何のために初心者が投資本を読むのか
今回は、初心者が読むべき投資本を紹介したいと思います。
そもそも、おそらく「おすすめの投資本」を検索して、この記事に辿り着いたであろう皆さんは、どうして投資本を読もうと思ったのでしょうか?
投資本は私たちに何を与えてくれるのでしょうか?
投資本を読む3つのメリット
初心者が投資本を読むことには、大きく3つのメリットがあります。
第1のメリット:頭の中で様々な相場をイメトレできる
投資を長年に渡って行えば、株価が急上昇する局面、株価が急落する局面、株価がダラダラと下がり続ける局面、株価が一定の範囲で上下動を繰り返す局面など、さまざまな局面を経験することになるでしょう。
投資というのは「リスクを取って、リターンを得る」行為であるため、過去に経験していることからくる心の余裕(リスクへの慣れ)というのは、大いに役立ちます。
それは、既視感のある相場に対しては、冷静な判断をもって対処できるからです。
しかし、投資を始めたばかりの初心者は、そうした経験がないため、相場が上がったり、下がったりすると、おろおろとして、売らなくていい場面で株を売ってしまったり、買わなければいけない場面で買えなかったりと、冷静な判断ができないものです。
誰もが最初は未経験なのだから、そうした失敗はある程度仕方がないものの、冷静に対処できるのであれば、それに越したことはありません。
優れた投資本を読んでおく第1のメリットはそこにあります。
投資本を読んで「相場では、こんなことがあるんだな」と様々な局面をイメトレしておくことで、投資で失敗する確率を下げることができるでしょう。
第2のメリット:先人の知恵を用いて投資できる
優れた投資本を読むことのメリットは、この先の相場をイメージしておくことに留まるものではありません。
優れた投資本には、そうした相場において、先人がどのように行動することで利益を出せるかを考え抜いてきた知恵が詰まっています。
人間は、動物の中で唯一、読み書きができます。そのおかげで、先人の知恵を読んで吸収し、自分の力とすることができるのです。
投資をするにあたって、そのアドバンテージを活かさない手はありません。
この記事でおすすめしている投資本は、どれも先人の知恵が詰まった名著ですので、ぜひ手に取ってみてください。
第3のメリット:自分の選択を信じることができる
初心者が優れた投資本を読むことの最後のメリットは、第1のメリット、第2のメリットに関係しています。
相場をイメージして冷静に対処しつつ、先人の知恵をもとに判断をすることで、自分の選択を信じることができるのです。
投資には、様々なスタイルがあります。
株価が急上昇している銘柄に飛び乗るスタイルもあれば、みんなに売られて安くなっている株を買うというスタイルもあるのです。
しかし、自分のスタイルや選択を信じて、一貫性のある行動を取ることができばければ、相場で勝つことはできません。
優れた投資本を読んで、相場やマーケットというものを理解し、そして様々な先人の教えを参考に、自分のスタイルを確立する。そうすれば、自分の選択を信じて、一貫性のある行動を取ることができるようになります。
そのためにも、初心者は優れた投資本を読む必要があるのです。
おすすめの投資本8選
超初心者向け
こちらの超初心者向けの書籍は、全ての基本となる「投資やお金との向き合い方・考え方」をインプットできる本を選んでいます。
(1)最初の一冊はとにかくコレ!富の築き方を知る。
『私の財産告白』
「投資どころか、お金の管理や貯金すら上手く出来ていない!」
そんな「投資」以前の「お金の管理」についても超初心者の方に、とにかくおすすめなのが、本田静六の『私の財産告白』です。
この書籍は、子沢山でお金のない貧乏な東大教授が、どのように倹約に励んで貯蓄し、どのように投資をして、巨万の富を築いたかという内容が、自分の言葉で平易に書かれています。
この書籍に書かれている、本田静六の貯金や投資に関する具体的な手法というのは、必ずしもそのまま真似をする必要はありません。
しかし、本田静六が自ら考えた手法は「貯金をするためには天引き」、「投資において重要なのはリスク管理」といった、お金の管理における重要な観点・ポイントをしっかりと抑えているため、自分なりの投資を行う場合にも、そのエッセンスは必ず参考になります。
既に貯金や家計管理はしっかりと出来ているという方でも十分に勉強になる一冊ですが、貯金や家計管理から投資や資産形成まで、お金と向き合う姿勢や考え方を一気通貫で学びたいという方は、ぜひこの本から読み始めてください。
Amazonのレビュー
★★★★★ すばらしい
正直今までで投資や貯蓄に全く興味はなくすごく軽い気持ちでこの本を手にとり読んでいた。
内容としてはお金を増やす基本の「貯蓄」をどれだけ愚直に行えるかが鍵!
