2月中旬以降、日経平均がぐんぐん上がると思っていたら、ついに今日は後場で19,000円を一時突破しました。
トレンドラインを引いてみても、綺麗な上昇トレンドです。
2000年4月21日以来の高値だそうです。
2月序盤まで株価上昇を抑えていた2つの要因
原油価格の急落
昨年の12月から株式市場に最も大きな影響を与えていた要因が原油価格の急落です。
原油価格が下落を始めた背景は米国のシェール革命です。
簡単に言ってしまえば、原油は元々、中東でしか採掘できなかったために、OPEC等で価格が調整されていたわけです。
ところが、アメリカで原油が採掘できるようになり、どんどん生産量が増えていったために、供給過多になり、原油価格が落ち始めたわけです。
こちらは原油先物のチャートですが、昨年の8月くらいから下がり始め、12月くらいから急落しています。
原油価格が下がってきたところに仕掛け売りが被せられて急落となったわけです。
原油価格の下落は、資源輸入国の日本にとってはプラスだと多くのアナリストが述べていましたが、原油安で米国株が下がり、リスク回避で為替が円高に進んだことで、日本の株式市場も上昇を抑えられていました。
ギリシャの債務問題
もうひとつの要因がギリシャの債務問題ですね。
債務見直しを求める方針の野党が選挙で勝利しそうだというあたりから、ユーロ安、円高が進んでいました。
選挙で野党が勝利したことで、材料が出尽くしとなって反発しはじめましたが、その後も2月前半の間、しばらくくすぶっていました。
これら2つの要因が過ぎていったことで、日経平均は上昇を始めたのですね。
日経平均の上昇を支える2つの要因
次は、日経平均の上昇を支える要因を見てみたいと思います。
米国の利上げ期待による円安進行
現在、アメリカは景気がどんどん回復しています。
懸念点であった原油安も、ひとまず原油価格が底を打ち、雇用統計の内容も非常に好転してきています。
NASDAQ指数はITバブル崩壊以来の5000ポイントをつけ、NYダウも2万ドルを視野に入れています。
2008年のリーマンショックによる不況を乗り越えて、いよいよ元通りの経済成長を始めているわけです。
アメリカ経済が回復すると、アメリカのFRBは利上げを検討します。つまり、お金を貸す利率を上昇させて、世の中に出回っているお金の量を減らすのです。
経済があまりの速度で成長するとインフレが起きてしまうので、このように経済をコントロールするのですね。
さて、アメリカの金利が上がると、ドルは他の通貨に対して高くなります。
まだ経済が回復していない日本やユーロ圏はゼロ金利を続けますから、利子が付かない円よりも、利子がつくドルにお金が流れていくのです。
昨年後半ほどの角度ではないですが、2月に入って円安が再び進み、1ドル=120円を突破しています。
こうして円安・ドル高が進むと、グローバルに展開している日本企業、たとえばトヨタ等は業績が良くなります。
アメリカで同じドル建ての値段で売っても、1ドル110円から1ドル120円まで円安が進んでいれば、円建てでの売上や利益は高くなるからです。
そうした円安によるグローバル企業の業績向上期待が現在の日経平均上昇を支える大きな要因です。
最近、米国株市場が調整で株価を下げても、日経平均は上昇するという場面が目立ちますが、利上げを見越して米国株が下がる=利上げを見越して円安が進む→円安で日経平均が上がるという構図なのですね。
日銀の黒田バズーカ
日本銀行総裁の黒田さんは、異次元緩和でアベノミクス相場を作り上げてきました。
要は、ものすごい量のお札を刷って、ものすごい量の国債を買いまくって、刷ったお金を国を通じて日本中にばら撒いたのですね。
そうしたお金が金融市場に流れ込み、株価が上昇し続けたわけです。
昨年2014年の10月31日にも、日経平均が伸びなやんだところで、もう一度、大規模な量的緩和を発表し、株価を跳ね上げました。
安部政権と黒田さんはデフレマインドの脱却という点において、徹底しています。
そのため、2回も大規模な量的緩和を行ったことで、株式市場が本当に下がりそうになったら、また何度でも量的緩和をするんじゃないかという考えが投資家の間には広がっています。
ショート(空売り)も仕掛けにくく、株式市場は下がりにくい状態にあるといえます。
これからは?
ありきたりですが、短期的な調整で株価が一時的に大きく下落する可能性はありますが、米国の利上げを織り込んでの円安という大きなトレンドは変わらないので、日経平均はまだまだ上昇の余地があり、20,000円を目指していくのではないかと思います。
ということで、しばらくは押し目では積極的に買っていきたいなぁと思っています。
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