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ポーカーのレイズとは
ポーカー(テキサスホールデム)のレイズとは、自分の番に選択できるアクションのひとつで、賭け金額を上げることです。
具体例をあげて解説します。
シンプルに理解するために、1対1(ヘッズアップ)で対戦しているとしましょう。相手は10ドルのチップを賭けて、自分の番が周ってきました。ここで自分が10ドルよりも大きな金額、たとえば30ドルのチップを賭けることを「レイズ」といいます。レイズは、英語で「上げる」という意味です。
ポーカーにおいては、次のラウンドに進みたい人は全員同額を賭けなければいけないというルールがあるため、自分が15ドルを賭けると、相手はまだゲームを降りたくないのであれば、既に賭けた5ドルと15ドルの差額である10ドルを新たに賭けて、自分と同じ15ドルに賭け金額を揃えなければいけません。
もしくは、ハンドが弱いなどの理由で、相手はここで諦めてゲームを降りる(フォールドする)こともできます。そうすると、このゲームは自分の勝ちになり、相手がすでに賭けた10ドルは自分のものとなります。
レイズの基本ルール
レイズのルールについて、もう少し詳しく解説します。
レイズできるタイミングは?
まず、ポーカーにおいてレイズできるタイミングを説明します。
4回のラウンドでレイズできる
ポーカーにおいて、レイズなどのベット(賭ける)アクションを行う「ラウンド」は全部で4回あります。
- 1回目:
全員に手札2枚が配られた直後です。これをプリフロップ(ラウンド)といいます。 - 2回目:
次に、場に3枚のカードをめくり、また賭けます。これをフロップ(ラウンド)といいます。 - 3回目:
その次に、さらにもう1枚のカードをめくり、また賭けます。これをターン(ラウンド)といいます。 - 4回目:
最後に、もう1枚のカードをめくり、手札に2枚と場に5枚ある状態で最後の賭けを行います。これをリバー(ラウンド)といいます。
全員が同額に揃ったら、そのラウンドは終わり
たとえば、前の人の賭け金額が10ドルだったときに、自分が30ドルにレイズしたとしましょう。
このとき、自分の左の人は、同じく30ドルになるように賭けるか(コール)、30ドルよりも大きな金額を賭けるか(さらなるレイズ)、もしくはゲームを降りるか(フォールド)という3つの選択肢があります。これを時計回りに全員ぐるっと回して、自分まで戻ってきます。
さて、この1ラウンドはいつ終わるのでしょうか?
それは全員の賭け金額が揃ったときです。たとえば、5人いるときに、自分がレイズしました。残り4人のうち2人はコール、2人はフォールドしました。そうすると、2人がゲームを降りて、自分を含めて残り3人全員の賭け金額が揃ったことになります。この時点で、このラウンドは終わりです。
相手にレイズされれば、さらにレイズできる
一方で、自分がレイズしたあと、時計回りでぐるっと順番が回る中で、また誰かがさらにレイズしたとします。(これを「リレイズ」といいます)
そうすると、まだ降りたくない人は全員、そのリレイズされた金額に合わせる必要があるので、自分はまたその金額に対して、コールするか、さらにレイズするか、フォールドするかの判断を迫られることになります。
このように、とにかく残っている人の賭け金額が全員揃うまで、ラウンドは続きます。
レイズできる回数や金額の上限は?