僕のようなお金に無頓着な人はしっかりと収入の4分の1は貯金するというルール設定を堅実に守るなど誰しもができる当たり前をコツコツやればいいんだと気づかせれた!
著者が一般から億万長者になっていることで自分でも億万長者になれるのではないかなと希望をもてた。
もっと早くに出会ってこの著者のように貯蓄をしていればよかったと思った!
(2)「お金に働いてもらう」を学ぶ、永遠の名著
『金持ち父さん貧乏父さん』
『金持ち父さん貧乏父さん』は、あちらこちらでおすすめされている投資本ですが、やはり資本主義におけるラットレースから抜け出せるという感覚を腹落ちさせることが、とても大切です。
この本の教えはシンプルです。
自分の財布にお金を増やしてくれるものは資産、自分の財布からお金を取っていくものは負債であり、資産を手に入れることで「資産家」になり、お金持ちになることができるというものです。
つまり、お金を労働の対価として手に入れるのではなく、資産を持つことによって手に入れることが、投資の本質なのです。
本書を読むことで、そうした資産家としての考え方を身につけてください。
Amazonのレビュー
★★★★★ 中流から抜け出したい人へ
お金の勉強。聞きなれない言葉だが、まさにお金について勉強を始めるために最初に読むべき本だろう。自分は頑張って勉強し働きさえすれば経済的に豊かな生活が送れる、そう信じて学生時代から一生懸命勉強し、社会人になっても必死に働いてきた。いつか報われると信じて。確かに、平均よりはいい給料をもえて、ある程度は成功しているのかもしれない。でも、正直もっと豊かであってもいい、それくらいの努力はしてきたと思っている。何故自分の頑張りに対して、こんなものなのか?この本で目が覚めました。お金の勉強始めます。
初級者向け
「お金」に関する基本を学んだら、いよいよマーケットや投資というものを理解していきたいところです。
「初級者向け」のコーナーでは、マーケットがどのように動いているか、その中でどうやって投資するかという基本的な概念が抑えられるような書籍を選んでいます。
(3)まずはインデックス投資を学ぶ
『ほったらかし投資術』
上にも書いたように、投資には様々なスタイルがあります。
その中でも、初心者が最初に学ぶべき、基本中の基本的なスタイルが「インデックス積立投資」です。
「インデックス投資」とは、個別の株式銘柄ではなく、S&P500やNYダウといったインデックス指数に連動する投資信託やETFに投資をすることで、市場の平均のリターンを得ようというものです。
資産運用の初心者に向けたインデックス投資の解説は、こちらの記事で行っているので、ぜひあわせて読んでみてください。
初心者が個別の銘柄をドッタンバッタンと取引するよりも、ただ毎月インデックス指数に連動する投資信託やETFをドルコスト平均法で積み立てていくというのは、良い投資成績を残しやすいことが知られており、伝説の投資家であるウォーレン・バフェットも初心者向けの資産運用方法として推奨しています。
インデックス投資の理論的な支柱といえば『ウォール街のランダムウォーカー』という、これまた名著があるのですが、「ほったらかし投資術」の方が、日本人にとっては読みやすいうえに実践的な内容になっているので、今回はこちらを紹介しています。
この本を読んで、内容に完全に同意できれば、この先の投資は簡単です。インデックス積立投資をすればいいだけなのですから。
つまり、この本まで読めば、基本的には大きく間違えることなく、投資を始めることができるということです。
まずは、せひ読んでみてください。
Amazonのレビュー
★★★★★ 負けづらい投資の方法
タイトルの通り、長期投資を始めたい方は読んでおくと良いと思います。短期的に利益を出したい方は別の本をお勧めします。
この方法なら勝てる!、というニュアンスではなく、「長期投資で負けないためには」というのがこの本のテーマです。
ドルコスト平均法とか、手数料の安い投資信託・・・など、より確率の高い投資法をこの本で学ぶことができました。
素人にも読みやすいように書いてくれています。長期投資入門として良著です。
(4)機関投資家の考え方とマーケットの仕組みを学ぶ
『MarketHack流 世界一わかりやすい米国式投資の技法』
『MarketHack流 世界一わかりやすい米国式投資の技法』は、「投資の中級者」への入り口となる書籍だと言えるでしょう。
そのため、順番に読んでこられた方がもしいたとしたら、この本からレベルが一気に上がると思います。しかし、ここを理解することで、この先、投資に関するニュースやコラム、様々な本の内容が分かるようになるはずです。
