金なども掛からない、簡単な方法なので、気軽に実践してもらえると思います。
日常に我慢を取り入れる
結論から言ってしまえば、日常にちょっとした我慢を取り入れることで毎日に楽しみが増えます。
辛い我慢ではなく、ちょっとした我慢というのがポイントなのですが、丁寧に説明していきたいと思います。
16時間断食を始めると食事が楽しみになった
最近、16時間断食というのを始めました。1日のうち睡眠時間を含む16時間は断食して、残りの8時間の間に全ての食事を済ませるというものです。
この16時間断食を行うことで、腸を休ませる時間をつくることができるため、健康に良いとされています。今回は、16時間断食について詳しく説明する回ではないので、興味がある方は、以下の記事か書籍をご覧ください。
さて、この16時間断食を始めたばかりなので、まだ健康やダイエットなどの実感はないのですが、既にひとつ良いことがありました。それは、日常に楽しみが増えたことです。
僕の場合は、22時〜14時で断食しているので、ランチを食べるのは14時です。その結果、好きなタイミングでランチを食べていたときと比べて、ランチの時間が楽しみという感情が生まれました。また、1日2食で必要な栄養素を摂らなければいけないので、夜には結構な食事をします。これによって、夜ご飯も楽しみになりました。
また、これまでは、いつでも食べたいときに食事をしていたので、一回一回の食事で何を食べようということにほとんど感情がなかったのですが、しっかりとした食事は1日1回の晩ご飯だけだとなると、どうせなら美味しいものを食べたいと思うようになります。それによって、さらに晩ご飯が楽しみになっています。
適度な我慢がポイント
これのポイントは、永遠の我慢ではなく、適度な我慢だということです。
たとえば、「もう一生お酒は飲まないぞ」といった永遠の我慢だと、いつまで経ってもハッピーな時間が訪れないので、それは単に辛い我慢になります。
でも、例えば「毎週金曜日だけお酒を飲んでよい」とか「友だちとの外食時だけお酒を飲んでよい」といった制約があれば、その日を楽しみにして待つ時間が増えます。
つまり、ハッピーな時間を我慢によって取り除くのではないということです。そうではなく、我慢によって、ハッピーな時間の希少性をあげたり、少し遠い未来に設定するのがポイントになります。
我慢をするメリット
楽しみが増える
「楽しみ」というのは、何かハッピーな未来が約束されてから、その未来が実際に訪れるまでの間に人間が持つ感情です。
だから、「何か食べたい」と思って、それを直後に食べていたら、「食べることを楽しみにする」という時間が失われていることになります。一方で、14時まではランチを食べないと決めていれば、11時くらいから3時間ほどランチが楽しみになります。
このように「楽しみ」と「我慢」は表裏の関係にあるといえます。
僕が小学校で読んで、とても好きだった本に『星の王子様』があります。『星の王子様』は、とてもためになる考え方がたくさん紹介されている本だと思いますが、その中にキツネが王子様に「毎日の楽しみ」について語るシーンがあります。
次の日も小さな王子さまがやって来た。
「昨日と同じ時間に来た方がよかったのに。」とキツネが言った。「たとえば、午後の4時に来れば、3時からぼくは幸せになり始めるはず。時間が経てば経つほど、幸せに感じるはず。4時には、もうじりじりして、心配になってくる。そうやって、幸せが貴重なものだってわかるんだ! でも、もし君が適当な時間に来るとなると、ぼくは何時に心に服を着せていいのかわらないだろ・・・。
『星の王子様』
この部分は、キツネが「特別な時間を習慣づけること」の重要性を話している場面ですが、ここにも「我慢と楽しみ」という概念が隠れています。「午後の4時までは王子様に会えない」という制約や我慢によって、キツネは3時くらいから「楽しみで仕方がない」という幸せな状態になるわけです。
このように、自分にとってハッピーな時間を今すぐに訪れさせてしまうのではなく、適度な我慢をおくことで、ハッピーな時間を長くすることができることが分かります。
