ガンドラック氏:銅-金比率はさらなる長期金利低下を示唆している

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*マクロ経済の考察は「Mercury’s」に移行しました

はじめに

何度もお伝えしているように、僕のメインシナリオは「インフレ率と長期金利は低下していく」というものです。

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2022年内はインフレ率の低下がテーマ、やがて失業率上昇でリセッション相場へ

2022年11月30日

さて、長期金利は銅価格を金価格で割った銅-金比率(Copper to Gold Ratio)と相関性が高いことが知られています。ガンドラック氏が銅-金比率は長期金利のさらなる低下を示唆しているとCNBCのインタビューで話していたため、今回はこちらに触れていきたいと思います。

written by @raq_reezy

注目が集まっているインフレ率の低下

目下、市場参加者はインフレ率が順調に低下を続けるかどうかに注目しています。

なぜなら、2022年はインフレを抑えるためにFEDが強烈な利上げを実施して株価や債券といった資産価格が暴落したからです。インフレが収まるのであれば、FEDによる強烈な利上げは中止となるであろうことから、株価や債券価格の反発上昇を見込むことができます。市場参加者はその時を待っているわけです。

消費者物価指数や生産者物価指数を見ていると、一時は前年比+10%にも迫っていた物価インフレ率は順調に下がっており、前年比+7%台まで低下しています。一方で雇用においては、賃金の上昇が続いているというのが現状です。

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生産者物価指数(PPI)は前年比+7.4%へと順調に低下

2022年12月12日
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11月雇用統計で見えたインフレ退治の困難さ

2022年12月5日

賃金の上昇が続く場合、経営者からコスト増分を価格に転化しようという動きが出てインフレが再加速しかねないため、FEDは「利上げを停止しても、その時点での高い金利を長い期間にわたって横ばいで継続する」といったメッセージを出して、景気を冷やそうとしています。

銅-金比率によると長期金利は3%以下まで下がる

このようにインフレの再加速に警戒が広がっているわけですが、長期金利は低下を続けています。これはインフレをFEDが本気で退治しようとすれば景気後退(リセッション)入りしてしまうと市場が考えていることもあるでしょう。

米国10年金利(2022年12月9日)

米国10年金利(2022年12月9日)

つまり、もしもインフレ再加速の懸念から利上げや高金利が続いたとしても、短期金利が上がることはあれど、長期金利が上昇するとは限らないということです。

そんな長期金利の将来を考えるにあたって、銅-金比率(Copper to Gold Ratio)というものがあります。これは銅価格を金価格で割って得られるものです。工業等において実需のある銅価格は金価格と比べて景気の影響を受けやすいため、金価格に対して銅価格が上昇していれば景気は強い(= 金利は上がる)、銅価格が下落していれば景気は弱い(= 金利は下がる)と考えられています。

銅-金比率(2022年12月11日)

銅-金比率(2022年12月11日)

債券王と呼ばれるガンドラック氏は、以下のように述べています。

銅-金比率は、長期金利が3%以下、さらに2%台半ばまで落ちるということを示唆している。2023年半ばには景気後退が来るというマーケットの予測を織り込んでいるのかもしれない。

一方で、目先は一度長期金利が上昇するかもしれないと発言しており、長短期では債券価格が少し調整するものの、来年の景気後退が意識されると再び長期金利が下がっていくという見通しを示しています。これは僕のメインシナリオと一致するものです。

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2022年内はインフレ率の低下がテーマ、やがて失業率上昇でリセッション相場へ

2022年11月30日

結論

インフレ率が再加速して金利が上昇する場合は「債券ロングと株式ショートを組み合わせる」という方法を紹介しましたが、現時点では債券ロングを中心としたポートフォリオを維持したいと思います。

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インフレが再加速する場合には「長期債 + 株式ショート」が候補

2022年12月13日

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