さて、この書籍の執筆者である広瀬隆雄さんは、金融の本場であるアメリカで、機関投資家を相手に営業をしてきた方であり、機関投資家がどういう点に注目して投資をしているかという点について、この書籍以上に詳しい日本語の書籍は存在しないといっても過言ではないでしょう。その知見は投資の初心者にとって、レベルアップの近道そのものです。
また、広瀬さんはツイッターやFacebookサロンにて情報を発信されているので、本書を読んで分からないことがあれば、直接本人に質問することも可能です。
かくいう僕も、2年ほど、広瀬さんのFacebookサロンで相場の動きにあわせて、繰り返し基本が語られるのを読み続けることで、相場の基本を学びました。
「優良な株式銘柄を決算の数値からどのように判断するのか。」
「投資にはどのようなスタイルがあるのか。」
「金利や景気のサイクルは、どのように様々な業種の株価に影響を与えるのか。」
インデックス投資の先に進みたいという初心者にとって、必要不可欠な知見が紹介されている本書。
ぜひ手に取って、中級者への入り口を開いてみてください。
Amazonのレビュー
★★★★★ 実践したい内容が多い
誰にでも勧められる一冊。私はなんとなくインデックス投資してれば間違いないと思っていたが、思考停止するのはよくない。投資で勝ち続けるためには勉強を常にしなければならない、と改めて思った。
中級者向け
中級者向けでは、いよいよ自分のスタイルを見つけて、投資をしていくのに適した書籍を紹介しています。
ファンダメンタル投資というのは、企業のファンダメンタル(財務)を見ながら、投資を考えていくスタイルです。これは企業の価値を算出して、現在の株価と比較をするというのがポイントです。
そして、モメンタム投資というのは、チャートを見ながら、株価上昇の勢いなどに飛び乗るスタイルです。これはテクニカル分析と損切り・利益確定の管理が重要です。
それぞれについて、実践レベルまでイメージできる書籍を紹介しています。
(5)ファンダメンタル投資を学ぶ
『株で富を築くバフェットの法則』
本書は、ファンダメンタル投資の神様であるウォーレン・バフェットの投資手法を考察した書籍です。
こちらは、バフェット自身による書籍ではないため、バフェットの考え方が100%反映されたものでは決してありません。しかしながら、バフェットの投資を考察した本書からは、実践的な考え方をたくさん学ぶことができます。
本書では、バフェットに影響を与えた偉大な3人の投資家の投資スタイルも紹介されています。
株価をファンダメンタルズから算出するという概念を生み出した、ファンダメンタル投資の父であるベンジャミン・グレアムや、バフェットを単なるバリュー投資家から、世界最高峰の投資家に生まれ変わるきっかけを与えたチャーリー・マンガーなど、バフェット以外からも学べることがたくさんあります。
9つのケーススタディもついているため、企業の価値を算出して、投資判断をするという具体的なプロセスをぜひ覗いてみてください。
Amazonのレビュー
★★★★★ 株で富を築くバフェットの法則[最新
1年前に一度読み、今回二度目を読んだ。
それまでにスノーボールや銘柄選択術など何冊かバフェット本を読んできた。
そして二度目を読んだ感想だが、また多くの知恵を得ることができた。
特にバリューとグロースが根幹では繋がっているという箇所、及び割引いて考えると安全域が見えるという箇所は大変参考になった。
また、訳も自然で分かりやすく、また読み返したくなる良書である。
しかし…読めば読むほど日本株は投資に値しないですね…
(6)モメンタム投資を学ぶ<ポジション管理>
『利食いと損切りのテクニック』
モメンタム投資を身につけるためには、二つのことを学ばなければいけません。
ひとつは「テクニカル分析」といわれるチャートの分析です。チャートを見ることで、どこで反発する可能性が高いのかといったことが判断できなければいけません。
もうひとつは「ポジション管理」です。
プロのトレーダーは、それぞれのトレードの勝率は、実はそんなに高くありません。それでも彼らがリターンを出すことができるのは、ポジション管理を徹底しているからです。
つまり、トレードで損が出たとしても、早めに売って損失を少なく抑え、そしてトレードで利益が出るときには大きく引っ張って利益を伸ばしているのです。
本書は、そうした利食いと損切り、リスク管理といった内容について、とんでもなく実践的に書かれています。
もちろん本書に書かれている通りに実行する必要はありませんが、この本を読むことで、どういったことに気をつけながらモメンタム投資を行えば良いのかが把握できるということが非常に重要です。
個人的に、この書籍で気に入っているポイントは、リスク管理やロスカットについて、世間一般では10%でロスカットなど一律な方法が紹介されることが多い中で、ロスカットラインにあわせてポジションのサイズを調整することで、リスク量を調整するという柔軟な手法が紹介されていることです。
