ドル安相場における新興国・フロンティア株式投資を考える(理論編)

金融ファイナンス

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はじめに

アメリカのインフレや金利高がそろそろ一段落するであろうという見通しを重ねて伝えてきました。2022年のドル高は米国の金利上昇が背景にあるので、利上げによる金利上昇が一服するならドル安に向かうというのが一般的な見方となっています。

ドル高であればドルを持っておきたいですが、ドル安に向かうのであればドル以外の通貨、すなわちアメリカ以外の国に投資するということが考えられます。そこで、今回は新興国・フロンティア株式への投資について考えてみます。

written by @raq_reezy

金利上昇の一段落からドル安に向かう

アメリカにおいて、インフレ率が低下しはじめたのを受けて、利上げが緩やかになるという見通しから、金利上昇がピークをつけたであろうことは、以前から紹介している通りです。

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米国のインフレと金利上昇は一段落して横ばいに向かう

2022年11月25日

インフレ率は、以下のグラフで分かる通り、4ヶ月連続で低下しています。

米国CPI(消費者物価指数):2022年11月

米国CPI(消費者物価指数):2022年11月(Investing.comより)

結果、ピークでは4%を超えていた長期金利は3.7%以下に下がってきています。

米国10年債金利(2022年11月30日・Investing.comより)

米国10年債金利(2022年11月30日・Investing.comより)

従って、アメリカの高金利を求めて、世界からアメリカにお金が集まる(ドルが買われる)という流れもピークをつけるというのが自然な流れであり、実際にドルの強さを表す米ドル指数も、長期金利と呼応するようにピークをつけて低下しています。

米ドル指数(2022年11月30日・Bloombergより)

米ドル指数(2022年11月30日・Bloombergより)

アメリカでは、今後リセッションが意識されて、さらに長期金利は下がるというのが僕の見通しなので、米ドルは今後も安くなるであろうと思っています。

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2022年内はインフレ率の低下がテーマ、やがて失業率上昇でリセッション相場へ

2022年11月30日

誤解のないように付け加えておくと、あくまでも全体的に米ドルが安くなるという話であり、ドル円のような特定の通貨ペアについての見解ではありません。高齢化が進んで経済が縮小し、中央銀行も無責任な金融緩和を続けている日本円に対してドルが弱くなるかどうかは別問題です。米ドルと一緒にあるいはそれ以上に円が弱くなっていくのであれば、ドル円は変わらないか、むしろさらに円安になる可能性も排除はできません。

しかし、財政が健全な国に対しては、ドルは安くなるでしょう。

新興国・フロンティア株投資と為替リスク

さて、ドル安局面では、新興国・フロンティア株投資に妙味があるという話が一般的にあります。

新興国は成長している最中の国という意味で、中国やロシア、インド、ブラジル、台湾、トルコ、南アフリカなどを指します。また、フロンティアというのは、新興国よりもさらに発展余地のある国のことであり、ベトナムやフィリピンのような東南アジアの国、ルーマニアやウクライナのような東欧の国、ケニアやカザフスタンやカタールのようなアフリカや中東の国、ペルーやコロンビアのような南米の国などが含まれます。

これらの国は、年老いた日本や西欧のような国と比べると経済成長の余地がたくさんあり、そのリターンを得られるというメリットがあります。例えば、ベトナムの動画などをみると、多くの人がバイクに乗っています。しかし、経済が発展していくと、やがてみんな車を買って乗るようになるでしょう。このような消費拡大の余地が残されているのです。人口ピラミッドも日本のような高齢社会と違って、若い人が多いです。

ベトナムの人口ピラミッド(2020年・populationpyramid.netより)

ベトナムの人口ピラミッド(2020年・populationpyramid.netより)

このような国は、政治が安定していない、汚職や不正会計が多い、成熟した株式市場がないなど、投資に適さない条件がたくさんあります。これはリスクが高いということであり、その分リターンもあることを示しています。新興国は株式の割安度を示すPERが11倍程度、フロンティア国は8倍程度です。これはアメリカの17倍や日本の12.5倍と比べて割安です。

しかし、新興国投資には上に書いたようなリスク以外にも、大きなリスクがあります。それが為替リスクです。

例えば、先ほどから紹介しているベトナムの通貨はドンですが、米ドルに対して長期で下落を続けています。

ベトナムドン/米ドル(2022年11月30日・Googleより)

ベトナムドン/米ドル(2022年11月30日・Googleより)

株価が2倍になっても、為替で半分になってしまったのでは、株式投資をしても儲かりません。だからこそ、ドルが安くなるタイミング、つまり為替のリスクが少ないタイミングが新興国やフロンティア国への投資に適していると言われているのです。

「ドル安で新興国・フロンティア株投資に妙味」の検証方法

さて、「ドル安で新興国・フロンティア株投資に妙味がある」ということの意味はわかりましたが、実際に検証をしないとお金を投じるわけにはいきません(いくらか既にノリで投じてしまっていますが。。)

ということで、以下の2点を検証すれば良いでしょう。

  1. 過去の金利低下局面において、新興国・フロンティア国の通貨はドルに対して強さを示しているか
  2. 過去のドル安局面で、新興国・フロンティア国の株式はドル建てで高いリターンを出しているか

ということで、調べるべき内容の整理ができたので、実際の検証は次回の検証編に回したいと思います。

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