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記事の目次
はじめに
TuneCoreを使って、自分の音楽をiTunesやAppleMusic等に配信することに興味がある方へ。
この記事では、実際にTuneCoreのヘビーユーザーでもある僕の観点から、TuneCoreについて分かりやすく説明します。
この記事の内容
- TuneCoreとは
- TuneCoreの料金体系
- TuneCoreの収益や還元率
- TuneCoreの使い方やよくある質問
- TuneCoreのクーポン
「自分の音楽を配信してみたいな」と思って、TuneCoreについて情報収集している方は、ぜひ最後までお読みください。
written by @raq_reezy
TuneCoreとは
TuneCoreは音楽配信代行(ディストリビューター)サービス
TuneCoreは「ディストリビューター」と呼ばれるサービスです。
ディストリビューターは、元々は全国のCDショップにCDを流通させる存在でした。
しかし、音楽の世界にもデジタル化の波が押し寄せる中で、iTunesなどの音楽ダウンロードサービスやApple Music・Spotifyなどの各種ストリーミングサービスへの配信に特化したディストリビューターとして2006年に登場したのがTuneCoreです。
TuneCoreは、「シングルなら$9.99/年、アルバムなら$49.99/年で配信、収益は100%アーティストに還元」という分かりやすい料金体系でインディーズのアーティストにとって必須のサービスとなりました。その後、2012年にTuneCore Japanが設立され、日本にもTuneCoreがやってきました。
日本では「TuneCore Japan」が運営
TuneCoreはアメリカのサービスですが、日本ではTuneCore Japanが運営しています。
日本のTuneCoreは、TuneCore Japanによって運営されているため、サービス画面は日本語ですし、問合せの対応も日本語で行ってくれます。そのため、英語が分からないという方でも安心して利用することができます。
TuneCore Japanの会社概要
- 業種:音楽出版
- 設立:2012年
- 創業者:野田威一郎
- 本社:東京都、日本
(以下、TuneCoreと書く場合は、基本的にTuneCore Japanが提供する日本版のTuneCoreを指します。)
TuneCoreの配信先
日本のTuneCoreから配信できるサービスは以下の通りです。
形態 | 配信先の一覧 |
ダウンロード販売 | iTunes Store、Amazon、music.jp、オリコンミュージックストア、レコチョク、mora、Media Do、e-onkyo Music、dwango.jp、OTOTOY、mysound、着信★うた♪by KONAMI、TENCENT MUSIC ENTERTAINMENT、NetEase |
定額ストリーミング | Apple Music、Spotify、Amazon Music Unlimited、YouTube Music、LINE MUSIC、AWA、SMART USEN、Rakuten Music、KKBOX、うたパス、deezer、PlayNetwork、TENCENT MUSIC ENTERTAINMENT |
ディスカバリー | Shazam、TikTok、Gracenote |
なお、これら全てに強制的に配信されるわけではなく、アーティストがこの中から配信したいストアを選択して依頼することができます。
販売だけしたい・ストリーミングはしたくないという場合は、デジタル販売系のサービスだけを選択するなど、柔軟なリリースが可能です。
TuneCoreの料金体系(シングル・アルバム別)
TuneCore Japanの料金体系
日本のTuneCoreの料金体系は、以下のようになっています。
形態 | シングル配信 | アルバム配信 |
料金(税込) | 年間1,550円〜 | 年間5,225円〜 |
内容 | 1曲(10 分以内) | 2曲以上(各曲が10 分以内) |
コスパによって形態を決めるわけでもないと思いますが、一応4曲以上を同時にリリースするならアルバム配信の方がお得ではあります。
シングル/アルバムはストア側の表示とは無関係
なお、このTuneCoreでのシングル・アルバムという区分は、ストア側での表示とは無関係です。
例えば、Apple Musicであれば、基本的には7曲以上収録されているものを「アルバム」、それ以下のものを「シングル・EP」として扱っているようです。そのため、TuneCore Japanで5曲入りのリリースをアルバム配信しても、Apple Music側ではシングル・EPの欄に表示されます。
TuneCoreの収益・収入は配信先によって違う
TuneCoreのアーティスト還元率は100%
TuneCoreは、配信料金を定額で取るかわりに、収益はアーティストに100%還元してくれます。
言い換えると、各種ストアからTuneCoreに入ってきた収益は全てアーティストのものになります。
ダウンロード販売は売れるたびに収益が発生
ダウンロード販売の場合は、売れるたびにストアの販売手数料を引いた金額が収益として発生します。
例えば、iTunesであればアップル社が販売価格から約40%程度を手数料として徴収しています。そのため、ざっくり販売価格の60%程度がTuneCoreのアカウントに入ってきます。
TuneCoreがここからさらに手数料を取ることはありません。
ストリーミングサービスは1再生ごとに収益が発生
ストリーミングサービスの場合は、1再生ごとに各ストアから収益が発生します。
これは時期やアーティスト毎に違う可能性もあるので、正直なところあまりよく分かりませんが、2021年6月時点の僕の収益性は以下のようなイメージです。
1再生あたりの収益イメージ
- Apple Music:約0.8円
- Spotify:約0.3円
- LINE Music:約0.5円
- AWA:約0.7円
- YouTube Music:約1.2円
これは必ずしも収益性が低いから悪いというわけではなく、Spotifyなどは収益性は低いものの、問い合わせの対応もとても親身で丁寧ですし、公式プレイリストの充実などアーティストがリスナーに発見されるように力を入れています。
