「親が通わせてるから来てるだけさ。あいつらには勉強する気なんて全く無いんだからね。クレイジーなことをするんだ。15歳なのにやたらに背が高い奴がいたのさ。長いと言ったほうが正確かもしれないね。もやしみたいにひょろりと伸びてたんだ。そいつは俺の声を真似してふざけてた。そいつの数人の友達が笑った。だから、今度は俺がそいつの声を真似してやったんだ。そうしたらクラス全員が笑った。そいつは凄く傷ついて、」
「すごくうまかったんだね。」
「そういうことになるね。俺にはモノマネの才能があるのかもしれない。まぁとにかく彼は傷ついたんだろう。立ち上がって、俺の方に来ると、俺の両肩を彼の持てる限り精一杯の力で押し飛ばそうとしたんだ。俺はただクラスから立ち去ったよ。あいつらを教えるなんて無理だったね。」
「でも、力で抑え付けようとすれば出来たんだろ。」
「考えてみなよ。殴ったりでもしたら、この通りさ。」
そう言うと、彼は両手を前に出して、手錠に縛られた演技をしてみせた。もしやるなら、と彼は続けた。
「誰も見ていないところでやらなきゃいけなかっただろうね。誰も見ていないところさ。たとえば便所とかね。あいつが便所に行くときに後ろから付いてってドスンだよ。でも俺は大人だぜ。糞みたいな30歳さ!」
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