クラック・コカインとは
クラック・コカインとは、ドラッグの一種で、コカインを煙草で吸引できる状態にしたものです。
1980年代に粉末コカインの供給過剰によってコカイン価格が暴落したため、新しい顧客層を開拓するために、クラック・コカインが生み出されました。クラック・コカインは、1回あたりの使用量が2.5ドル程度で買えるなど、安価に使用できたため、従来とは違い、貧困層や若者に幅広く浸透しました。
1982年にマイアミで流行り始めると、1980年代後半にはあらゆる大都市で流行し、ニューヨークの貧民街でも絶大なブームとなりました。
クラックブームにおいては、ギャングの一員でもあるドラッグディーラーやハスラーなどが販売地域をめぐって抗争するのがつきものであったため、ニューヨークをはじめとした都市部は、クラックの流行によって荒廃していきました。
結果、ギャング出身のラッパーや、仲間の死などを経験したラッパー、家族がクラック中毒になったラッパーなど、荒廃したストリートを目の当たりにしてきたラッパーたちが登場します。こうしたラッパーたちは、ストリートの毎日をリリックの中で表現するようになり、ハードコア・ヒップホップやギャングスタラップが生まれることとなりました。
2021年現在、クラック・コカインのブームは終わっていますが、代わりにオピオイドやリーンといったドラッグが流行しており、毎年数万人がオーバードーズで亡くなるなど、アメリカでは社会問題となっています。
written by @raq_reezy
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