書評:『資本主義だけ残った』とき、自分はどう生きるのか

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『資本主義だけ残った』の要約を読むなら「flier」がおすすめ!

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2021年8月28日

はじめに

資本主義の問題点などに興味がある方へ。

特段に新しいことが述べられているわけではないですが、わかりやすくまとまっている本『資本主義だけ残った』を紹介します。

この記事の内容

  • リベラル能力資本主義(アメリカ型)
  • 政治的資本主義(中国型)
  • それぞれの問題点

資本主義について、ざっくりと理解したいという方は、ぜひ最後までお読みください。

written by @raq_reezy

大きく2種類の資本主義

資本主義には、ざっくりと2種類があります。アメリカ型と中国型です。

「え、中国って共産主義じゃないの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、鄧小平が「白い猫であれ黒い猫であれ、ネズミを捕るのがよい猫である」といって市場経済を導入して以降、中国は経済的には資本主義です。

とはいえ、厳密には資本主義の大前提となる私有財産が認められていないので、究極のところでは違うのですが、まあ一応、形式的には資本主義で運営されています。

アメリカ型の資本主義

本書では、アメリカ型の資本主義を「リベラル能力資本主義」と呼んでいます。

リベラル=自由なので、より一般的な言い方をするなら「新自由主義」ということになろうかと思います。実力があるやつ(能力、財産)が稼ぐよねということです。古典的な資本主義においては、資本家と労働者は完全に別物として論じられていましたが、「リベラル能力資本主義」においては、高給の労働者でありながら資本家とか、まあそういうパターンもあると論じられています。

自由な資本主義経済においては、人々の経済活動によって生じた付加価値は資本家のもとに集約されていくので、システム的に不平等が継続します。また、富の集約だけでなく、教育などによって培われる「能力」も富裕層に集約されていくので、労働者としても富裕層が上位に位置するということで、不平等が固定されるといったデメリットがあげられています。

中国型の資本主義

中国型の資本主義を本書では「政治的資本主義」と呼んでいます。

中国、シンガポール、ベトナムなど、アジア圏には比較的、独裁・権威色の強い資本主義が存在します。鄧小平は、資本主義の市場原理を中国に導入しましたが、中国共産党にとって都合の悪いビジネスは許容しませんでした。現在の中国をみても、資本主義や市場原理の側面はありつつも、習近平がアリババなどの民間企業の経営に介入している様子は毎日のように報道されています。

さて、習近平は「反腐敗」を信条としているような人間ではありますが、一般的にはこのような国では腐敗が起きやすくなり、それは民間の自由な経済活動や活力を削ぐことになります。本書では「腐敗」が政治的資本主義のデメリットとしてあげられています。

資本主義には問題があるが、他の選択肢はない

資本主義だけ残った

1950年代頃であれば、自由主義・資本主義と、社会主義・共産主義はどちらが優れているか結論が出ていませんでしたから、資本主義ではなく社会主義の方が素晴らしいといった論は成り立ったことでしょう。

しかし、ソ連が崩壊して、中国も市場原理を導入している今となっては、泣いても笑っても、資本主義以外の経済の選択肢はないと言えるでしょう。

まさに、「資本主義だけ残った」わけです。

基本的には富を貯めるしかない

さて、現在の西側諸国の資本主義においては、私有財産が認められているので、基本的には富を貯めるしかありません

良くも悪くも「格差は固定する」というわけですから、自分が頑張って富を貯めることができれば、自分の子孫は少しばかり恵まれた人生を送ることができます。

富を貯めるには、資本家として活動することですが、資本家になるには2つしか方法はありません。

  1. 誰かがつくった会社の株を買う
  2. 自分で会社をつくる

こつこつとお金持ちになるなら、お金を貯めては株を買うということになるし、一気にお金持ちになろうと思うなら、後者のように自分で会社をつくって一定の株を持ち、会社の時価総額を大きくするということになるでしょう。

いずれにせよ、持たざるものとして始まっている僕らは、何かしら努力をして、持つものになる以外に選択肢はありません。

努力が報われる社会にするには

とはいえ、現在はなかなか努力が報われにくい社会ではあります。なぜなら、日本は恒常的なデフレだからです。

デフレというのは、商品やサービスの需要よりも、供給の方が多いということに他なりません。

もしも需要の方が多くて、供給が足りていないなら、毎日残業するとか土曜日も働くとか、とにかく供給を増やせば、その分だけ買ってくれる人がいて稼げるわけですから、とにかく努力が報われやすい状態だといえます。

一方で、供給の方が需要よりも多い場合は、残業や土日も働いて供給を増やしても、そもそも需要が不足しているので買ってもらえず、無駄な努力になります。いかに買ってくれる人を探せるか、つまりマーケティングスキルの有無によって、稼げるかどうかが決まるといえるでしょう。それも含めて努力だと言ってしまえばそれまでですが、やはり努力の量だけではなく、質まで問われる、言い換えると報われにくい状態だといえるでしょう。

インフレかデフレかといえば、以前『高橋是清と井上準之助―インフレか、デフレか』という本を紹介しました。

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書評:『高橋是清と井上準之助―インフレか、デフレか』を読んだ

2021年3月10日

こちらは、インフレを目指した高橋是清、デフレを目指した井上準之助、どちらも暗殺されてしまったという、なんじゃそりゃなオチでしたが、まあどちらが良いかといえば、緩やかなインフレの方が、前向きに明るく努力しやすい社会なのではないでしょうか。

今後、テクノロジーの進展によって、労働集約的な産業はなくなっていくので、ますます富は一局集中しやすくなる可能性があります。そういった意味では、一定の富の再配分は必要不可欠ですが、単に富をどのくらい再配分するかというよりも、緩やかなインフレでみんなが前向きに明るく頑張れる経済状況をつくりつつ、政府の債務が過剰に増えていかないサステナブルな状態にするには、どのような税制・支出・政府の大きさがふさわしいのかという環境設計の観点が重要だと思います。

まとめ

やや余談気味にはなりましたが、資本主義について考えるときに、最初に取っ掛かりとして軽く読む本としては良いのではないかと思います。flierでも読めますしね。

 

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