「インタビューが大嫌い」。ファレルがインタビューを嫌う理由とは。

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part1:『「色を明るくすることで、人の感情も明るくしたい」。ファレル・ウィリアムズの色へのこだわり

part2:『「プレハブ・ハウスのイメージを変えられたら、人はもっと安価に家を買える」。ファレルがプレハブ・ハウジングのプロジェクトに取り組む理由。

 

自分に嫌いなものがあるとして、世の中でそれが一番魅力的なものになったら、それにも対応しないといけない

クレイグ:それでは、引き続きショーの作品について話しましょう。ファレルさんは自ら何作品かをピックアップされたのですよね。ファレルさんのデザインは力強いものが多いようですが、デザインするにあたって、色使いはかなり重要になっているかと思います。ファレルさんの好きなパレットはなんですか。

ファレル:時として変わりますよね。ウェス・アンダーソンさん(アメリカの映画監督・脚本家)の作品なんかは自分としても心地の良い作品です。彼の映画では、1970年前半のカラー・パレットを使っているんです。そのパレットがあるから、僕は彼の映画が大好きなんだと思います。コダックのコマーシャルなんかもそうですね。でもやはり自分の確定した好きなパレットはないと思います。自分の世界の中では、ひとつのものがトレンドになって人気が出れば、ちょっとしつこいような感覚になるんです。だから例えばある年はトルコ石が好きになってみたり、その翌年は土のような色が好きになってみたり・・とにかく時として変わるんです。5,6年前にクロムが大ブームになりましたよね。クロムシューズ、クロムパンツ、クロムジャケット、クロムの毎日、クロムグラス・・・。

クレイグ:クロムハーツ。
クレイグ、ファレル:ははは・・(笑)

ファレル:クロムカー・・。そして今となっては、クロムはもう時代遅れなんですよね。しかし僕としては、どの色でも対応できるように門を開いておかないといけないと思っているんです。なぜなら自分に嫌いなものがあるとして、世の中でそれが一番魅力的なものになったら、僕はそれにも対応しないといけないんですよね。そうやって変わっていくんですよね。

クレイグ:ファレルさんがピックアップした作品のひとつ『ジオ・ポンティ』(イタリアの建築家、インダストリアルデザイナー;1891-1979)さんの作品も私の好きなデザインのひとつなのですが、今スクリーンにも映し出されていますが、彼も素晴らしいアーティストですよね。私の好きなアーティストの一人ですが、彼はマルチタレントで、建築にデザインにと活躍されています。ファレルさんは『ジオ・パンティ』さんの作品を集めていますか。

ファレル:いいえ。この作品は確か53番ですよね?
クレイグ:はい。
ファレル:彼に興味を持ったのは、彼がオフィスを楽しくしようと試みたことです。もっと生き生きと機能的なオフィスに。上部には赤色を使って違った雰囲気を出すなど・・・。ちょうど僕がしたようなことと同じで、違った材料を同じ作品に用いたりするんですよね。このジオについて言えば、彼が独自の見方でこのような工夫をすることで、1950年代のデザインとはまったく違うものになります。普通に机の周りを歩きながら見るのと、幾何学的に見るのは違いますよね。もしくは彼がこの作品に込めた詩をも感じることができると思います。そういった意味でも、上部の赤色は効果的ですね。

 

ファレルはインタビューが大嫌い!?

クレイグ:ここでまたファレルさんの本の話題に戻りますが、私のオフィスには腰かけられる待合室があります。デーブルの上には、訪問者が待っている間に読めるような本や雑誌などを置くようにしています。ファレルさんの本が出版されたのは半年ほど前でしたよね。もちろんファレルさんの本もその待合室のテーブルに置かせてもらったのですが、必ずといってよいほど、みなさんその本を手にとって読むんですよ。なにがみなさんを読みたいという気持ちにさせるのか、もちろんファレルさん自身が一番の魅力でしょうが、人々とのつながりという点においても、もうひとつの魅力になっていると思うんです。また話題はコラボレーションに戻りますが・・。

ファレル:そうですね、リゾーリ社(イタリアの出版会社)に感謝していますね。彼らは僕のアイディアに興味を持って僕にコンタクトを取ってきました。それでいろいろ話しているうちに、担当者がとてもオープンな方で、彼の上司にもすぐに話を通してくれましたが、その上司もまた優しい人なんです。実は本に関して言えば、自分について書かれた本にはしたくなかったんです。ひとつ僕が大嫌い、本当に本当に本当に大嫌いなことがあるんですが、それはインタビューです。なぜなら、彼らは常に僕のことだけを話させようとするからです。本当につまらないと思うんです。僕のインタビューが終わって記者の人たちがまた誰かのインタビューをするのかどうか知りませんが、とにかく同じことを何度も何度も聞いてくるんですよね。例えばグーグルで検索して最初のページに出てくるような内容ですね・・。

