ヒップホップ用語:オピオイドとは

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オピオイドとは

オピオイドとは、アメリカで流行している医療用麻薬性鎮痛剤です。

最も一般的に知られているオピオイドはモルヒネでしょう。アメリカでは、モルヒネに限らず、様々なオピオイドが医療用に処方されています。

1995年頃から、製薬会社が一部のオピオイドは中毒性が弱く安全だとして積極的にマーケティングキャンペーンを張ったことから、オキシコンチンをはじめとして、多くのオピオイドが社会に出回るようになりました。しかし、これらの「中毒性が弱くて安全」というデータは、サンプル数がたったの38人だったりと問題が多い調査に基づいたもので、実際には中毒性が高いことが後に判明しています。

さらに、これらのオピオイドを医者から処方してもらって転売するドラッグディーラーも登場。こうして処方が広がったオピオイドは、中毒性のあるドラッグでありつつも、医療処方されているため合法的に摂取できるということで全米で流行しており、社会問題化しています。

また、中国などからフェンタニルという合成オピオイドもアメリカに流入しており、これらオピオイドの過剰摂取(オーバードーズ)によって、アメリカでは毎年数万人が命を落としています。

オピオイドやリーンといった合法的に摂取できるドラッグは、現代のヒップホップシーンにも大きな影響を与えています。

従来、ラッパーにとってドラッグといえば売る商品であり、自分で使うものではなかったのですが、最近のラッパーはこれらのドラッグを使う様子を歌うようになっています。結果、たとえばフューチャーの曲を聞いてドラッグを使い始めたジュースワールドがオーバードーズで亡くなるなど、負の側面が表面化しています。

内政的な内容を歌うヒップホップのサブジャンルであるエモラップにもオピオイド等のドラッグの影響は強く出ています。

written by @raq_reezy

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