一周回るまでの間に誰かがさらにリレイズを行って、賭け金額が上がり続けているとき、レイズの回数や金額の上限はありません。
(厳密には、ポーカーの中でも、世界で最もメジャーな「ノーリミットホールデム」においては、金額の上限はありません。ただ、友だちとポーカーをするときは、お互いの合意があれば、金額の上限を決めて遊んでも良いでしょう。)
繰り返しになりますが、誰かがリレイズを続けている限り(全員の賭け金額が揃っていない限り)、レイズできる回数に上限はありませんが、最後にレイズした人から、コールやフォールドで一周した場合(全員の賭け金額が一定に揃った場合)、そこからさらにレイズすることはできません。
少し分かりづらいと思うので、具体例を示します。Aさんから時計回りにFさんまで、6人でプレイしているとします。
(例)レイズできないパターン
- Aさん:10ドルにレイズ
- Bさん:コール(10ドル)
- Cさん:フォールド
- Dさん:フォールド
- Eさん:フォールド
- Fさん:コール(10ドル)
この時点で、まだゲームを降りていないAさん、Bさん、Fさんは全員、賭け金額が10ドルに揃った状態で、Aさんまで順番が一周しました。なので、ここからAさんがさらにレイズすることはできません。
(例)レイズできるパターン
- Aさん:10ドルにレイズ
- Bさん:コール(10ドル)
- Cさん:フォールド
- Dさん:フォールド
- Eさん:30ドルにレイズ
- Fさん:コール(30ドル)
今度は、Eさんが30ドルにリレイズしました。この場合、場の賭け金が30ドルにレイズされた状態でAさんに周ってきたので、全員の賭け金額はまだ揃っていません。Aさんは、30ドルでコールしても良いし、フォールドしても良いし、さらにレイズしてもOKです。
レイズはスモールブラインドから行う
レイズなどのアクションは、スモールブラインドのポジションにいる人から行います。
ただし、一番最初のラウンドであるプリフロップにおいては、スモールブラインドとビッグブラインドは、自分の手札を見る前に、それぞれ決まった賭け金額(ブラインド)を強制的に置かなければいけないルールになっているので、実質的にはビッグブラインドの次の順番であるアンダー・ザ・ガンの人からレイズ等のアクションを行うことになります。
フロップ以降(フロップ、ターン、リバー)のラウンドにおいては、全てスモールブラインドからレイズ等のアクションを行います。
レイズの仕方
実際にカジノでポーカーをプレイしてレイズするときは「●ドルにレイズ」と宣言して、その額のチップを前に出します。
「レイズ」と宣言することをなくチップを前に出すと、「コール」だと判断される場合があるので要注意です。
たとえば、相手が2ドルをベットしていて、自分の番に「レイズ」と宣言せずに10ドルチップ1枚を前に出したとします。これはポーカーのルールでは、相手の2ドルに対する「コール」だと見做されます。その場合、ディーラーが10ドルチップを両替して、2ドルがコールに使われ、8ドルが戻ってきます。
オンラインポーカーでは、レイズする金額を画面上で選択するだけです。
ポーカーでレイズをすべき3つの局面
ポーカーにおいては、自分が何らかのアクションをするときに、その合理的な理由を持つことが重要です。それは、レイズについても同じです。
さて、ポーカーでレイズすべき理由は、大きく3つしかありません。
- 相手にベット(コールやリレイズ)させたいとき
- 相手をフォールドさせたいとき
- 相手のハンドの強さを知りたいとき
いずれにも該当しなければ、そのレイズは間違っている可能性が高いです。
それぞれ説明します。
相手にベットさせたい
まず、一番簡単なのは、相手にベットさせたいときです。
たとえば、自分がフルハウスの役を持っていて、場にめくられたカードから、自分よりも強いハンドはありえない(自分が最強のハンドを持っている)とします。
