M&A用語:住友信託銀行対UFJホールディングス事件とは

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住友信託銀行対UFJホールディングス事件とは

住友信託銀行対UFJホールディングス事件とは、住友信託銀行とUFJホールディングスの間で、基本合意書に定められた独占交渉権の有効性を巡って争われた裁判です。

平成16年5月12日に、UFJ信託銀行の一部業務の売却および業務提携についての基本合意書が結ばれ、2年間の独占交渉権が住友信託銀行に与えられましたが、その2ヶ月後にUFJホールディングスは本郷遺書の解約を通告し、三菱東京フィナンシャルグループとの統合交渉を開始しました。住友信託銀行は、それに対して、差し止めの仮処分を申し立て、さらに訴訟を提起しました。

東京地裁は仮処分を認可しましたが、東京高裁は「当事者間の信頼関係は既に破壊されており、かつ、最終的な合意に向けた協議を誠実に継続することを期待することが不可能になったと理解せざるを得ず、独占交渉義務の効力は失われた」として、仮処分の申し立てを棄却しました。

また、UFJホールディングス側の独占交渉義務違反等の債務不履行責任は認められましたが、最終契約を結ぶ義務は認められず、損害賠償についても「独占交渉義務及び誠実交渉義務違反と相当因果関係にある損害は、最終契約が締結されていれば住友信託銀行が得られた利益(履行利益)ではない」として住友信託銀行の請求を棄却したため、独占交渉義務違反があった場合の法的救済の限界が明らかになりました。

written by @raq_reezy

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