去年の年末ですが、Googleが一部、検索結果において歌詞を直接表示するようになったというニュースがありました。
Google、歌詞検索の結果ページトップにて歌詞の直接表示を開始
この動きが本格化すれば、数多くの歌詞サイトの収入が激減することは確実でしょう。
歌詞サイトの多くはGoogleからの検索によってトラフィックの大部分を補っているからです。
(ツイッターやFacebookで歌詞が回ってきたから読もうということは少ないでしょう。歌詞は見たい人が見たいときに検索するものなのです。)
さて、こうした事例が出来ると、みんなが気になるのはGoogleが今回の歌詞のように、今後自製&直接表示する可能性があるコンテンツは何かという点でしょう。
今回は、この部分について考えてみたいと思います。
Googleはなぜ歌詞を直接表示するのか
(1) 検索に対する答えがただ一つだから
こちらは、先ほどのTech Crunchの記事で紹介されていた画像です。
「stairway to heaven lyrics」と検索した際に、歌詞が検索結果画面に表示されているのがご覧いただけると思います。
本来は様々な歌詞サイトが検索結果に表示されるところを、Googleが直接歌詞を表示してしまっているわけです。
さて、今回、Googleが直接表示するテストを行ったのが「歌詞」であった最大の理由は、歌詞は一つしかないからだと考えられます。
順を追って考えるために、例えば「アベノミクス 成果」と検索した人がいたとしましょう。
「アベノミクス 成果」という検索に対する結果は様々なものが予測されます。
・第一の矢は成功し、株価が上がった。今後は第三の矢、とりわけ規制緩和だという趣旨のもの
・円安による物価上昇、実質賃金の低下が国民の生活を苦しめているという趣旨のもの
など、「アベノミクス 成果」という検索結果に対するアンサーは一つではないのです。
一方で、例えば「花と雨 歌詞」に対するアンサーは一つです。
「花と雨」の歌詞しかありえないからです。
さて、ここで何故みんながGoogleを使うかをもう一度考えてみましょう。
それは、Googleの検索窓に単語を入れて検索すると、何よりも簡単にぴったりの情報が見つかるからです。
もしGoogleが「アベノミクス 成果」の検索結果に自分たちで作ったコンテンツを直接表示しだしたら(Googleが具体的なコンテンツを自作することはありえないですが)、検索結果画面は検索窓に入れた単語に対して最良の情報を表示しているとは言えなくなるでしょう。Googleが作るコンテンツよりも優れた論文や、経済学者による記事があるかもしれないからです。
しかし、「花と雨」の場合は検索結果に表示されるどのサイトに飛んでも、結局は同じ「花と雨」の歌詞が載っているわけです。それであれば広告だらけの歌詞サイトよりも、Googleが直接「花と雨」の歌詞を表示した方が、検索を利用する人にとっては100倍便利なはずです。
つまり、当たり前のことなのですが、検索に対する答えが一つかどうか、というのが最も大きな判断ポイントになると考えられるわけです。
(2) Googleの他サービスの宣伝になるから
さて、(1)が最大の理由ですが、今回はもう一つ理由を考えてみました。
先ほどの画像の最下部に「Full Lyrics on Google Play」とありました。これはGoogle PlayというGoogleのサービスの宣伝にもなっているわけですね。
このように、Googleが運営する他のサービスの宣伝となるような検索結果は直接表示される可能性が高いといえるでしょう。
Googleが直接表示する可能性のあるコンテンツ
ということで、Googleが直接表示する可能性のあるコンテンツの条件が分かりました。
現在、曲名を入れるとYoutubeの動画が検索結果の最上部に表示されますが、こちらもより目立つように、直接表示に近い形で表示されるようになるかもしれません。
曲名の検索に対するアンサーは基本的にその曲自体だからです。
そんな感じで考えてみると、Googleの直接表示によって泣きを見ることも避けられるのではないかなと思います!
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