このとき、最終的に自分の役が勝つので、相手がベットした金額は全て自分のものになります。だから、自分はレイズをして、相手にコールしてもらいたいわけです。
これが「相手にベットしてもらうためのレイズ」です。
この際に注意すべきことは、あまり大きな額をレイズすると「自分のハンドがめちゃくちゃ強い」という情報を相手に与えてしまい、相手がフォールドする(ゲームを降りる)かもしれない点です。相手がコールしやすい金額(かつ、なるべく多くの金額)をレイズするのがポイントです。
相手にフォールドさせたい
続いて、相手にフォールドさせたい場合にもレイズをします。
レイズをすると、相手はリレイズやコールをするか、フォールドをするかを選択しなければいけません。
現時点で相手に強い役がなければ、相手はあまり賭けたくないはずです。そのため、レイズされると一定の確率でフォールドしてくれることが期待できます。
プリフロップにおいて参加者を減らしたい
ポーカーにおいては、当たり前ですがゲームに参加している人数が少ないほど勝率が高くなるので、賭けの期待値が良くなります。
ハンドの強さをいったん忘れて単純計算すると、ゲームの参加者が2人なら勝率は50%、3人なら勝率は33%です。1人増えるだけで、勝率は大きく落ちてしまいます。
そのため、たとえばテーブルに6人座っていたとしても、プリフロップの段階でなるべく多くの人をフォールドさせて、実質1:1に持ち込むのが得策です。1:1に持ち込んだら勝てそうな、比較的強いハンドを持っている場合は、積極的にレイズをして、他のプレイヤーをフォールドさせたいところです。逆にいうと、1:1に持ち込んでも勝てなさそうな弱いハンドであれば、自分がさっさとフォールドすべきです。
実際にプロのポーカーでは、6人テーブルなどでも、プリフロップの段階でほとんどの人がフォールドして、比較的強いハンドを持った2人での勝負になることが多いです。
「比較的強いハンド」が何かについては、以下の記事をご覧ください。
フロップ以降で、相手にフォールドさせたい
さて、プリフロップで1:1に持ち込み、場のカードが3枚めくられました。
自分のハンドがA♦︎Q♠︎、場にめくれたカードがQ♣︎8♣︎3♦︎だとしましょう。
自分はQのワンペアが揃っているので、現時点での勝率は比較的高いと思われますが、さらにカードがめくれていくと、相手に♣︎のフラッシュが揃うことも考えられます。
たとえば、次にターンで5♣︎がめくれて、もしも相手が♣︎を2枚持っていたら、その時点でフラッシュです。5♣︎がめくれた状態で、相手がレイズしてきたら、自分はQのワンペアを持っていても、フラッシュを警戒してフォールドに追い込まれることも考えられます。
そこで、これ以上カードがめくられる前に、フロップの時点で相手にフォールドさせてしまいたい。そんなときにも、積極的なレイズを行って、相手にフォールドを迫ることが有効です。
また、自分がQを持っていなくてワンペアすら揃っていない状態でも、レイズすれば相手は「Qのワンペアを持っているのでは」と深読みしてフォールドしてくれる可能性があります。これは「ブラフ」と呼ばれる戦術です。
相手のハンドの強さを知りたい
最後に、相手のハンドの強さを知りたい場合にもレイズをすることがあります。
たとえば、自分のハンドがK♦︎K♣︎だとしましょう。場にめくれたカードがQ♥7♠︎2♦︎でした。
ここで自分がレイズをして、相手がリレイズをしてきた場合、相手のポジションにもよりますが、スリーカード、もしくはQのワンペアと大きなカード、たとえばAQなどを持っている可能性が考えられるでしょう。コールに留めてきたら、Qや7や2のワンペアなどが考えられそうです。
前者であれば、自分のハンドは負けている可能性がありますし、後者であれば自分のハンドは勝っていそうです。
このように相手のハンドに関する情報を得るという意味でも、レイズを用いることができます。(もちろん裏をかかれる可能性もあります)
適正なレイズ額はいくら?
