11月雇用統計で見えたインフレ退治の困難さ

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*マクロ経済の考察は「Mercury’s」に移行しました

はじめに

以前、アメリカのインフレ率は低下しつつあり、金利は横ばいに向かうという話を書きました。その中で、最もスティッキーで最後まで残るのが賃金の上昇だと示しました。

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米国のインフレと金利上昇は一段落して横ばいに向かう

2022年11月25日

今回、11月の雇用統計が発表されたので、改めて米国の雇用状況を見ていきたいと思います。

written by @raq_reezy

失業率

米国失業率(2022年11月雇用統計)

米国失業率(2022年11月雇用統計)

まずは失業率ですが、こちらは3.7%で前月から横ばいです。2022年に新型コロナで急騰した失業率は順調に下がり続け、3%台で底を張っている状態です。ツイッターやフェイスブックなどIT企業の大量解雇が相次いでいますが、まだまだ全体としては雇用は強いということが分かります。

新型コロナが終わり、社会活動が再開したアメリカにおいて、経営者は採用の難しさに直面しました。政府の給付金や株式投資ブームなどもあり、みんな急いで仕事を探す必要がなくなっていました。また、新型コロナへの恐怖もあり、接客業などで労働者が思ったほど戻ってこなかったのです。お客さんはいるのに働き手がいなくて稼げないといった事態が記憶に残っている経営陣は、IT企業を除いて、多少景気が苦しくなってもリストラには今後も躊躇する状況が続くと思います。

平均時給の上昇率

続いて、平均時給の上昇率です

賃金上昇率(2022年11月雇用統計)

賃金上昇率(2022年11月雇用統計)

前年比+5.1%で、10月の+4.9%から再加速してしまっています。

労働者の賃金というのは、当然ながらお店に並んでいる商品とは違いますから「セールです」といって値下げすることはできません。失業を経て、新しい仕事を探す過程で、しぶしぶと給与が下がることを受け入れているということが多いのです。そのため、賃金の上昇というのはなかなか収まりません。

それが再確認できた雇用統計だったと思います。

まとめ

11月雇用統計は、10月の雇用統計から賃金上昇率が再加速する内容でした。

  • 失業率は10月から横ばいの3.7%
  • 平均賃金上昇率は10月から再加速の前年比+5.1%

消費者物価指数は落ち着き始めているアメリカですが、やはり賃金の上昇が止まるのにはもう少し時間が掛かりそうです。目先はインフレ率の低下が相場のテーマだと書きましたが、11月雇用統計のようなデータが出てくると、多少の揺り戻しが挟まってくるかもしれません

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2022年内はインフレ率の低下がテーマ、やがて失業率上昇でリセッション相場へ

2022年11月30日

一方で、CPIにはすでにインフレ率低下の影響が出ているわけなので、これが企業利益を圧迫して、やがて雇用にも影響してくることに変わりはないと思います。実際、長期金利は3.49%まで低下しており、これは「長期ではリセッション入りの確率が上がった」と債券市場が判断していると受け取れます。

米国10年金利(2022年12月4日)

米国10年金利(2022年12月4日)

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