【映画】『About Time(アバウト・タイム)』はハートウォーミングなSF映画。

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過去に戻れたら

過去に戻ってやり直せたら。

そんな人類の夢の能力を持った青年の話です。

冴えない青年のティムは21歳のときに父親から「この家系の男は過去に体験した瞬間に戻る能力がある」ことを告げられます。

“過去に何度でも戻ってやり直せる。”

その能力はどのような景色を見せてくれるのでしょう。その答えがこの映画にあります。

タイムトラベルものといえば『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『バタフライ・エフェクト』等、時間軸が動いた結果、様々な影響が出てしまうといった、とても科学的な点にピントを合わせた、いわゆるSF的構成になっているものが多いです。

その点、この『About Time』はあくまでも、その能力を使って人生をより良く生きるというテーマを見失わずに一貫した世界観で描かれていて、新鮮味があり、非常に好感が持てます。

過去に戻る能力は何を気付かせてくれるのか

この能力はティムの性格や人生を変えていきます。

この能力を愛のために使うと決めたティムは、失敗をやり直せるようになったことで、とても前向きに世界に働きかけ、積極的に人生を生きるようになっていくのです。そして人生を懸命に生きるティムの姿は、ひとつひとつの選択、毎日の時間の大切さを改めて実感させてくれます。

ロンドンで知り合った魅力的な女性メアリー(レイチェル・マクアダムス)に対して、何度も過去に戻って、何度もやり直し、妹や家族の不幸についても何度もやり直すことで、考え抜きながら最高と思える選択をしていきます。そしてその傍らにはいつもアドバイスを送ってくれる父親がいるのです。

後戻りが出来ない世界で”諦め”のもとに大切さを見失っている様々な事柄が、過去に戻れる能力によってその大切さを今一度、優しく主張してくれます。

この映画では”過去に戻る能力”というものを起点にして、理想の人生とは、最高の人生とはという問いがじっくりと深められていきます。そして最後には一つの答えが示され、その毎日の景色を僕たちにも味わせてくれるのです。ここまで後味の良い映画もなかなか無いのではというくらいに良かったです。

たまたま飛行機の中で見たのですが、現時点では、今年見た中で最高の一本になっています。ちょっと調べてみたところ日本では公開未定ということらしいのですが、公開されたら毎日がつまんないなと感じている方々は是非見てほしいなと思います。

※輸入盤のDVDが出てました。

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2020年12月11日

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