レイズ額を考えるときの2つのポイント
(1)レイズの目的から考えよう
まず大切なのが、レイズの目的から考えるということです。
レイズの目的というのは、先ほど紹介した3つの目的です。
- 相手にベットさせたい
- 相手にフォールドさせたい
- 相手のハンドの強さを知りたい
それぞれの目的にあわせて、適正なレイズ額を考えましょう。
(2)相手の期待値を考えよう
レイズをすると、相手はそれに対して、コールかフォールド(場合によってはリレイズ)を考えることになります。
このとき、相手が一定の実力を持ったプレイヤーであれば、期待値を考えてくるはずです。つまり、期待値があうならコールしてくるし、期待値があわないならフォールドしてくる可能性が高いということです。
そのため、コールさせたいなら、相手が「期待値があう」と思う金額をレイズすべきで、フォールドさせたいなら、相手が「期待値があわない」と思う金額をレイズすべきです。
相手にベットさせたい場合
あまり大きすぎる額をレイズすると、相手はフォールドしてしまうかもしれません。
フロップ以降なら、フィル・ゴードンというプロプレイヤーの本によると、ポットの3分の1程度をレイズするのが良いでしょう。
たとえば、ポットが90ドルなら30ドルをレイズします。相手は合計120ドルのポットに対して、30ドルのコールをするかどうかを判断します。このとき、相手からすると勝率が25%あれば期待値がトントンなので、コールしてくれる可能性は比較的高そうです。
相手にフォールドさせたい場合
相手にフォールドさせたい場合は、比較的大きな金額をベットすべきです。
(1)プリフロップは3BBが基本
プリフロップであれば、ビッグブラインド(BB)の賭け金額に対して、2.25倍〜4倍程度をレイズするのが一般的です。最初のうちは3倍のレイズを基本にすると良いでしょう。(ポーカー用語では、ビッグブラインドの3倍をベットすることは「3BB」といいます。)
ポーカーをある程度学んでいる人たちのテーブルであれば、3BBのレイズに対して、ハンドが弱いプレイヤーは全員降ります。
しかし、初心者が多いテーブルやポーカーアプリなどでは、全員なんとなくコールをするので3BBでは誰もフォールドしないといったケースもあります。その場合は、自分のハンドが比較的強いときにレイズ額を上げながら、弱いハンドの人がフォールドする金額がどのくらいなのかを探りにいきましょう。
また、自分よりも前のプレイヤーが3BBをレイズしてきて、自分の手札がかなり強いので、リレイズを打ち返したい場合は、基本的にはその3倍つまり9BBを賭けるのが一般的です。
(2)フロップ以降はハーフポット〜フルポット
フロップ以降で、相手をフォールドさせたい場合には、基本的にハーフポット〜フルポットくらいをレイズします。そうすることで、相手の期待値をマイナスに追い込むことができます。
たとえば、フロップで場にJ♦︎5♦︎4♣︎がめくれたとします。
相手のハンドが7♦︎6♦︎だった場合、相手は次に♦︎がめくれればフラッシュ、3か8がめくれればストレートです。
このとき、相手が次の1枚でフラッシュかストレートを完成させる確率は約28%です。
ここで自分はツーペア、ポットが90ドルだとして、ハーフポットの45ドルをレイズしたとしましょう。
相手の立場で考えてみると、合計135ドルのポットに対して45ドルのコールを選択すると「フラッシュかストレートが揃えば、45ドルが3倍になる」という勝負になります。フラッシュかストレートが揃う確率は28%ですから、期待値は0.84倍でマイナスになります。
相手はフォールドする確率が高く、もし相手がコールしてきても、期待値がマイナスの勝負を相手に押し付けることができます。
さらにフルポットをかければ、相手は合計180ドルのポットに90ドルをコールすることになり、期待値は0.56倍とさらに悪化するので、相当な圧力をかけることができます。
フロップ以降で、相手をフォールドさせたい場合は、ハーフポットからフルポットのレイズをひとつの基準にしてみましょう。
相手に読まれないことも大切
ポーカーでは、自分のハンドや考えを相手に読まれないことも大切です。
自分のハンドが強いときには3分の1ポット、自分のハンドが弱くて相手をフォールドさせたいときはハーフポットなど、分かりやすい掛け方をしていると、相手に行動を読まれて、搾取されてしまいます。
紹介した適切なレイズ額というのは、あくまでもひとつの基準なので、自分なりにブラフを混ぜる割合などを考えてみてください。
まとめ
今回は、ポーカーにおけるレイズの基本から戦術まで紹介しました。
- レイズとは、ポーカーにおいて賭け金額を上げるアクションである
- レイズは、各ラウンドにおいて、全員の賭け金額が一致するまで、いくらでも行うことができる
- レイズは「相手にベットさせたい」「相手にフォールドさせたい」「相手のハンドの強さを知りたい」という3つの目的のいずれかで行う
- 目的に応じて、相手の立場から期待値を考えて、適正なレイズ額を考えよう
説明した内容は、以上になります。
これらを抑えることで、正しくレイズすることが出来るようになるはずです。
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