『超加速経済アフリカ』の要約を読むなら「flier」がおすすめ!
はじめに
アフリカ経済や社会の現状に興味を持っている方へ。
「次の世界経済成長の中心はアフリカだ!なんて話も聞くけれど、実際のところアフリカっていまどうなの?」という方はわりといるんじゃないでしょうか。僕もそんな感じでした。
今回は、そんな方におすすめの『超加速経済アフリカ』を紹介します。ちなみに大前研一さん推薦です。
この記事の内容
- アフリカはめちゃめちゃ広い
- アフリカはめちゃめちゃ若い
- アフリカはイノベーションを普及しやすい
アフリカ経済や社会の現状に興味がある方は、ぜひ最後までお読みください。
written by @raq_reezy
アフリカは想像以上にめちゃめちゃ広い
まず、日本人の多くが勘違いしているのが「アフリカの広さ」です。
というと、「いや、アフリカが広いことくらい知ってるよ」と思われたのではないでしょうか。わかります。知ってますよね。
でも、思っている以上にさらに広いんです。
どのくらい広いかというと、中国とアメリカとインドとヨーロッパとメキシコと日本が全部入るくらい広いです。
これはちょっと予想外だったという人もいるんじゃないでしょうか。現在の主な地図は全て「メルカトル図法」という方法で描かれていて、赤道付近の国は面積が縮小されて描かれるんですね。
なので、地図でみるアフリカは十分広いですが、それでも過小評価なのです。
アフリカ経済・社会の現状は良い意味で予想を裏切る
さて、そんな広大なアフリカですが、本書では、そのアフリカの現状を理解するためのポイントがいくつか紹介されています。順番に見てきましょう。
平均年齢がめちゃめちゃ若くて成長が期待できる
高齢化社会だといわれて久しい日本の平均年齢をご存知でしょうか。
日本の平均年齢(厳密には中位年齢ですが大体同じ)は48.4歳です。総務省統計局『国勢調査報告』によると、2050年には中位年齢は53.4歳になります。
日本人の年齢の真ん中って50歳なんですよ!びっくりですよね。
そりゃあイノベーションや最新技術の導入も進まないよねという感じ。だって50代というと波平さんです。もう新しい技術やオペレーションを苦労して身につけるとかよりも、これまでに身に付けてきたことで生きていきたい年齢ですよね。僕でも50代になったら、新しいものには比較的億劫になると思います(なるべく頑張りたいけど)。
一方のアフリカですが、アフリカ全土の中位年齢は19.7歳です(笑)。
そんなことある?アフリカの人口の大半は、まだ未成年ということ。めちゃめちゃ若いから新しいことにも柔軟だろうし、体力も有り余ってるでしょう。
なんでこんなに中位年齢が若いかというと、最近になって医療や衛生環境が整備されてきた結果、若い人が死ななくなったからだそうです。
少し前までは、アフリカでは赤ちゃんで生まれてから、大人になれたのは平均して半分くらい(これは明治時代の日本と同じくらいの死亡率だそう)。悲しいですが、半分くらいは大人になるまでに亡くなっていたそうです。
しかしその分、赤ちゃんをたくさん産むわけですよね。そこに医療・衛生環境の整備で死亡率の低下が実現したことで、若い人がめちゃめちゃ増えたというのがまさに今だということのようです。
死亡率が下がると、徐々に赤ちゃんを産む数が減っていくでしょうから、少しづつ中位年齢は上がっていくと思いますが、まだまだ当分の間は若い人たちが中心の社会だといえるでしょう。
社会インフラを白紙からつくるので、新しい技術が浸透しやすい
破壊的イノベーションというと格好いいですが、すでに便利な社会では、なかなかイノベーションは浸透しません。
なぜなら、(1)すでにある程度便利だから、(2)既存のインフラと競合するから。
例えば、自動運転という新技術を考えてみましょう。
全くタクシーがない土地と、既にタクシーがある土地であれば、前者のほうが自動運転への需要は大きいでしょう。タクシーがビュンビュン走ってる東京であれば、道に出て手を上げるだけで、自動運転と似たような役割を果たすタクシーが止まってくれます。タクシーがない土地の方が自動運転がほしい!と思うでしょう。
また、タクシーという社会インフラが既にあるということは、自動運転によって職を失う人(不利益を被る人)がいるということを表します。30年間、タクシー運転手一筋でやってきたよという方は、自動運転というインフラが社会に浸透すると職がなくなって困ってしまうことでしょう。なので、「自動運転をいきなり導入するのは危険だ!」など理由を見つけて、新しい技術の導入に反対することになります。(それが悪いというつもりはなく、当事者からすると当たり前の対応だと思います)
