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誰しもが、「良い習慣」をつくろうとして、挫折した経験があるのではないでしょうか。そして、挫折したときには「また三日坊主に終わってしまった。自分は意志が弱いダメな人間なんだ」と思ったかもしれません。
しかし、そもそも人間は意志が弱い存在です。だからこそ、良い習慣を継続している人は「習慣化するためのテクニック」を活用しているのです。
今回は、習慣化に必要な期間や、習慣化のテクニックを紹介します。「新しく、良い習慣をつくりたい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
習慣の重要性
そもそも習慣とは
習慣とは「ほぼ無意識に行っている行動」を指しています。
例えば、「トイレのあとには手を洗う」、「寝るときにはパジャマに着替える」といった行動も全て習慣です。
一度、習慣化してしまえば、その行動をするのに強い意志は必要なくなります。たとえば、トイレの後に、強い意志を持って手を洗っているでしょうか。ほとんど無意識のうちに手を洗っていると思います。
人生の半分は習慣で動いている?
習慣について研究している有名な心理学者のウェンディ・ウッドという人物がいます。
この人物がテキサスA&M大学の学生に対して行った研究によると、1日の時間のうち、3分の1から2分の1の時間は習慣的な行動が行われていたことが分かっています。
つまり、良い習慣を身につけているか、悪い習慣を身につけているかによって、最大で人生の2分の1の行動の良し悪しが決まってしまうことになると言えます。
習慣化に必要な期間は?
ロンドン大学では、96人の学生を対象にして、いろんな行動を習慣化できるかどうかの実験を行いました。
その結果、簡単な習慣であれば25日以上続ければ習慣化する、難しい習慣なら60日以上続ければ習慣化するということが分かったそうです。
簡単な習慣なら25日
日常のちょっとした習慣や、ウォーキングなどのハードルが低い習慣であれば、25日以上続ければ良いことになります。
つまり、簡単な習慣の場合は、まずは1ヶ月程度継続することを目標に習慣化を始めれば良いということです。
難しい習慣なら50日〜60日
筋トレやダイエット、激しめの運動など、難しい習慣でも60日以上続ければ、習慣化することができて、あまり負担に思わなくなることが分かっています。
そのため、難しい習慣の場合は、まずは2ヶ月程度継続することを目標に習慣化を始めれば良いということです。
習慣化のコツ・テクニック6選
続いて、習慣化するためのコツやテクニックを6つ紹介します。
作業に必要な時間を20秒短縮する
まずは、作業に必要な時間を20秒短縮するというものです。
習慣化したい作業のハードルを下げることは、以下の2つの観点から非常に重要です。
- 習慣化を試みるとき、ハードルが低い方が、毎日行いやすい
- 簡単な習慣ほど、習慣化までに必要な期間が短くなる
習慣にしたい行動のハードルを下げて、簡単にできるようにすることで、習慣化するまでの間、継続に失敗する確率が減ります。また、上でも書いた通り、簡単な行動にするほど、習慣化までに必要な期間が短くなります。
このように、習慣化したい行動を「簡単にすること」には、とても大きなメリットがあるのです。
まずは、習慣にしたい作業を行うのに必要な時間を20秒短縮することに挑戦してみましょう。例えば、朝にランニングをするのであれば、綺麗な運動着に着替えて寝ることで、朝起きたら着替えなくてもすぐにランニングに出発できるようにする等が考えられます。これは20秒以上を短縮できていますね。
また、20秒の短縮に成功したら、そこで満足せずに、もう20秒、さらに20秒と、どんどん習慣化したい作業を簡単にできないかを考えてみてください。簡単にすればするほど、ハードルを下げれば下げるほど、習慣化に失敗しにくくなるからです。
週に4回以上行う
習慣化したいときは、1回あたりの質よりも、頻度の方が重要であるということが分かっています。
111人を対象に、週にランダムな回数、ジムに通ってもらうという実験をしたところ、週に4回以上ジムに通った人たちは、週に3回以下通った人に対して、習慣化に成功した割合が高かったという実験があります。
たとえば、運動を習慣にする場合は、まずは1回あたりの運動量を減らしても良いので、週に4回以上行うということから始めてみてください。ダイエットで食事を減らす場合も、いきなりガッツリ減らして我慢するのではなく、普段よりも食べる量を3割り程度減らす日を週に4回つくるといった風に、頻度を意識するようにしましょう。
