人間が余る時代に、価値を持ち続けるものは何かという話

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最近あることに薄々気付いていた気がするんですね。

多分みんな薄々気付いてると思うんですよ。

それで、本日たまたまこういう記事を読んでですね、

3Dプリンタで性器の造形を出力できるデータ配布 漫画家「ろくでなし子」逮捕

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各社の報道によると、警視庁は7月14日、3Dプリンタで女性器の造形を出力できるデータを頒布したとして、「ろくでなし子」の名前で活動している女性漫画家をわいせつ電磁的記録頒布容疑で逮捕した。漫画家は「わいせつ物とは思わない」と容疑を否認しているという。(以下略)

このニュースを読んで、何に気付きかけていたかが分かった気がするんですね。

それは人間が余るなということです。

そんなのとっくに気付いてるよ、そんなの知ってるよって方も多いかと思うのですが、衝動で書き始めてしまったので、ちょっと整理して考えてみたいと思います。

3Dプリンタとは何なのか

僕の中での3Dプリンタのイメージって、恥ずかしながら玩具とかフィギュアみたいなのを作る感じなのかなと思ってたわけです。

こういう感じですね。

ところが、先ほどの記事の最後に以下のような記述があってですね、、

「3Dプリンタをめぐっては、殺傷能力のある拳銃を製造・所持していたとして5月、川崎市の大学職員が銃刀法違反容疑で逮捕されている。」

3Dプリンタってそんなに何でも出来るのか!と驚いたんですね。

それで、少し調べてみたところ以下のような動画が出て来てですね。

これは3Dプリンタで銃を作ったという動画なのですが、この最後の部分が特に注目で3Dのデータを交換してるスレッドみたいなのが映ってるんですね。

3dprintdata

これを見て、デジタルの世界で起こったことが、アナログの世界でもいよいよ起こるんだなと感じたんですね。

デジタルの世界で何が起こったか

これまでにデジタルの世界で起こってきたことって以下の2つだと思うんですね。

(1) デジタルデータの価格が暴落した

(2) データや情報がオンデマンド化した

何をいまさらという話ですが、(1)から説明してみますね。

デジタルの世界におけるデータっていうのは無限に複製できたわけです。また複製だけでなくデジタル情報を誰でもが発信できる、つまり作り手になれたわけです。これによってデジタルなデータっていうのは、より安く・よりたくさんの人に売ったほうがいいということになり、ついには広告を抱き合わせることで無料の域にまで突入しているのが今のインターネットだということだと思うんですね。それでCDが売れないとか、新聞が全然売れないとかで、音楽業界やメディア業界が時代の変わり目の最先端で四苦八苦しているわけです。

(2)は生活面的な話なんですが、データや情報がいつでもググれば引っ張ってこれるものになったことで、情報を知識として自分の中にストックしておく必要がなくなったわけです。僕らの世代ってまだ室町幕府3代目の足利義満が金閣寺を建てましたとか頑張って覚えてたんですけど、もうあーいう教育って100パーセント必要ないんですね。

おそらくというか確実に5~10年以内にはグーグルグラスなりが普及して、金閣寺の本物でも写真でもいいんですけど、それを見ながらグーグルグラスに「作った人だれ?」って訊けば「足利義満です」とか一瞬で情報が返ってくるようになるんですね。つまり、情報やデータっていうのは、いつ必要になるか分からないから出来るだけたくさんインプットして物知り博士になることが価値だった時代から、必要に応じて取ってこればいい時代に変わるわけです。(教科書覚えて暗記テストで成績出すみたいなのも10年以内には無くなるだろうなと思います。とか言って案外もう既になくなってたりするのかな。。??)

そうすると、人間は自由に使える時間が増えると思うんですね。

ということで、これがアナログの世界でも起こるということについて考えてみたいと思います。

ネットでデータ落として3Dプリンタで印刷すれば終わりの時代

ということで、こちらはすぐにという訳ではないかもしれませんが、基本的には先ほどの動画のようにデータがシェアされていれば、ネットでデータを落として3Dプリンタで印刷することで誰でも何でも作れるという時代になると思うのですね。銃を造る職業の人が銃を組み立てる必要もないわけです。

そうなると、銃を3Dプリントするためのデータなんていうのは、データですので上記のように一瞬で価値がなくなるわけです。あとは現在はまだ3Dプリンタが高いと思うのですが、ここら辺は3Dプリンタやべーってことになると(もう既にそうですが)テクノロジー系の業界に優秀な人がどんどん流れて、あっという間に品質も良くなり、製品自体も安くなっていくわけです。そうすれば、素材代があるのでデジタルの世界ほどではありませんが、アナログのものだって価格がどんどん落ちていくわけですね。

また誰でも3Dプリンタ用のデータをウェブ上で発信することによってアナログ製品の作り手になれるわけですから、この点でもアナログものの価格が落ちていくことが予想できます。たとえば、これまでは凄いアナログのものを発明したら、企業内であれば予算をとって、そうでなければ会社を作って投資家から資金を調達して、生産体制を整えて、製造して、世の中に売るというのが物造りだったと思うんですね。でも、これからはDTMじゃないですが、物好きが集まってこーでもないあーでもないと物造りをして最終的な3Dプリンタ用のデータをウェブ上でばら撒けば、それが物造りということになるわけです。

