みかん×戦争?サルと将棋を指す?行き詰まったときにアイデアを生む3つの方法。

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アイデアが枯渇すると辛い

Thrist For Knowledge

アイデアが枯渇するというのはとても悲しいことです。

「こんな曲を作ろう」

「こんな文章を書こう」

「こんなふうにブログのデザインを変えよう」

アイデアがあるときは面倒な作業でも夢中になって没頭できるのですが、どうしてもアイデアが沸かないときは机の前に座って難しい顔をして悩みながら1日が過ぎていくなんてことも珍しくありません。締切に追われてどんなリリックを書けばいいかと悩みながら過ぎていく休日の1日ほど悲しいものがあるでしょうか!

「アイデアに価値はない」なんて言われたりもしますが、何だかんだアイデアは全てのスタート地点ですし、ワクワクするアイデア無しに面倒な作業を繰り返すというのはとてもじゃないですがやってられません。

ところが、僕自身はあまり自分でわくわくするアイデアを思いつく方ではないのです。。

タイラー・ザ・クリエイターのように複数の人物を登場させて会話形式を多用した映画のようなアルバムを作ろうとか、チャイルディッシュ・ガンビーノのように脚本付きのアルバムを作ろうとか、そういったアイデアがポンポン浮かんでくればどれだけ楽しいことでしょう!

ということで同じような考えの方向けに「アイデアを生む方法」について、これまでに読んだ本や記事から参考になりそうなコツをまとめてみたいと思います!

オレンジジュース×防衛費!?意外なもの2つを掛け合わせる

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皆さんは本田亮という方をご存知ですか?

この方は元電通のエグゼクティブ・プロデューサーで、「ぴかぴかの一年生」(小学館)や「こだまでしょうか?」(AC)等のCMを企画制作された方です。

この本田亮さんという方が『僕が電通を辞める日に絶対伝えたかった79の仕事の話』という本で、こんなアイデアの出し方を紹介していました。

凄いアイデアと言われるものは、組み合わせからのジャンプがとても大きい。

アイデアを発想するとき、僕がよくやる発想法は、組み合わせからスタートすることだ。

組み合わせるものは何でもいい。突拍子もないくらいかけ離れている方が、むしろおもしろくなる。

このように突拍子もないもの2つを掛け合わせてアイデアを作るというものです。その具体的なプロセスは以下のように記されています。

企画を始めるとき、雑多な情報が詰め込まれている新聞や雑誌などをテーブルの上に置いて、その見出しを見ながら仕事のテーマと掛け算していく。

たとえばそれがオレンジジュースの企画で、新聞の最初の見出しが「防衛費」だったとしたら、こう考えるのだ。

「オレンジ同士が戦っているのはどうだ?」「オレンジの爆弾?」「オレンジが空飛ぶ戦闘機?」「オレンジ型の気球が可愛いんじゃないか?」「オレンジの竜巻?」「オレンジ型の恐竜はどうだ?」などと、どんどんイメージを膨らませていく。

最初は「防衛費」という単語だったはずなのに、いつの間にか「竜巻」や「恐竜」という糸口に変わってしまっていいのだ。最初の単語は単なるスイッチでしかない。

何も浮かばないときに、とりあえず何かを放り込めば歯車が回り始めるということですね。

これって意外とラップとも相性良さそうだと思うんですよね。韻になるような単語、それも良くある「方法」とかそんなのじゃなくて、普段あまり使わない珍しい名詞や固有名詞なんかを放り込んでみる。そうするとそこからまたリリックが膨れていったり。

その他78個も伝えたいことがあるということですので、これ以外は残念ながらあまり頭に残っていないのですが、もしよければ読んでみてください(笑)。

意味の無いことを物語に、村上春樹の短編小説の書き方

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3月に突然僕の中で到来した村上春樹ブームも4月に入ると早くも終わり気味なのですが、ハマっている最中にたまたま面白い記事を見かけたので、こちらも紹介します。