クレイグ:今日のこのインタビューもそのような気持ちじゃなきゃいいですが・・。

ファレル:いえいえいえ、これは会話です。これは僕が好んでしていることです。お互いが対等に話していますからね。なんというか、わかりきってることを尋ねられるようなことが嫌なんです。彼らは僕を僕なの方法で表現させてくれているんですがね。本を出すにあたっても、自分自身のことだけでなく、僕に影響を与えてくれた人々の事、僕に音楽を通して情報などを与えてくれた人々の事、例えば、作詞家のバーズ・オードリンさん、ハンズ・ズマーさん、ジェイ・ジーさん、アナ・リントワーさん・・。彼らは僕の音楽の中になにかを見い出してくれたんです。そしてなおかつ、曲をオファーしてくれたんです。もちろん私も喜んでそのオファーを受けました。そしていろいろなことを教えてくれたんです。このようなつながりって本当に素晴らしいと思うんです。そしてこれは本の中でも違ったコンセプトを生み出すんです。要は、僕自身の本ではなくて僕のメントル(良き指導者)についての本なんです。

この本のタイトル、『プレイシス・スぺイシス アイヴ ビーン』に関してですが、さきほども申し上げたハンズ・ズマーさん、彼は映画監督でもあり、作詞家でもあり、作家でもあり、作品でいえば、『バッドマン』、『パイレーツ・オブ・カリビアン』、『ダヴィンチ・コード』なども手掛けていてとにかくとにかく天才なんです。そして『ダビンチ・コード』の中のあるアート作品の模様から音楽を作ろうとしました。音楽は、前からだけでなく、後ろからも読むことができるが、実際に聴くと同じになるんです。とにかく超人です。同じ部屋にいるときでさえも、こういうことを言われました。『ファンに自分を知ってもらいたいと思うんだったら、彼らに一番重要なことを伝えなさい。自分が学べると思う人とコラボレートしなさい。』
彼の住まいとLAは『プレイス』で、彼と会話をすることが『スペース』、僕は彼の精神的なスペースに入ることができるんです。ですので、僕がいつも心がけていることは、偉大で魅力的な彼らと興味深いインタビューや会話をすることです。そして、ハンズさんのパフォーマンスを聴くこと、そして彼と話すことで彼が使っている言葉などを注意深く聞くんです。そうすることで、彼の精神的なスペースを覗くことができます。そしてこれが、僕が読者に与えられるギフトでもあります。僕がこのような偉大な人々から得た同じような体験を読者の方々にもしてもらうのです。

クレイグ:すごいですね。そろそろこの2方向の会話から多数の会話へと移行しましょうか。

ファレル:もちろん、そうしましょう。
クレイグ:きっと話題が膨らみますよね。
ファレル:そうですね、ちょっと僕も話し続けていますのでね。

クレイグ:今のところ、ファレルさんの人生についてのお話がほとんどが網羅されていて、素晴らしい会話ができていますよ。

 

マイアミはデザイン・アート・ファッションの場として発展した

質問者1(男性):ファレルさんは恐らくマイアミでかなりの時間を過ごされているかと思いますが、マイアミがどのように発展しているか・・なども含め、印象はどうですか。

ファレル:マイアミ、大好きですよ。マイアミは、世界でも素晴らしい国のひとつです。文化も多様で、いわゆる人種のるつぼと言われていますよね。人口統計学的な方向からだけでなく、マイアミというところは、人々の“もの”に対する関心が高く、欲していることがすべて手に入るような・・。現にバーゼルが開催されています。デザイン・マイアミもここで開催されていますよね。ここに住んでいる人が多文化をどんどん取り入れ、様々な場所を舞台にしてより刺激を与えたりしていますね。クレイグさんもそうやってデザイン業を広めている方の一人です。倉庫のような場所から発展して、デザイン・アート・ファッションの場へと進歩していきました。驚くべき偉業をなしていますよね。

クレイグ:ということは、ファレルさんが僕を発見したとも言えますね。

ファレル、クレイグ:ははは・・(笑)

クレイグ:まさしくそうなんです。ファレルさんはずっと前にこのようなことを言いました。デザイン業はものすごい勢いで発展すると。私がそう予測する前に彼が予測していたんです。

ファレル:いやいや、クレイグさんこそが僕に影響を与えてくれたんですよ。いつも本当にお世話になっています。

聴衆:拍手

 