いずれにせよ、ストリーミングサービスは配信するなら全てのストアに配信するのが正解ですし、あまりコントローラブルなものでもないので、ストアごとの再生単価については深く考える必要はないと思います。
なお、繰り返しになりますが、TuneCoreがここからさらに手数料を取ることはありません。
TuneCoreの使い方
TuneCoreの使い方をざっくりと説明します。
アカウントを作成
まずは、TuneCoreのアカウントを作成します。
メールアドレスとパスワードを入力して、届いたメールからアカウント作成手続きを行います。
個人アカウントの場合は、以下の情報入力を求められます。
入力が必要な情報
名前、生年月日、電話番号、郵便番号、都道府県、住所、銀行名、支店名、口座種別、口座番号、口座名義
友達招待制度があるので、こちらのリンクからアカウントを作成していただくと、初回シングル配信1年が50%OFFになるクーポンがもらえます。
アーティスト情報の作成・登録
TuneCoreのアカウントを作成したら、次にそのアカウントで管理するアーティスト情報を作成・登録します。
2つの名義で活動している方であれば、アカウント内に2つのアーティストをそれぞれ作成・登録して、1つのアカウントで管理できます。
リリース登録
アーティスト情報が作成できたら、いよいよリリース登録です。
シングル・アルバムのどちらかを選んで、以下の手順で進めていきます。
リリース登録の手順
- 音源ファイルやジャケット画像をアップ
- 曲の情報を登録
- リリース日を登録
- 配信先のストアと販売価格を選択・入力
- 配信料金を支払い(クレジットカード決済)
- 審査結果を待つ
審査
審査で問題があった場合は、TuneCoreから連絡が登録メールアドレス宛に来ます。
例えば、beatstarsなどで購入したリースのビートを使用していると、利用許諾のPDFを求められることも多いです。beatstarsなどでビートを購入した場合はPDFをきちんとダウンロードして保存しておきましょう。
また、TuneCoreとは別に、それぞれのストアでも審査があり、ここで落ちる場合もあります。こちらは特に何もできることはないので仕方ないでしょう。
アナリティクスの確認
審査が問題なく終われば、そのうち配信が開始されます。
配信が開始されたら、アナリティクスで販売数や再生回数、収益などが確認できるようになります。
アナリティクスには速報と確定の2種類があり、速報は前日分までのデータを速報ベース(変わることがある)で、確定は実際に各ストアから送られてくる確定データを確認できます。
引出し申請
収益が発生して、残高が1000円以上になると引き出せるようになります。
引出しの際の振込手数料はアーティスト負担なので、ある程度の残高が貯まってから、まとめて出金するとよいでしょう。
なお、振込みのスケジュールは以下のようになっています。
TuneCoreの振込スケジュール
- 毎月1日~15日の引出し申請:申請月25日にお振込み
- 毎月16日~末日の引出し申請:申請月の翌月10日に振込み
以上!とても簡単です。
TuneCoreのよくある質問
TuneCoreの収益は確定申告が必要?
一定以上の所得が発生した場合は、確定申告が必要です。
例えば、サラリーマンで、副業で音楽をしている場合は「雑所得」になるので、他の雑所得と合算して20万円以上の所得があれば確定申告が必要です。
ちなみに、雑所得の所得計算は「収入金額-必要経費」です。そのため、ビートの購入代とか機材代とかは収益から引いて計算してください。
参考:楽曲ストリーミング再生での収益の申告ついて(税理士ドットコム)
TuneCoreのクーポンコードは?
上でも書きましたが、友達招待制度があるので、こちらのリンクからアカウントを作成していただくと、初回シングル配信1年が50%OFFになるクーポンがもらえます。
その他、TuneCoreに登録していると、たまに「シングル1曲配信無料」などのクーポンがメールで送られてきます。こちらもメールを定期的にチェックして利用しましょう。
TuneCoreのスプリット機能とは?
TuneCoreのスプリット機能とは、配信によって入ってきた収益を自動的に複数のアーティストに振り分けることができる仕組みです。
例えば、作詞した人と歌った人で50%ずつで収益を分けたい場合、どちらかがTuneCoreから配信して、もう一人にスプリットの招待を送るだけで、あとはTuneCoreが自動的に収益を50%ずつ、それぞれのアカウントに反映してくれます。
めちゃくちゃ便利な機能で、僕自身、かなり重宝しています。
TuneCoreのジャケットサイズは?
TuneCoreでアップロード可能なジャケット画像は、以下のとおりです。
- JPG または PNG イメージファイル
- 3000 x 3000 ピクセルの正方形
- 最高品質のRGB カラーモード (白黒含む)
- 20M以内
TuneCoreの審査に落ちた。審査基準は?
TuneCoreでは審査基準が公式に公開されていませんが、サンプリングしている曲や、配信者が権利を所有しているか怪しい曲については、審査に落ちたり、権利の保有を証明する書類の提出を求められることがあります。
経験上、beatstarsなどでビートの使用権を購入してつくった曲は書類の提出を求められることが多いです。beatstarsでビートを購入した場合は、購入後の画面で音源ファイルだけでなく証明書のPDFをダウンロードできるようになっているので、必ずPDFをダウンロードして保存しておきましょう。
メールにPDFを添付して返信すると、再度リリースを審査に出すことができるようになります(再審査に出すのに追加のお金は掛かりません)。僕自身は、PDFを添付して返信した後に、再度審査に落ちたことはありません。
まとめ
今回は、音楽配信代行サービスのTuneCoreについて説明しました。
- TuneCoreとは
iTunesなどのダウンロード販売サービスやApple Musicなどのストリーミングサービスに自分の曲を配信してくれる配信代行サービス。 - TuneCoreの料金体系は?
シングルが約1,500円/年、アルバムが約5,000円/年。 - TuneCoreの収益・還元率は?
収益はストアによって違うが、各ストアから発生した収益は100%アーティストに還元される。
超便利なので、ぜひ利用してみてください。
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