ゲーム理論風にギリシャ問題の現状を分析してみた

公開日: お金と社会

ギリシャ問題の現状をゲーム理論的にまとめてみました。

政治の授業でかじった程度で、ゲーム理論もきちんと勉強していないし、ギリシャ問題もまだ把握していない部分があるので、間違っていたら大目に見ていただければ。。。

greece_game

選択肢の関係上、ありえない部分はグレーで塗りつぶしています。

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ドイツの選好

上にあるほど、ドイツにとって好ましい結末です。逆に下に行くほど、ドイツにとっては好ましくない結末になります。

1.ギリシャはドイツ側の改革案を飲む

7月5日の国民投票で否決済みです。

ただし、チプラス政権はユーロ残留を目指すという公約なので、いよいよユーロ離脱が現実味を帯びると、離脱の可否を問う国民投票が必要と思われるので、土壇場で復活する可能性があるのではないかと思います。

2.ギリシャをぎりぎりまで苦しめたうえで、ドイツ側が妥協

ドイツ側としては、ここですぐに妥協してギリシャの借金を減らしてしまうと、他のユーロ圏の債務国が「俺たちも国民投票をして借金を減らしてもらおう」となりかねないので、ギリシャを見せしめ的にぎりぎりまで苦しめる必要があります。

ギリシャは現在、銀行の現金が足りず、銀行封鎖をしています。7月5日の国民投票で改革案の受け入れ拒否が決まったため、今は再度交渉が始まっていますが、交渉妥結まではギリシャは銀行預金に税金を課すなどして凌ぐしかありません。これはギリシャ国民の預金が減っていくことを意味します。こうした兵糧攻めのようなことを続けた上で妥協することにより、他国がギリシャを真似して国民投票をするのを防ぐわけです。

3.ギリシャはデフォルトしてユーロ離脱、その後、国家の再建に失敗

ギリシャはデフォルトしてしまうと、年金なども払えなくなります。どうしようもなくなると、ユーロを離脱して、自国通貨を刷りはじめる必要があります。(もしくは暫定的にはユーロに残ったまま、国内限定の借用書を刷ることになります。これはおそらくユーロ建てで刷られますが、ユーロとの間には為替が発生すると考えられ、実質的には通貨を刷っているようなものです。)

さて、ユーロを離脱したギリシャが国家再建に失敗してズタボロになれば、他のユーロ圏の国は「俺たちは絶対にユーロ圏を離脱しないようにしよう」と思います。ユーロ圏を維持したいドイツにとっては、もしギリシャがユーロを離脱した場合は、国家再建に失敗してくれたほうが良いということになります。

4.ギリシャはデフォルトしてユーロ離脱、その後国家の再建に成功

ギリシャがユーロ圏離脱後に国家再建に成功すると、他国もギリシャを真似してユーロ圏を離脱しかねません。

それはユーロ圏の崩壊を意味し、ドイツにとっては何よりも好ましくない状況になります。

5.ギリシャはデフォルトしてユーロ離脱、その後ロシアや中国の助けを得て、国家の再建に成功

ユーロ離脱に加えて、ギリシャや他の債務国にロシアの影響が及ぶことは、ドイツにとって最も最悪の状態です。

 

ギリシャの選好

1.速やかにドイツ側の譲歩を引き出し、妥協案を結ぶ

これはギリシャにとって最高の結末ですが、他の債務国もおなじようなワガママを言い始めることはドイツにとっておいしくないので、ありえないと思います。

というか、既にだいぶぐだぐだと時間がすぎています。

2.デフォルトまでになんとかドイツ側の譲歩を引き出し、ユーロ圏に残留

今回、ギリシャ政府側が狙っている落としどころはおそらくここです。

そのために7月5日の国民投票で「ドイツ側の改革案をそのまま飲む」という選択肢を国民が否決したことを受けて、勝利宣言を出したわけです。

3.ドイツ側の改革案を飲む

7月5日の国民投票で否決済みです。

ただし、チプラス政権はユーロ残留を目指すという公約なので、いよいよユーロ離脱が現実味を帯びると、離脱の可否を問う国民投票が必要と思われるので、土壇場で復活する可能性があるのではないかと思います。

4.デフォルト後、ユーロを離脱するが、国家再建に成功

デフォルトして一度すべてを失いますが、ユーロを離脱すると自国通貨を刷れるようになるので、通貨安を利用して観光客の誘致などで国家を再建できる可能性があります。

ただし、これだけ騒ぎを起こしてユーロを離脱したギリシャに、EUの国々の人たちが観光に行きたいと思うかは分かりません。

5.デフォルト後、ユーロを離脱し、国家再建に失敗

これがギリシャにとって最悪の選択肢です。

 

現状のまとめ

ギリシャが7月5日の国民投票でドイツ側の示す改革案を飲むことを拒否したため、現状では両国の選好度が高い部分は(A)です。

この場合、ドイツはしばらくギリシャを兵糧攻めにするでしょうから、ギリシャは銀行封鎖で数週間辛い思いをし、その間、ギリシャ政府のデフォルトを防ぐために、お金持ちの人たちは銀行が閉まっていて引き出せない間に、預金税でお金を政府に接収されることになりますが、国家全体としては借金を減らしてもらうことができます。

一方のドイツは、ギリシャに譲歩する必要がありますが、ギリシャを苦しめて見せしめにすることで、他の債務国が同じように借金を減らせといい始めるのを防ぐことができ、またメルケル首相はわがままなギリシャを懲らしめたということでドイツ国民の支持を得ることができるわけです。

ところが、ドイツが兵糧攻めを続けている間にギリシャ国民の怒りに火がつき、もうユーロなんて離脱だ!という話になると、より両国にとって下位の選択肢に落ち着いてしまう可能性もあるというわけです。

 

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