情報を五感のどこで処理するかは人によって違う

クレイグ:後ろのあの女性が手を挙げているのが見えますね。マイクをどうぞ。

質問者2(女性):こんにちは、ファレルさん。こうやってすべてを集約して本を出版されていますね。そして今日もこのようにクレイグさんやたくさんの観客との対話をしていますね。このようにファレルさんの人生についてお伺いできているわけですが、この本の執筆が今後のファレルさんの人生や音楽にどう影響を与えると思いますか。

ファレル:とにかく楽しんでいますね。飛行機に乗るのはそんなに好きではないんですけどね。飛行機が嫌いなために仕事を少し遅らせることもあるほどです。とにかく腰が痛くなるんですよ。よく飛行機に乗る人はわかると思いますが。飛行機での腰痛・・。あまりおもしろいことではないですよね。
僕は本を執筆することは好きですね。異なる方向から情報を集めることができますからね。『ニューロー・ラングイスティック・プログラミング』という本があるんですが、その内容は、人によって情報の受け方が異なるということです。ある人々は視覚を大事にしますし、ある人々は聴覚を大事にします。ある人々は見かけを大事にします。病気の症状だったりその人が持つ性格だったり・・。例えばある人が、『あー、あなたが言ってることわかるよ。(I see)』と言えば、その人は視覚を大事にする人なんです。一方で、『あんまりいい“気分”ではない』と言えば、それは感情的な人です。『なんかひらめかないんです。』という人もいます。要するには自然と形式的につながっているんですよね。僕は音楽に興味がある人だけでなく、読書に興味がある人も探しているんです。ですので、本の執筆をする方が、人々とよりつながっているように思います。すべての人が音楽を好きだとは限りませんからね。本の執筆は僕に新たなプラットフォームを提供してくれたという感じです。また新たな本の出版を狙ってこのように言っているわけではないんですよ。・・・でももしかしたらそうかもしれません。

聴衆:(笑)

クレイグ:フレッド・バーン・スティーンさん、なにか言いたいことがあるようですね。私は君のことを賢い男性だと思ってますからね。なにも目立たせようとしているわけではないんですよ。

質問者3(男性:フレッド):ありがとう、クレイグさん。ファレルさん、あなたは情報をどのような方法で処理しますか??見た目でというかビジュアル的にというか・・?

ファレル:多分僕は、最初はいつもオーディオ的(聴覚的)に処理すると思います。そしてその後にビジュアル的に処理します。音楽を聴く時に色とも関連づけるんです。ただの音としてだけでなくて。異なった感覚で関連づけるというか・・。多分僕は聴くことでなんでも学んでいると思うんですが、同時にビジュアル的にも学んでもいるんです。なにかの音楽を聴いたらそこから新しい音楽を聴きとることができるんです。そして感情的になったりもするんです。そしてこれは珍しいことではないんです。音楽のジャンルのブルースがブルー(青色)に関連づけられるのには理由があるんです。わかりませんが、ほとんどのミュージシャンがそうかもしれませんね。なんだか混乱していますが・・。多分オーディオ的なのかもしれません。なぜなら最初に音楽に出会ったからです。もしかしたら全部今はミックスしているかもしれません。

質問者3(男性:フレッド):どうやらすべてに当てはまっているようですね。

ファレル:なんというか混乱しているんです。

クレイグ:いやいや、きっとすべてに当てはまっていますね。

 

人々が見過ごしてしまうようなネガティブなスペースを使っている

クレイグ:その他、どなたかご質問ある方いらっしゃいますか。こちらの男性ですね。

質問者4(男性):ファレルさんは仕事をする上で常にトレンドの先端でありたいということですが、日々必ずコンスタントにしなければいけないことはありますか。

ファレル:はい。ひもみたいにずっとコンスタントに続いていくような感じですよね。人々は僕のことを好奇心がある人だと思っていると思います。たしかに僕は常に自分の道を探し続けています。医者みたいなもので、風邪の治し方は違うかもしれませんが。また医者によってもいろんな人々がいますよね。でも基本的には医者のように答えや方向性を見つけ出しています。ただ、使う道具は同じなんですね。さきほど述べたウェス・アンダーソンさんやスパイク・リー(アメリカの映画監督・プロデューサー・作家・俳優)さんのような感じですね。彼らの作品はとても明確なんですよね。お二人の映画のどちらが良いのかということではなくて、その二人の映画中に僕のやり方が込められているように思うんです。でもそれは、自分がいつも知りたいと思うような好奇心のかたまりから比べるとそんなに一貫していないんですよ。僕はよくなにに影響されているのかと聞かれるんですか、はっきりした形のあるものではないんです。いつも人々がなにかを作る上で見過ごしてしまうようなネガティブなスペースを使ってるんです。それ以外の空間はすでに使われ過ぎていますからね。