と、ここまでアナログな物に関しても価格が落ちていくという話でした。

人が余る世界がくる

そうすると世界はどうなるのかなということなんですが、どうしても人が余る時代が来ると思うんですね。

たとえば、先ほど音楽業界とメディア業界が時代の変わり目の最先端で四苦八苦していると書きましたが、この2つの業界ってもう完全に人が飽和してると思うんですね。CDリリースもBandcampで曲売るのも本質は一緒だし、雑誌編集して広告営業するのも、ブログ書いてAdsense貼るのも本質は一緒だと考えると、ミュージシャンとかメディアマンって、もんのすごい数いることになると思うんですね。

それと同じように、物造りのデータをばら撒いて、何らかのお金もらう人って、もんのすごい数になってくると思うんです。

それで、作り手と受け手の間に入る業者っていうのはどんどん無くなっていくわけですから、もう人って余りまくって仕方なくなると思うんですね。銃の3Dプリンタデータを作る人と、3Dプリンタを持ってる人の間には何も入らなくなるんですよ!製造業者も物流業者も店舗も!

つまりどういう世界が来るんだという話ですが、あんま働かなくて良いけどお金もあんま貰えなくなるんだと思うんですね。

人が余るので、あんま働かなくていいわけです。ただ人が余るってのは仕事も少ないということなので、みんなで分けようって事になると思うんですね。

たぶんいま職がある人って仕事のシェアとかしたくないと思うんですけど(たくさん働いてたくさんお金ほしい)、社会の要請的に会社とかはあんまり働かせてくれなくて、そのぶん給料もあんまりくれないみたいな感じになってくのかなと。(一方でパートタイム的な労働する人が増えるほど、役員とか会社の大事な決断する人とかはたくさん働いて、めちゃくちゃお金もらってみたいな。)

では価値を持ち続けるものは何なのか?

それでは、そのような世の中でも価値を持ち続けるものは何なのかということについて考えてみたいと思います。

プラットフォーム

情報自体の価値が暴落しても、その情報のプラットフォームであるGoogleとかは超価値があるし儲かりまくってるわけなので、こういうプラットフォーマーは引き続き凄いだろうなぁと思います。

プロトタイプを造る人

3Dデータ化されて人気になる凄い物の最初のプロトタイプを作る人ってのは、その後の量産・拡散が簡単になる分、今よりもイケてる感じになると思うんですね。

厳密には違うんですが、イメージ的にはみんながビートジャックするビート作った人は凄いよねみたいな。

超瞬間的で再現性がないこと

再現性がとことん無いものって価値が変わらないと思うんですね。ラップのフリースタイルとかって毎回全然違うこと言って盛り上がるわけじゃないですか。あーいうのはテクノロジーは真似できないし価値なくならないと思いますね。お笑いとかも。

すごく属人的なこと

再現性がとことん無いということで言えば、すごく属人的なものも価値はなくならないと思うんですね。

超高性能の製品!みたいなのって3Dデータ化されてプリントすれば終わりじゃんみたいなとこで価値薄まると思うんですけど、まじで美女!とか超絶イケメン!みたいな人間が生まれ持つものって、やっぱり価値なくならないですよね。

無駄なこと

人間が余って、みんな暇になって、お金もそんなに無いってことになってくると、無駄で不毛なことが人気になるのかなと。

無駄で不毛というと誤解があるのですが、ゲームとかニコ生とかツイキャスとか、言ってしまえば生産性はなくて時間潰してるだけなんだけど、時間の潰し方としては優れてるみたいな。

ということで

長々と意味不明なことを書いてきましたが、ここ10年くらいの世界の変化って凄いと思うんですね。

10年前って僕がちょうど中学入った頃だと思うんですけど、まだ僕含め子どもはみんな携帯電話さえ持ってる感じでもなかったし、情報はインプットして暗記しなきゃ即座に引き出せなかったし、毎日触れる情報の数も少なかったし、ゲームボーイアドバンスはまだ通信ケーブル繋いでた気するし、チャットや掲示板はやっててもツイッターもFacebookは誰もやってなかったし、何でもかんでもノート開いて筆記でメモ取ってたし、MDプレイヤーとかあったし。

それから10年で携帯電話どころか、みんながiPhoneっていう超小型で超高性能なパソコンを持ち歩いて街中でストレスフリーにインターネットしてるって凄いなぁと思います。

それで3Dプリンタも、グーグルグラスも、ドローンもやばいし、話題のInternet of Thingsとか本当に凄いし、この先10年ってほんと世界が変わりまくると思うんですよね。

もう産業革命とかどころじゃないと思うんです。産業革命とか資本主義の誕生とか凄かったよね、でもやっぱあの頃の世界変わるスピード感ってやっぱすっげートロいよねみたいな。

ということで、完全に迷子ですが産業革命どころじゃない時代の真っ只中を生きてると思うとわくわくするなぁという良く分からない感じで〆たいとおもいます。(うわぁ超的外れなこと言ってるなぁという将来のネタに。。)

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