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そもそもマルチウェイ・ポットとは
ポーカー(テキサスホールデム)のマルチウェイ・ポットとは、フロップ以降に3人以上が参加することを指します。
上級者の多いテーブルほど、プリフロップの時点で2人以外がフォールドして、フロップ以降はヘッズアップになることが多いですが、何でもコールしがちな初心者がいるテーブルなどでは、マルチウェイポットが発生しやすいです。
マルチウェイ・ポットの特徴
勝率が下がる
2人でプレイしている場合、ハンドの強弱をいったん脇に置くと、勝率は50%です。一方、3人でプレイしている場合、ハンドの強弱を脇に置くと、勝率は33%ですよね。
当たり前ですが、参加者が増えた分だけ、単純に考えて勝率が下がることになります。
強いハンドが登場しやすい
参加者が多いほど、強い役(ハンド)を完成させるプレイヤーがいる確率が上がるのは直感的にお分かりいただけると思います。マルチウェイ・ポットでは、ツーペア以上などの強い役が登場しやすくなります。
誰かがコールやレイズする確率が高い
参加者が多いため、自分のレイズに対して、誰かがコールやレイズをしてくる確率はヘッズアップよりも高くなります。これはブラフが通じにくいことを意味します。
マルチウェイ・ポットのコツ
ブラフはなるべくしない
先ほど説明したように、マルチウェイポットでは、誰かがコールやレイズをしてくる確率が高いため、ブラフのレイズをしても、相手全員をフォールドさせられる確率が低いです。そのため、ブラフを頻繁に行うのは避けましょう。
強い役(ハンド)を目指す
マルチウェイ・ポットでは、強い役が登場する確率が高いため、トップペアでも負ける確率が比較的高いといえます。そのため、マルチウェイ・ポットで自身を持ってベットしていくためには、ナッツになるような強い役(ハンド)を持つことを目指します。
マルチウェイ・ポットでプレイしたいスターティングハンド
マルチウェイ・ポットでは、強い役(ハンド)を目指したいと書きました。そのため、プレイしたいスターティングハンドは、強い役になる可能性があるハンドだということになります。
ポケットペア
AAなど、スターティングハンドの2枚がペアになっているものをポケットペアといいます。
ポケットペアは、フロップにおいて11.8%の確率でセット(スリーカード)になります。つまり、10回に1回はスリーカードになるということです。
JToなどのハンドがフロップで2ペア以上になる確率は4.8%しかないことを考えると、ポケットペアは非常に優れたスターティングハンドだといえます。
スーテッドコネクター / スーテッドギャッパー
J♠︎T♠︎などマークが同じで横並びのものをスーテッドコネクター、J♠︎9♠︎などマークが同じでひとつ飛ばしのものをスーテッドギャッパーといいます。
これらのハンドは、約26%の確率でツーペアやフラッシュドロー、オープンエンド・ストレートドローなどに化けます。
マルチウェイ・ポットに参加するかどうかの判断基準
自分のポジションがボタン(ディーラー)
自分がボタン(ディーラー)のとき、フロップ以降では常に最後にベットできるため、全てのプレイヤーに対してポジションの有利があります。そのため、比較的広い範囲でマルチウェイ・ポットにコールで参加できます。
特にスモールブラインドやビッグブラインドが初心者やパッシブなプレイヤーのとき、レイズされる心配が少ないので安心してコールから参加できます。
自分のポジションがスモールブラインド
自分のポジションがスモールブラインドのとき、フロップ以降、2人以上のプレイヤーを相手に最初にベットしなければいけないため、ポジション的に不利な戦いを強いられることになります。
そのため、かなり有利なハンドでなければ、マルチウェイ・ポットへの参加は避けたいところです。
自分のポジションがビッグブラインド
自分のポジションがビッグブラインドのとき、スモールブラインドと同じく、フロップ以降のポジションの不利はあるものの、すでに1bbのブラインドを払っているため、マルチウェイ・ポットに参加するハードルは下がります。
プリフロップにおいて、自分よりも後にレイズしてくる人がいない(コールしたらプリフロップが終わる)という観点からも、マルチウェイ・ポットに参加しやすいポジションだと言えます。
自分のポジションがその他
自分のポジションが上のいずれでもないとき、つまりアーリーポジション〜ミドルポジションのときには注意が必要です。
プリフロップにおいて、自分よりも前のレイズにコールしても、まだ自分よりも後にまだ3人以上いるので、そこからリレイズされてしまう可能性もあります。安全にマルチウェイ・ポットに参加できるかどうかが分かりづらいです。
そのため、自分よりも後ろのポジションのプレイヤーの腕次第では、フォールドやリレイズ(自分自身がリレイズして、自分よりも後ろのプレイヤーを降ろしにいく)が正解になることもあります。
自分よりも後ろにいるプレイヤーがパッシブだったり、初心者の場合は、アーリーポジション〜ミドルポジションの人でもマルチウェイ・ポットに参加することができます。
フロップ以降での立ち回り
マルチウェイ・ポットにおける立ち回りは、大雑把なイメージとしては、めちゃくちゃ強いナッツハンドができたときにはガッツリ稼ぐけれど、それ以外はなるべく逃げるか、ポットを小さく保ってショーダウンまで進むという基本を、通常時よりも徹底して行うという感じです。
ベットに対するコール頻度を下げる
マルチウェイ・ポットの特徴として、参加者が多いのでブラフが通じにくいと書きました。
これは相手にとっても同じことです。つまり、誰かがベットしてきたとき、そのプレイヤーがブラフしている確率はヘッズアップのときよりも低く、本当に強い役を持っている可能性が高くなります。
ヘッズアップのときよりも、コールレンジをタイトにして、コール頻度を下げるように意識しましょう。
バリューベットするハンドは絞る
マルチウェイ・ポットの特徴として、相手プレイヤーの誰かが強いハンドを持っている可能性が高くなると書きました。
また、マルチウェイ・ポットでは、ベットに複数人がコールしたときのポットが膨らむ速度が大きいため、ポットサイズのコントロールも難しいです。
そのため、バリューベットをするときは、本当に強い役が揃っているときに絞って、比較的少額でバリューベットをするのが賢明です。或いは、他プレイヤーを一気に降ろしたいときは、ヘッズアップのときよりも、かなり大きな金額をベットします。
まとめ
今回は、マルチウェイ・ポットでの戦い方について説明しました。
- マルチウェイ・ポットには、ブラフが通じにくい、強いハンドが登場する可能性が高いなどの特徴がある
- マルチウェイ・ポットに適したハンドは、強い役が揃いやすいポケットペアやスーテッドコネクター、スーテッドギャッパー
- マルチウェイ・ポットに参加しやすいポジションは、ボタンやビッグブラインド
- フロップ以降は、コールやバリューベットともにヘッズアップのときよりもタイトにプレイする
以上、マルチウェイ・ポットでは、トリッキーなことをせずに、普段以上に徹底して教科書通りのプレイ(自分が勝っているときにポットを大きく、分からないときはポットを小さく)を心掛けましょう。
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