モメンタム投資を行う場合は、本当にリスク管理が重要ですので、ぜひ本書を読んでください。
Amazonのレビュー
★★★★★ 非常に勉強になった
表題通りの内容です。ただ、チャートの図が非常に見にくいのでそれだけが難点です。メンタルなものからトレード記録をつける必要性など重要なことは全て書いてありますので、何度も繰り返し読む価値があると思います。ヘンなセミナーやDVDよりはずっと役に立ちます。
(7)モメンタム投資を学ぶ<テクニカル分析>
『先物市場のテクニカル分析』
『先物市場のテクニカル分析』は、テクニカル分析の教科書のようなものであり、モメンタム投資をするなら必携の一冊です。
この書籍を保有しておいて、都度必要に応じて参照しながら、テクニカル分析を学んで行くのが良いでしょう。
少なくとも「トレンド」という概念は理解していなければ、モメンタム投資をすることは不可能ですので、基本中の基本である第3章はぜひとも読んでおきたいところです。
テクニカル分析をさらに深く学びたい場合は、読み進めていくことで、移動平均、オシレーターなどについても理解することができます。
Amazonのレビュー
★★★★★ トレードするなら読むべし
ネットが普及して本書に書かれている大半の内容はそれこそネットで読めますが、言い換えれば今ネットにあふれているテクニカルのなんちゃって講釈はほぼこの本或いは類似の古いテクニカル教本を元にしています。なので散見するネットの情報を読み集めるよりも本書を読んだ方が為になる事は間違いないでしょう。それだけ古今東西数多のトレーダーに読まれている書籍だという事です。
上級者向け
ここまで読んだ方であれば、投資の実践を通じて、自分のスタイルを確立することが可能なはずです。
そんな方が、資本市場や投資というものを、より深い視点から味わうのに最適な書籍を紹介します。
(8)一流投資家の思考回路を覗く
『バフェットからの手紙』
「投資の神様」、「オマハの賢人」などと呼ばれて、多くの投資家から尊敬されるウォーレン・バフェット。
「バフェットからの手紙」は、自身が経営するコングロマリットであるバークシャー・ハサウェイの株主に向けて、実際にバフェットが書き綴った手紙の内容が収録されています。
個人的には、バフェットは単なる投資家に止まらない、資本主義時代の思想家とまで、言っても差し支えがないと思います。
そのくらい、バフェットの資本市場が健全に運営されること、投資家が正しくリターンを得ることへの情熱は凄まじいものです。
ここまで学んできて、投資を実践していても、どこか「会社の経営」と「投資」が頭の中でしっくりと繋がっていないという方は、ぜひ本書を手に取ってみてください。
ここまで来ると「投資で儲けたい!」という方に直接的に役に立つ内容とは少し離れるかもしれませんが、さすがバフェットの言葉は知見に満ちており、仕事や経営、世の中を視座が上がるに違いありません。
すべての投資家だけでなく、すべての経営者にも読んでほしい一冊です。
Amazonのレビュー
★★★★★ 飛ばし読みと集中読みをオススメします
バフェット自身による株式投資の見解が分かる貴重な本です。
バフェットからバークシャーの株主宛の手紙なので、バフェットの株式投資の手法を理解するには間接的になるが、それでも珠玉のような言葉が所々に見られる。
全部を一字一句理解していくのは、読者の目的(株で儲けたい)とは異なる部分があると思う。
そういうことで、自分の目的とは異なると思う部分は適当に飛ばして読んだらどうだろうか。
ちなみに、第2章ファイナンスと投資、164ページから244ページに参考になることが多く記載されていたというのが個人的な感想です。
この本が難しいと思う人には、この80ページだけでも読む価値はあると思います。
優れた本はまだまだある
ここまで、初心者の方が順番に読んでいくべき本を8冊紹介しました。
「お金」の基本、「資本主義」の基本について学び、「投資」や「マーケット」の基本を学び、「投資スタイル」の基本と実践を学び、そして「思想」を学ぶ。
そういう流れで8冊を選定してみました。
しかしながら、投資に関する優れた本は当然ながら、まだまだたくさんあります。
投資のマーケットや相場の部分にハマった方なら、どのように取引所が出来たかという歴史も面白いでしょうし、ジム・クレイマーや、オニール、フィッシャーなど、著名な投資家による本は、他にもたくさんあります。
投資は知的なゲームです。
知的好奇心を絶やさずに、ぜひみんなで学び続けましょう。
高配当株投資に関するオススメの本はこちらで紹介しています。
コメントを残す