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記事の目次
そもそもハンドレンジとは
ハンドレンジとは、ポーカー(テキサスホールデム)における「ゲームに参加するスターティングハンドの範囲」を指します。
たとえば、あなたに配られたスターティングハンド(手札)が「2♣︎・4♠︎」だったとします。この場合、ゲームに参加しても勝てる確率は非常に低いですよね。周りのレイズにあわせてコールしていっても、負けて賭け金を無駄に失うだけに終わってしまうので、何も賭けずに、さっさとフォールド(ゲームを降りること)した方が良いでしょう。
一方、あなたに配られたスターティングハンドが「A♦︎・A♣︎」だったらどうでしょう?プリフロップ(場のカードが1枚もない状態)で、すでに最強のワンペアが完成しており、勝率は非常に高いですよね。この場合は、当然ゲームに参加するでしょう。
このように、ポーカーにおいては、自分に配られたスターティングハンドの強さ次第で、ゲームに参加するかどうかを判断することになります。その際に、ゲームに参加するハンドの範囲を「ハンドレンジ」といいます。
ハンドレンジには、おおむね定石とされる範囲がありますが、相手にハンドを予想されるのを防ぐために、そこに自分なりのアレンジを加えて使うこともあります。定石とされるハンドレンジ表を確認したい方は、以下の記事をご覧ください。
ハンドレンジの種類
ハンドレンジがタイトとは?
ハンドレンジが「タイト」というと、ゲームに参加する範囲が狭いことを指します。つまり、本当に強いハンドでしか参加しないということです。
タイトなハンドレンジのメリット
タイトなハンドレンジのメリットは、当然、ゲームに参加した際の勝率が高いことです。弱いハンドで参加して、無駄にお金を失うという失敗を避けることができます。
タイトなハンドレンジのデメリット
一方、タイトなハンドレンジには、大きく2つのデメリットがあります。
1つ目は、ゲームに参加できる機会が少ないことです。本来なら勝てたかもしれないゲームにも参加しないことで、機会損失をしている可能性があります。
2つ目は、「この人はハンドレンジがタイトだな」と相手に読まれてしまうことです。そうすると、自分が参加したときに、相手が警戒してあまり賭け金を増やしてくれないので、せっかく強いハンドが来ても稼げないという問題が発生します。
ハンドレンジがルースとは?
ハンドレンジが「ルース」というと、ゲームに参加する範囲が広いことをいいます。つまり、多少弱いスターティングハンドでもゲームに参加するということです。
ルースなハンドレンジのメリット
ルースなハンドレンジのメリットは、たくさんゲームに参加できるので、機会損失を防げるということです。
ルースなハンドレンジのデメリット
ルースなハンドレンジのデメリットは、たくさん賭けるのでチップの消耗が早くなりがちという点です。また、ハンドレンジがルースだとバレると、相手は逆にハンドレンジをタイトにすることで、勝率をあげられてしまいます。
ハンドレンジに影響を与える要素
ポジション
ハンドレンジは、ポジションによって変わります。
これは具体的なケースを考える方が分かりやすいでしょう。たとえば、自分まで誰もレイズせずに、自分にベットの順番が周ってきた場合を想定します。
ここでレイズしてゲームに参加する(=オープンレイズする)場合のハンドレンジを考えてみましょう。
アーリーポジション:ハンドレンジは狭くなる
もしも自分がアーリーポジション(他の人たちよりも先に賭けなければいけないポジション)の場合、自分より後に賭ける人たちがどのくらい強い手札を持っているか等の情報がない状態で賭けることになります。
ここで自分がレイズしたとしましょう。しかし、自分よりも後の人がさらにレイズしてきました。
自分のレイズに対して相手がさらにレイズしてくるということは、相手はかなり手札に自信がある(=強い手札)と想定できるので、自分も同じく相当強い手札でない限り、フォールドしてゲームを降りることになります。そうすると、自分が最初にレイズした賭け金は無駄になってしまいます。
このように、アーリーポジションの場合は、他人のハンドの強さに関する情報がない状態で賭けなければいけないため、リスクが高くなります。そのため、アーリーポジションでは、ハンドレンジを狭くして、本当に強い手札のときだけゲームに参加したほうが合理的です。
レイトポジション:ハンドレンジは広くなる
一方、自分がレイトポジション(他の人たちよりも後に賭けられるポジション)の場合、自分まで誰もレイズしていないということは、みんなのハンドはあまり強くないと想定できます。
ここで、自分がレイズしてゲームに参加しても、他のプレイヤーはフォールド(ゲームを降りる)か、コールするかの二択である確率が高いでしょう。このように、レイトポジションであれば、比較的ハンドレンジを広くすることができます。
