池泉回遊式庭園とは
池泉回遊式庭園とは、池泉庭園の中でも、池の周りを歩いて回るように設計されている日本庭園を指します。
庭の中を歩いて楽しむという設計は、庭の中に茶室をつくって、そこまで歩いていく途中に石燈籠や手水鉢などを配置した桃山時代の露地(茶庭)に端を発しています。露地(茶庭)は、茶室までの道のりも含めて一連の体験を創造したのです。
この流れを引き継いで、池泉回遊式庭園として大成したのが江戸時代の大名庭園でした。
露地(茶庭)は、茶室までの道のりを歩くという概念を生み出したものの、侘び・寂びを重視していたため、簡素なものが多かったところ、大名庭園はその「歩いて回る」という要素を残しつつ、大名の権力を示すような広大で豪華な庭を生み出しました。
日本三大名園と呼ばれる、水戸の偕楽園、金沢の兼六園、岡山の後楽園、加えて水戸黄門がつくった東京の小石川後楽園など、日本を代表する名園の多くが池泉回遊式庭園です。
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関連参考書籍
本記事を書くにあたり、以下の書籍を参考にしています。日本庭園の種類や歴史、構成要素について、初心者にもわかりやすく解説されています。
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