クレイグ:ファレルさんのおっしゃることはすべて引用する価値のあることばかりですね。

聴衆:(笑)

クレイグ:どれも驚くべきほど引用できるものばかりです。

 

「街に繰り出す時間はない」。ファレルはハードワーカー。

クレイグ:(指を指しながら)私は彼女を知っています。

質問者5(女性):こんにちは。さきほどからファレルさんは、ウェス・アンダーソンさんの映画のことについて語られていらっしゃるので、映画を視覚的に捉えているように思うのですが、近々ご自分でも映画を制作されるご予定はありますか。

ファレル:僕たちは今ミュージカル『イマジン』に取り組んでいます。ミュージカルですが、映画なんですよ。舞台は僕が生まれた年でもある1973年です。内容は、バージニア州で繰り広げられる人生のような感じです。その当時はなんというか、「勝利」と「悲劇」が同時に起こっていたような背景なんです。様々なことが土台となっていますが。一般的なミュージカル(タッタラッタ~♪タッタラタタ~♪)とは一味違うものにしたらおもしろくなるかな、と思っています。ミュージカルを異なる角度から見せたいんです。もし完成させる時に僕の正直かつ自立的な思いを込めることができればかなりおもしろい映画になると思います。

クレイグ:ファレルさん的ミュージカルの音もちょっとだけ聴きたいんですけど。

聴衆:(笑)

ファレル:えーっと、次のご質問は?

クレイグ、観客:ははは・・(笑)

クレイグ:あの後ろの方にいらっしゃる男性の方のご質問です。

クレイグ:すみませんね、おさえることができずに・・。

ファレル:とんでもないです。

質問者6(男性):こんにちは、ファレルさん。あなたのすべてのご活躍に感謝します。これまでクリエイティブな側面からのお話をされていますが、私がもっと興味があるのは、ファレルさんがクリエイティブに考えられない時はどのようになされているのかということです。ビジネスに対する関心や服を製作することだったり・・このふたつのバランスをどう調整するんですか。日々、スケジュールも確認しなくてはいけないだろうし、関わっているすべてのスタッフがきちんと仕事をこなしているかなどの心配もあるかと思います。ビジネスと住まいの距離感がどうなのか・・。私も信頼おける人を配置して、すべてがうまくいっているかどうかいつも確認しなくてはいけないので・・。

ファレル:そうですね。本当に単純ですよ。社会的な生活はまったくないです。仕事の時間と家族との時間。正直に言って、社会的な生活はないですね。要はそれが普段できていないことでもあります。でもそれでいいと思うんです。僕は映画が大好きでよく観に行きますし、美味しいと評判のレストランで食事をするのも好きですし、『プロベリー』や『ヤードバード』など、、もし行ったことがないようでしたら、是非行かれてみてください。それとか『マイケルス』とか。

クレイグ:ところで『マイケルス』はここにありますよ。もしお腹が減っている方がいらっしゃれば、行ってみてください。期間限定のカフェを開いているんですよ。ここマイアミで。ほんと美味しいんですよ。

ファレル:そうですね、でもそんな感じなんです。できるだけ生活をシンプルにするようにしています。でもあなた次第です。僕はなんというかものを作り出すことにはまっていますが・・。僕はどちらかというと街に繰り出すことよりも、ザハ・ハディドさんについて語ることの方が好きなんですよ。

クレイグ:私がファレルさんに会う時は、昼間であろうと夜であろうと、常に職場から来ますし、別れた後も、職場に戻っていきますよね。かなりの時間を職場で過ごされているかと思います。主にはスタジオですか。

ファレル:はい、主にはスタジオですが、その他、ファッションの仕事もありますのでその時はその職場に移動します。そして家族が待つ家でも貴重な時間を過ごすようにしていますよ。

クレイグ:買い物をする時間もかなり多いようですが・・・着心地の良い服を買うのですか。

ファレル:これは、BBCの『ビーライン』です。マーク・マクナリーのデザインです。彼と一緒に働けるのはとても幸運だと思っています。こうやって自分が着たいものを作れるというのも贅沢のひとつですよね。