レイズされている回数
レイズされている回数によっても、当然ハンドレンジは変わってきます。具体的には、ハンドレンジは、オープンレイズ>3bet>4betと狭くなっていきます。
オープンレイズ
オープンレイズとは、まだ誰もレイズしていない状態で、初めてのレイズをすることです。
3bet(スリーベット)
3betとは、誰かがオープンレイズをした後に、その額に対して、さらにレイズすることです。かなり強気なアクションであり、ハンドレンジは狭くなります(=余程強い手札でのみ行う)。
4bet(フォーベット)
4betとは、誰かの3betに対して、さらにレイズをすることです。3bet以上に強気なアクションで、ハンドレンジはめちゃくちゃ狭くなります。(=めちゃくちゃ強い手札でのみ行う)
ゲーム形式(リング or トーナメント)
ポーカーにおいては、スモール・ブラインドやビッグ・ブラインドは強制的にベットするルールになっており、その金額が決まっています。たとえば、スモール・ブラインドが1ドル、ビッグ・ブラインドが2ドルといった具合です。
リングゲームの場合、そのテーブルにおけるブラインドの賭け金額はずっと固定ですが、トーナメントの場合は、どんどんとブラインドの賭け金額が上がっていきます(スモール・ブラインドが5ドル、ビッグ・ブラインドが10ドルなど)。また、脱落したプレイヤーのチップを吸収して、周りのプレイヤーはどんどんチップ量を増やしていきます。
そのため、リングゲームにおいては、ハンドレンジを狭くして勝てそうなときだけコツコツと稼ぐことは正当化されますが、トーナメントにおいては、ある程度ハンドレンジを広げることが要求されます。
なぜなら、みんなのチップ量や賭け金額がどんどん増えていく中で、自分だけタイトにプレーしてチップ量をスピーディに増やせなければ、周りのみんなと比べてチップ量が相対的に少なくなり、不利な勝負(常にオールインかフォールドかを迫られるような展開)になっていくからです。
他プレイヤーのハンドレンジ
他プレイヤーのハンドレンジも、自分のハンドレンジに影響を与えます。
一般的には、他プレイヤーのハンドレンジが狭い場合、自分はルースにプレイすると良いといわれています。また、周りのプレイヤーのハンドレンジがルースな場合、自分はタイトにプレイすると良いとされています。
ハンドレンジを理解する意味
自分の勝率をあげられる
ハンドレンジを理解することの直接的なメリットは、自分が不利な勝負に突入するのを避けられる点にあります。言い換えると、弱いハンドで賭けてしまうリスクを排除することができるということです。
しかし、これだけではありません。ハンドレンジの概念を理解して、相手のハンドを予想することで、ポーカープレイヤーとして大きく成長することができます。
相手のハンドを予想できる
ハンドレンジを理解することの最大のメリットは、相手のハンドを予想できるようになることです。
相手が平均的なハンドレンジでプレイするプレイヤーだった場合、どのポジションで、どのくらいレイズしてきたかによって、相手のスターティングハンドの組み合わせを絞ることができます。そうすると、自分のハンドが有利なのか、不利なのかを判断するのに役に立ちます。
また、相手がルースなプレイヤーなのか、タイトなプレイヤーなのかも観察することで、相手のハンドレンジをさらに正確に予想することができるようになります。
ポーカーは情報戦です。いかに情報を正確に把握できるかによって、期待値がプラスになるように行動できるかどうかが決まってきます。そのため、ハンドレンジは非常に重要だといえます。
ハンドレンジ表
それぞれの場面において、どんなハンドであれば、レイズなどのアクションを行うかというハンドレンジ表があります。
これは、SnowieというオンラインポーカーのAIツール等を用いると、確認することができます。たとえば、以下のようなイメージです。
これは、緑の場所ならレイズ、黄色の場所ならコールすると良いということを示しています。AAなどのポケットペアより右上であればスート(同じマーク)、左下であればオフスート(違うマーク)であることを表しています。
こうしたハンドレンジ表を上手に活用することで、それぞれの場面における最適な行動がわかったり、これを利用して相手のハンドを予想することができます。
ハンドレンジ表の一覧や見方は、以下の記事に整理しているので、興味がある方はご覧ください。
まとめ
ハンドレンジとは、ゲームに参加するスターティングハンドの範囲をあらわします。
ハンドレンジという概念を理解することで、勝率のよい勝負だけ行うことができるようになるだけでなく、相手のハンドを予想することが可能になります。
ぜひハンドレンジという考え方を活用してみてください。
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