今、ウェブの世界でホットな概念のひとつに”非言語”というものがあります。
これはチームラボの猪子さんなんかが、あちこちで広めまくったりして出てきた概念です。
チームラボ・猪子氏「言葉でしか良さを説明できないものはウンコ」 “非言語”が生む新しい価値とは?
グローバル化は、英語化じゃなくて、非言語化!──日本、アジア、そして21世紀
非言語というのは、その名のとおり”言語じゃないもの”です。
たとえば動画、画像、スタンプ、などなど。
こうした非言語なものが躍進をしている背景には、グローバル化はもちろん、それに加えてスマートフォンによって物理空間とインターネットが革新的に融合してきたことがあります。
ということで、今日はここら辺をちょっと考えてみたいと思います。
言葉じゃ伝わらないもの -Facebook、おもしろ動画、LINEスタンプ-
Facebookでシェアされまくる画像、世界にあふれるおもしろ動画、そしてユーザー10億人を突破したLINEのスタンプ。今、世界では非言語の力が躍進しています。
従来の「言葉の世界」だったインターネットが無くなり、「非言語の世界」であるウェブが勢力を物凄い勢いで拡大しているのです。
それでは、非言語はいったい何が凄いのでしょう。なぜ僕たちは言語ではなく、非言語を使うのでしょうか。
(1) 表現が超かんたんで、しかも超伝わる
微妙なニュアンスとか、体験して感じることって表現して伝えるのが難しいんですよね。
この前、Jay Zのライブ行ったんだけどさ、ベースがどぅんどぅんどぅんなって、上音がずばーん、会場がうおおおおおおおおってなって、はねまわって、NY State of Mindでうひゃああああ、サビ大合唱でにゅーよーく!!ぐわあああああって感じ!
みたいな。
言葉にすると意味不明なわけですが、僕たちは普段こういった世界で色んな物事を体感して生きているわけです。そしてその殆どが一般人には言語化不可能なものだったといえます。それを言語化する才能を持った人たちは、小説家や物書きとして素晴らしい活躍をされてきたわけです。
しかし、非言語な空間を切り取ることを圧倒的に可能にした道具があります。それが、今や日本人の多くが使っているスマートフォンです。
写真や動画によって、物理世界のニュアンスを切り取って、シェアすることが可能になったわけです。Jay Zのライブだってスマホで撮影して友達に見せたり、Youtubeにアップしてシェアできちゃいます。もちろん質にはまだまだ限界があります。動画で実際のライブと同じ興奮を味わうことは、まだまだ今のテクノロジーでは不可能です。
しかし全体の流れとしては、こうした写真や動画のシェアによって物理世界を情報化してやりとりすることが可能になったと言えるでしょう。そして、LINEスタンプ等によって微妙な感情やニュアンスまでも、簡単に表現することが可能になったのです。
こういった、そもそも非言語なものを、非言語なまま、非言語でやりとりするというスマートフォン以降のコミュニケーションこそが、非言語の躍進を大きく支えてきたのです。
(2) 世界中の同じ価値観が繋がる。非言語は言語の壁を越える。
非言語は言語の壁を越えます。
改めて書いてみると、何を当たり前のことを、、、、という感じなのですが。。
たとえば、例として良いかは分からないのですが、エロ画像なんてのは全世界共通で需要があるわけです。アメリカ人とか日本人とか関係ないわけですね。
もう少し一般的な例だとダンスがあります。今、世界ではYoutubeとダンスが大流行しています。日本ではニコニコ動画で踊ってみたが昔からあったわけですが、ここ数年で見ても、ハーレムシェイク、カンナムスタイル、フォーチュンクッキー、ファレルのHAPPYと、踊りたい放題なわけです。
また、FacebookやTwitterでの拡散をアクセス源にしたバイラルメディアというのが日本でも雨後のたけのこのように立ち上がっていますが、これも結局は猫の画像や動画を載せたりしてアクセス数を稼いでいます。アメリカでも日本でも猫は不動の人気コンテンツなのです。
こうした事例から考えてみると、同じ言語の異なる世代・異なる価値観よりも、違う言語の同じ世代・同じ価値観の方が圧倒的に熱量が高く、祭りやムーブメントに繋がりやすいわけです。そして、それを可能にするのが”非言語”なのです。
テクノロジーの発展で非言語はますます飛躍する
ウェブでの体験はますますリアルに。オキュラス。
こちらの動画を見てみてください。
こちらは現在やはり注目を集めているOculusを使った人達のリアクションを集めたものです。
この動画を見ていただくと、いかに物理空間をリアルに切り取って、リアルに追体験出来るようになっているかが垣間見えると思います。このリアルな追体験はテクノロジーの発展によって、ますます進化していくでしょう。
以下の動画の最後の方もなかなか面白いです。ホリエモンが、テクノロジーの発展による未来のテレビの在り方について語っています。
ますます非言語の世界は充実していくことは明白なのです。
データ通信の速度・容量が増えるほど非言語世界は充実する
もうひとつは基本的なことなのですが、映像の動きがカクカクしないであるとか、大容量でも一瞬で送れるであるとか、そうしたインターネットのインフラ的な部分も、まだまだ進歩の余地があります。
こうしたインフラが整えば、ますますストレスフリーな非言語コミュニケーションが可能になるのです。
非言語が躍進する中で、言葉をもう一度みつめる
ということで、長々と非言語の躍進と、非言語の凄さについて書いてきました。
一方で、僕はやっぱりラップをしていることもあり、言葉というものがとても大好きです。
ということで、上質な言葉表現というのは何なのかなぁというのを考えたりしています。あるいは音楽というのは言語と非言語の融合するアートでもあるので、そこら辺についても考えたいなぁと。
頭を整理する意味も兼ねて、また時間があるときに今度は言葉について書いてみたいと思います。
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