クレイグ:時間も節約できますしね。

ファレル:その通りです。

クレイグ:買い物にでかける必要もないんですよね。

ファレル:そうですね、そんなに買い物にはでかけませんね。そしてあまり好きなブランドもないんです。大好きなブランドは多分4,5つくらいですかね。ところで、ひとつ言っておきたいことがあるんですけど、自分でこうやって好きなものを作っているということについては、本当に恵まれていると思うんです。超ラッキーなことだと思うんです。そして完璧なタイミングで超賢い人々と共に仕事ができる。例えば、マーク・マクナリーさんやビリオネアー・ボーイズ・クラブさんとコラボレートできたり・・・、その他すべての方々と良きパートナーシップを持って仕事ができることに感謝しています。なぜこんなことを言っているかというと、みなさんに僕に対する間違った印象を持ってもらいたくないからです。ただ単に好き放題しているわけではないんです。みなさんが想像することができないほど、感謝しているんです。

 

ファレルが着ている服が売りに出されないわけ

クレイグ:もうお一方質問を受け付けて、終わりにしましょうか。

質問者7(男性):こんにちは、ファレルさん。BBCのプロポーザルを先週・・・。

クレイグ:マイクを近づけて大きな声で話してください。

質問者7(男性):ファレルさんの着ているもののほとんどはウェブサイトでは買えませんよね。自分はよくウェブサイトを見るんですが、ほとんど見かけませんので。

ファレル:なぜなら、時々・・これは良い質問です。時々僕は自分で服を作るんですが、僕が、『それいいね!売りに出そうよ。』って言います。するとチームのメンバーが反対して実際に実行されないんです。いいと思っていたものでも、売りに出せるほどよくはないことが多いんです。AMAで皆さんが履いているドロップ・クロッチ・ジーンズを見ていると、みんな同じような恰好になっているんですよね。それでも僕はチームのメンバーにアームレスリングをしてまでも売りに出したいと言うんですが、彼らが言うには、AMAのハンマーショーみたいで、きっとみんなが一斉に僕の売り出した服を着て、きっとそれは奇妙に映るだろうから、と言って結局実行されないままでした。僕も、自分が売ろうとしていた服が売りに出されないとわかって、暖炉の中にその服を入れて燃やしたんですよ。

聴衆:(笑)

ファレル:そういうことで、売りに出されないんです。でも欲しくても手に入らないことがあってもいいんじゃないかとも思います。質問をありがとうございます。

クレイグ:今のは良い質問でしたね。その他ファレルさん言いたいことはありますか。今日はたくさんのことを話してくれましたが。最後にまとめたいことなどは。

ファレル:この上なく嬉しいし、感謝の気持ちでたくさんです。愛は翼に乗って、、という感じです。もし英語の先生がいたら、いろいろ指摘されるかもしれませんが・・。とにかくお一人お一人がいるから僕があります。本当にありがたい限りです。自分は恵まれていますし、とにかくすごいジェットコースターに乗っている気分です。

 

カニエも知りたがる、ファレルのセンスの身につけ方

クレイグ:実はもう一人、質問をしたいという方がいるんです。アレックスさん、他に質問したい人がいますか。

聴衆:歓声

ウエスト(カニエ・ウエスト;アメリカのミュージシャン、ヒップホップMC、音楽プロデューサー):ファレルさん、私はあなたのアートのセンスについて聞きたいです。どうやったらそんなにすごいセンスを身につけられたり、世界中の人々を魅了することができるのか・・。ポップカルチャーにしても、音楽にしても、ビジュアルにしても・・。

ファレル:ウエストさん、お元気ですか。

ウエスト:はい、元気です。(笑)

ファレル:参加してくれてありがとうございます。正直言いますと、正しいと思う人々とお付き合いすることと、学ぶことを恐れないこと、自分は全部わかってるんだという態度をとらないこと・・、こういうことが私にとっての教えになっています。私たちはアーティストですから、どうしても本能が出てくるんですよね。例えば、こっちの色がいいよねって言っても分かり合えないこともあります。美的感覚というものでしょうか。そしてそれに機能していくんです。例えばアートの歴史を学んでいても疑問が浮かぶと思います。そしてその時に、ただ単にこの色がいいとか悪いとかという問題ではない、ということが分かるんです。こういったことは、このプロジェクトからも分かると思います。洋服を着てみたら、どこにどの色が使われているのかがすべて見えますよね。でもその見かけだけでなく、アート・デザイン・ファッションの真の世界に目を向けてみたら、すべての素晴らしい作品はまずは機能的な見方から作られているということが分かるはずです。こういった素晴らしい教えを学ぶことができて本当に光栄です。ご質問の答えになっていれば良いと思いますが・・。そしてあなたもその一人ですよ。

クレイグ:皆さん、カニエ・ウエストさんでした。

聴衆:拍手

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