子どもの頃に楽しみが多かったのは我慢が多かったから
ふりかえってみると、子どもの頃はいろんなことが楽しみだった記憶がありますが、それは我慢も多かったからだということに気付きます。
そもそもお金もなかったので、お小遣いを貯めたり、年に2回の誕生日とクリスマスという機会を利用しなければ、なかなかほしいゲームや玩具が手に入りませんでした。
しかし、逆にいうとお小遣いをためれば、ほしいゲームが手に入るわけなので、お小遣いを貯めている間は、ずっと「楽しみ」という感情が続いていたことになります。また、誕生日やクリスマスには何を買ってもらおうかなという感情が、誕生日やクリスマスを「楽しみ」にしていたとも言えます。
何を食べるかについても、当たり前ですが自分に決定権はなかったので、好きな献立や外食の日を楽しみにしていました。
僕が通っていた保育園では、毎週水曜日の昼ごはんがカレーライスでした。そのため、いつも水曜日にカレーライスを楽しみにしていました。今では、いつでもカレーライスを食べたいときに食べられますが、カレーライスを食べるのが楽しみという感情は失われてしまっています。
「我慢できない」の対策
我慢を取り入れることで、楽しみが増えるのは分かったけれど、それでも我慢できない。たとえば、何かを食べたいと思ったら衝動的に食べてしまう。
そんな人は、我慢のハードルを下げて始めるのがおすすめです。例えば、16時間の断食がどうしても無理であれば、まずは12時間の断食から始めるなど。
または、「我慢していることを何かしそうになったら、他のことを代わりにする」というルールを決めておく手もあります。たとえば、「スナック菓子を食べそうになったら、コーヒーを淹れて飲む」といったものです。これは「何かをしない」という習慣よりも、「何かをする」という習慣の方が身につきやすいことを利用したテクニックです。
習慣化については、以下の記事で詳しく書いています。
我慢すべきではないもの
手に入るか分からないもの
上でも書いたように、「我慢によって楽しみを増やす」というテクニックは、その楽しみにしている対象が確実に手に入る場合のみに使えるテクニックです。たとえば、ランチが手に入らないということはあり得ないので、それを14時まで我慢することで、日常に楽しみが増えるわけです。
一方、楽しみにしている対象が、確実に手に入るとは限らないものであれば、我慢するのは無意味です。手に入らなければ、後悔するだけだからです。
将来、確実に石油を掘り当ててお金持ちになれるのであれば、「お金持ちになりたいけれど、今はもう少し我慢して貧乏な生活を続けよう」というのもアリですが、そもそも努力しなければお金持ちにはなれない可能性が高いわけですし、努力しても分野や方法を間違っていたらお金持ちにはなれないわけです。
このように確実に手に入るわけではないものについては、さっさと手に入れる努力をして、間違っていたらやり方を変えて試行錯誤することで、手に入る確率を高めることのほうが重要です。我慢している場合ではありません。そして、ほしいものを手に入れたときに、「そのような試行錯誤や努力をしていた時間が振り返ってみると楽しかった」ということになると思います。
健康を害す可能性があるもの
健康を害す可能性がある我慢もやめましょう。
たとえば、「俺は睡眠を楽しみにしたいから、毎日夜中の2時になるまで寝ないぞ。これで12時に眠くなってからの2時間の楽しみが増えるぜ」とか。
毎日の楽しみを増やすための我慢で、健康を損なって不幸が増えたのでは本末転倒です。
まとめ:日常に適度な我慢を取り入れて「楽しみ」を増やそう
今回は、日常に適度な我慢を取り入れることで、「楽しみ」という感情を増やせるという話でした。
我慢するのに適したものは、以下のようなものです。
- 確実に手に入るもの
- 健康を損なわないもの
また、我慢するにあたっては、永遠に我慢するのではなく、回数を減らして希少性をあげたり、少し遠い未来に設定して待つ時間を増やすという我慢をしましょう。
以上です!