村上春樹の短編小説の書き方について説明されている記事です。

「東京奇譚集」という短編小説集を書いたときの話らしいのですが、

何でもいいんです。なるべく意味のないことがいい。たとえば、そうだな、「サルと将棋を指す」とか「靴が脱げて地下鉄に乗り遅れる」とか「五時のあとに三時が来る」とか(笑)。そうやって脈絡なく頭に思い浮かんだことを二十ほど書き溜めておくんです。リストにしておく。それで短編を五本書くとしたら、そこにある二十の項目の中から三つを取り出し、それを組み合わせて一つの話をつくります。そうすると五本分で十五項目を使うわけですね。そして残った五つは、使わなかったものとして捨てるわけ。不思議だけど、こうやると短編小説ってわりにすらすら欠けてしまいます。いつも多かれ少なかれそういうやり方で短編を書くんですが、今回はとくに意識的に、そういうシステムをきっちりつくって作業を進めました。(中略)そういう一見して脈絡のないランドマークみたいなものを、ところどころにポッと浮かべて話を書いて行くというのが、自分でもすごく刺激的で、おもしろいんです。

というものです。

村上春樹の小説が中身が無いというような意見も見ますが、そもそもこんな書き方してたりするんですね。

こちらもラップで使えるかもしれないと思ったことがあって、例えばふと「上手いこと言えた」みたいなパンチライン思いつくことってありますよね。『The Bible』の”2015”って曲で使った「俺は錬金術師、それか羽生、どんなものでも金に変えてみせる」とかって、外出中にホントにふと思いついたラインなんですね。まぁ「無重力でも恋に落ちる」とかでも良いと思うんですけど。

そういう上手いこと言ったなみたいなライン思いついたときにメモっておいて、そこから適当に3つくらい使って曲にするみたいな。それって意外と面白い曲が出来るんじゃないかと思ってパンチラインノートなんてのを作ったのですが、まぁ書き留めたパンチラインと一緒にどこかに消えましたが。。

ちなみに村上春樹の短編小説だと『中国行きのスロウ・ボート』という短編小説集の表題作”中国行きのスロウ・ボート”に、思いっきりそんな感じで作られたんだろうなというので印象に残ってる部分があるので、ちょっとこちらも紹介したいと思います。

僕は柱に寄りかかって、そのまま煙草を最後まで吸った。そして煙草を吸いながら、なぜだかはわからないけれど、気持ちが奇妙にぶれていることに気がついた。僕は靴底で煙草を踏み消し、それからまた新しい煙草に火をつけた。様々な街の音が、淡い闇の中ににじんでいた。僕は目を閉じ、息を深く吸い込み、頭をゆっくりと振った。それでも気持ちのぶれはもとに戻らなかった。

まずいことは何もないはずだった。手際がいいというほどではないにしても、最初のデートにしては、僕は結構うまくやったはずだった。少なくとも手順はきちんとしていた。

しかしそれでも、僕の頭の中で何かがひっかかっていた。とても小さな何か、言葉にならない何かだった。何かがどこまでも確実に損なわれてしまったのだ。僕にはそれが分かっていた。何かが損なわれてしまったのだ。

その何かに思い当たるまでに十五分かかった。十五分かけて、僕は自分が最後にひどい間違いをしてしまったことにやっと気づいた。馬鹿げた、意味のない間違いだった。しかし意味のないぶんだけ、その間違いはグロテスクだった。つまり僕は彼女を逆回りの山手線に乗せてしまったのだ。

「間違えて逆の山手線に乗せる」的なメモから膨らませたのでしょうか。中身が無いといえば中身が無いで終わりなのですが、こんな方法論も面白いかもしれません。

ルール・制限をかけると逆に発想が沸きやすくなる

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これはサイバーエージェントの藤田社長が本かブログか何かにも書いてたことがある気がするのですが、制限やルールがある状態というのは意外と発想が沸いてきやすかったりします。

だからサイバーエージェントでは新しいアプリなんかを作るときに、敢えて制限を設けてその範囲内で商品のアイデアを完成させるということをやったりするそうです。

ラップでもたとえば「セルフボーストをする」というだけでは範囲も広く、うやむやになりがちなので中々何を書いていいか思いつかないのですが、「セルフボーストをする。その中身は嘘ばっかり。」とひとつルールを加えると、”スピーカーからデマ”という曲が出来上がったりします。


ラップはそもそも絶対ではないですが「韻を踏む」というルールのようなものがありますしね。こういったものは表現の足枷になったりはするのですが、意外とアイデアの足枷にはならないような気がします。

まとめ

ということで、とりあえず3つ覚えているものを書き出してみました。

良いもの作るぞ!って力が入ってると、こういうのやりにくかったりもするのですが、どうしてもアイデアが浮かばない~ってときには是非試してみてください!

 

こんな本もあるみたい。

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