では、アフリカはどうかというと、社会インフラがまだ整備されていません。だからこそ、最新の社会インフラをいち早く導入できるということになります。
例えば、ケニアでは、M-PESAというモバイルマネーを成人の9割が使っています。現金を預けたり引き出せる銀行ATMもなければ、SUICAもないからこそ、一足跳びでモバイルマネーが広がったわけですね。ちなみに、M-PESAは単なるモバイルマネーではなく、プリペイド式携帯の前払い通話料です。これが決済や送金にも利用できて、なんと現金に戻すこともできます。
日本では、銀行預金という仕組みが既にあって、ガチガチの規制を銀行に求める代わりに、銀行業というのは守られています。たとえば、スタートアップでも簡単に送金ビジネスに参入できる「前払い式支払い手段」(いわゆる電子マネー全般)は、法律上、現金に戻すことができません。それができると銀行は困ってしまいます。「俺らは金融庁の厳しいルールを守ってやってるのに、なんで他の企業が大した規制もなく同じようなビジネスをできるんだよ!」とキレますよね。しかし、ケニアには銀行インフラはないので、そんなコンフリクトは発生しないわけですね。
人口の大半が20歳以下のアフリカで、その人たちが何もない白紙のところから「よっしゃ!これからアフリカという国を発展させていくぞ!」とやったとき、最新の凄い社会ができそうですよね。そういう意味で、アフリカ社会は期待大なのだと本書は述べているわけです。
アフリカ進出の4つの形態
本書では、アフリカに進出する方法として4つの形態が紹介されています
(1)資源や一次産品の獲得
金・ダイヤモンド・石油・レアメタル・コーヒーなど、豊富な資源や食品を獲得するためのアフリカ進出というもの。
大航海時代から続く、昔から営まれているアフリカビジネスですね。最近だとフェアトレードといったコンセプトもあると思います。
ちなみに、2019年のアフリカ→日本の輸入額は約8,400億円で拡大中とのことです。
(2)市場としての進出
これまでは中国や東南アジアなんかが市場として熱いということで各国の企業が進出してきたと思うんですが、そういう意味では、これから働いてお金を持って消費する人口がめちゃめちゃ増えるアフリカというのは次の成長市場だと。
ちなみに、アフリカでは日本車が人気だったり、味の素が人気だったりと、日本企業も頑張っているようです。味の素は、パッケージをとにかく小分けにして安くしたところ売れるようになったそう。
(3)生産拠点としての進出
「世界の工場」といわれた中国も人件費が上がってきた、東南アジアも上がってきた、ということで、アフリカが良いのではないかという発想ですね。中国や韓国の縫製向上なんかはエチオピアなどに進出しているようです。
(4)新しいビジネスモデルを広める場としての進出
そして、本書で「最も盛り上がりを見せている」と紹介されているのが、新しいビジネスモデルを実装する場としてのアフリカです。
先ほども書いたように、平均年齢が50歳で、既に便利な社会インフラがある日本では、なかなか新しいイノベーションの社会実装は困難です。例えば、「LINEで自動運転車が呼べるよ」といっても、おじいちゃん・おばあちゃんは「あらそう、でもLINEも難しいし、電話でタクシーが呼べればええわあ」という感じではないでしょうか。「RPAツールで普段の業務を自動化できます!」といっても、「コツコツと入力する作業が大事なんです」みたいな。「飲食店をセルフオーダーにしましょう」といっても「注文をとりに伺うのが接客じゃ」みたいな。
こうした環境で「イノベーションが起きないのは何故だ!イノベーションが大事だ!」とか叫んでいても仕方ないですよねと。商人なら、イノベーションが求められてるところに行って売れよと。
なので、「革新的な技術やビジネスモデルがあるなら、アフリカでやったら?」というのが盛り上がっているのだそうです。日本企業だからといって、日本で商売をしなければいけないわけではありません。商売は、欲しい人がいるところでやるのが基本です。新しい商売は、若くて新しいものが好きな人が多いところでやったほうがいいですよね。
まとめ
そんな感じで、『超加速経済アフリカ』の紹介でした。
アフリカといえば、飢餓・貧困・ゾウ・キリン・ライオンみたいなイメージであれば、それが大きく覆される内容だと思うので、ぜひ読んでみてください。
『超加速経済アフリカ』の要約を読むなら「flier」がおすすめ!
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