ウェストコースト(西海岸)とは
ウェストコーストとは、ヒップホップが盛んなカリフォルニアを中心とした西海岸のヒップホップを指します。
アメリカの西海岸、特に常夏のカリフォルニアでは、もともとテクノによるパーティー文化が強く、イーストコースト(東海岸)の渋くて文学的なヒップホップよりも、パーティー向けの音楽が求められました。また、ブラッズやクリップスといったカラーギャングのカルチャーがありました。
こうした背景から、西海岸では独自のヒップホップが成長することになります。
音楽的には、東海岸のようなジャズのサンプリングではなく、生演奏の音を積極的に取り入れた気持ちの良いGファンクが、リリックの内容的にはカラーギャングのカルチャーを取り入れたギャングスタラップが誕生します。これらの成立に大きく影響を与えたのが、プロデューサーでもあり、N.W.A.のメンバーとしてラップもこなしたドクター・ドレーです。
また、西海岸でギャングスタラップが誕生してヒットしたことは、ニューヨークを中心とするアメリカ東海岸にも逆流して影響を与え、東海岸のドラッグ・ディーラーたちによって、ギャングスタラップをニューヨーク流に再構成したマフィオソラップの誕生に繋がりました。
その後、ドクター・ドレーのプロデュースによって、スヌープ・ドッグやゲームなど、次々と西海岸から人気のラッパーが誕生しました。
2010年代に入るとサウスに押され気味でしたが、タイラー・ザ・クリエイターが率いるユニークな集団OFWGKTA(オッド・フューチャー・ギャング・キル・ゼム・オール)や、コンプトン出身のケンドリック・ラマーが西海岸を代表するラッパーとして登場し、世界的な活躍をしています。
written by @raq_reezy
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