そうして習慣化してから、今度は少しづつ1回あたりの質を上げていくようにしましょう。
習慣化したいことは、起きた直後に行う
習慣化したいことは、朝起きた直後に行うと良いとされています。
その理由は、朝起きるタイミングでは、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌量が増えているからです。
人間は、コルチゾールのようなストレスホルモンの分泌量が増えているときほど、新しい状況に適応しやすいことが分かっています。ストレスが高いときほど、その状況に適応して生存できるよう人間の柔軟性が発揮される形に進化してきたというわけです。
朝に15分のストレッチを行ったグループと、夜に15分のストレッチを行ったグループに分けて、習慣化までの期間を計測した実験によると、朝に15分のストレッチを行ったグループでは平均105日で習慣化されたのに対して、夜に15分のストレッチを行ったグループでは平均154日かかりました。朝にストレッチを行ったグループは、3分の2の期間で習慣化に成功したことになります。
なるべく朝起きたときに習慣化したい行動を行ってみましょう。
悪い習慣は、他の習慣に塗り替える
「悪い習慣をやめよう」という、我慢するタイプの習慣化は、特に難易度の高い習慣化です。
「禁煙」や「間食にお菓子を食べてしまうのを止める」といった、悪い習慣をやめる挑戦に失敗した人はたくさんいるのではないでしょうか。悪い習慣をやめるのは難易度が高いので、やめられなかったとしても自分の意志力などを決して責めないようにしましょう。
その上で、悪い習慣をやめるためのテクニックとしては、悪い習慣の代わりに、他の習慣をうえつけるというものがあります。
例えば、「間食でお菓子を食べそうになったら、代わりにサラダを食べる」といったものです。こうすることで、「悪い習慣をやめる」という難易度の高い挑戦を「新しい習慣をつくる」という少し難易度の低い挑戦に変えることができます。
ご褒美を活用する
新しい習慣をつくるときには、ご褒美を活用するというのも良いテクニックです。
自分が日常的に行っている、ポジティブな気持ちになれるものを思い浮かべてみてください。たとえば、ゲームをする、スターバックスに行く、買い物をする、YouTubeを見るなど、人それぞれ楽しみにしているものがあると思います。
これらのご褒美となる行動をする前に、何かを行うことを自分に義務付けるというのも、習慣化のために活用できる方法です。
たとえば、部屋の掃除を習慣化したいのであれば、「毎日、ゲームをする前には10分間部屋の掃除をする」というルールを自分に課すことで、「ゲームをしたいな」という毎日自分の中に浮かび上がる気持ちをトリガーにして、掃除を習慣化することができます。他にも、例えば、アイスクリームを食べるのが好きなら、「アイスを食べる前には筋トレをしなければならない」といったルールをつくっても良いでしょう。
自分が好きで、毎日のように行っているものを思い浮かべて、それをご褒美にした習慣化を試してみてください。
ご褒美と我慢という設計をつくることで、日常の楽しみが増えるというメリットもあります。
習慣を連続させる(ハビットチェーン)
最後に、少し似ていますが、すでに毎日行っている習慣をトリガーにして、他の習慣を付け足していくというものがあります。
たとえば、「食後には歯を磨く」という習慣が既にあるとして、「歯を磨いたら、30分間読書をする」という新しい習慣をここに付け加えます。すると、毎日食事をして、歯を磨いて、本を読むという習慣ができていきます。
このように、既に毎日行っている習慣をトリガーにして、そこにどんどんと新しく習慣化したいものを付け加えていくことで、どんどん習慣をつくりあげていくことができます。こうした習慣をトリガーにして、次々と習慣を連続させることを「ハビットチェーン」と呼びます。
良い習慣はチェーンにして、毎日どんどん発動させるようにしましょう。
まとめ
今回は、習慣化の期間とテクニックについて説明しました。
- 簡単な習慣なら25日以上、難しい習慣なら60日以上で習慣化しやすい
- 習慣化のテクニックとしては、「習慣化したい作業を20秒短縮する」、「週に4回以上行う」、「朝起きた直後に行う」、「悪い習慣を良い習慣に変換する」、「ご褒美を活用する」、「習慣を連続させる(ハビットチェーン)」の6つがある
ぜひ、これらのテクニックを用いて、良い習慣を身につけられるよう頑張りましょう。
関連書籍・アイテム
ちなみに、今回は、以下の書籍を参考にしていますので、さらに詳しく知りたい方は、こちらの書籍を読んでみてください。