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記事の目次
ポーカーのバリューベットとは
バリューベットとは
バリューベットとは、相手にコールしてもらって、自分の獲得できるチップを増やす目的で行うベットのことです。
相手にフォールドしてもらうことを目的としたブラフベットとは真逆の考え方になります。
バリューベットの目的
バリューベットの目的は、自分のエクイティを増やすことです。
エクイティについては、以下の記事で詳しく解説しています。
具体的には、自分のベットしたチップ量以上に、ポットエクイティが増えれば、効果のあるバリューベットだということができます。
例えば、フロップ時点で、自分の勝率が60%、相手の勝率が40%、ポットが50ドルだとします。自分のエクイティは50ドルの60%で30ドルです。
ここで自分が25ドルをベットして、相手がコールしてくれれば、ポットは100ドルになり、自分のエクイティは60ドルになります。
このとき、自分が25ドルをベットすることで、自分のエクイティが30ドル増えています。5ドル分のエクイティは、相手からのコールによって増えたことになるので、これは効果的なバリューベットだということができます。
バリューターゲットを意識しよう
バリューターゲット(バリューレンジ)とは
バリューベットを成功させるためには、自分よりも弱いハンドにコールしてもらう必要があります。
言い換えると、「どのようなハンドにコールしてもらえば、自分のエクイティが増えるか」を考える必要があるということです。
この、自分のエクイティが増えるような相手のハンドのことをバリューターゲット(バリューレンジ)と呼びます。
バリューターゲットの具体例
例えば、以下のようなケースを考えてみましょう。
ケース例
- 自分のスターティングハンドがA❤︎K❤︎
- フロップで、コミュニティカードがA♠︎T♣︎9♣︎
このとき、自分のベットに対して、相手がコールしてくれそうなハンドとしては、以下のようなものが考えられます。
相手がスリーカードやツーペアの場合は、自分は負けています。
相手がAのワンペアのとき、自分のキッカーはKなので、ほぼ勝っているでしょう。相手がTのワンペアやKQJのポケットペアのときも、自分はAのワンペアなので勝っています。
相手がフラッシュドローやストレートドローのときは、フラッシュやストレートが完成して逆転される可能性もありますが、ここからフラッシュが完成する確率は約36%、ストレートが完成する確率は約32%なので、自分の方が勝率は高い状況です。
つまり、上にあげた「コールしてくれそうなハンド」のうち、スリーカードとツーペア以外のものがバリューターゲットとなります。
相手のハンドがバリューターゲットの確率
バリューベットを行う場合は、相手がコールしてきた場合に、相手のハンドがバリューターゲットである確率が高いのが理想的です。
例えば、先ほどのケースでは、相手にスリーカードやツーペアが揃っている確率は低く、相手のハンドがバリューターゲットのいずれかである可能性は高いといえるでしょう。
このようなときは、積極的にバリューベットを打つべきです。
一方で、以下のようなケースを考えてみましょう。
ケース例
- 自分のスターティングハンドが9❤︎9♠︎
- フロップで、コミュニティカードがA♠︎J♣︎T❤︎
このような場合、相手がコールしてくれる可能性のあるハンドは以下のようなものになります。
コールしてくれる可能性のあるハンド
- AKQJTのストレート
- スリーカード
- ツーペア
- A、J、Tのワンペア
- K、Qのポケットペア
- KQJT、JT98などのストレートドロー
このとき、ストレート、スリーカード、ツーペア、AJTのワンペア、KQのポケットペアに自分は負けており、KQJTやJT98のストレートドローのみがバリューターゲットとなります。
しかし、自分が9を2枚持っていることから、相手がQJT9やJT98などの9を含むストレートドローを持っている確率は低く、相手がコールした場合、かなり多くのハンドに対して、自分が負けていることになります。
このような場合は、バリューベットを打つべきではないということになります。
バリューベットを打つときには、単に「どのようなハンドに勝っているか」ではなく、「コールしてくれるハンドのうち、どのようなハンドに勝っているか」を考えるのがポイントです。
ハンドレンジも考慮に入れる
バリューターゲットを考えるときには、相手のハンドレンジも考慮に入れると、さらに精度が高くなります。
例えば、相手のポジションがアンダー・ザ・ガンで、プリフロップにおいてオープンレイズしている場合、一般的にそのプレイヤーのハンドレンジにQ9や98といったスターティングハンドは含まれていません。
つまり、先ほどのケースであれば、QJT9やJT98のストレートドローの可能性は排除されて、さらにバリューターゲットが減るということです。
ポジションごとのスターティング表を覚えることで、相手のハンドレンジを考慮に入れることができるようになります。
シンバリューベットとコンビナトリクス
シンバリューベットとは
先ほど、バリューベットを打つべき場面について説明しました。
バリューベットの基準
- 相手がコールしてきた場合に、相手のハンドがバリューターゲットである確率が高い状況であればバリューベットを打つべき
- 相手がコールしてきた場合に、相手のハンドがバリューターゲットである確率が低い状況であればバリューベットを打つべきではない
このとき、相手のハンドがバリューターゲットである確率がわずかに高いようなケースを「シンバリュー(Thin Value)」といいます。
例えば、相手がコールしてきたときに、相手のハンドがバリューターゲットである確率(自分が勝っている確率)が55%、相手のハンドがバリューターゲットでない確率(自分が負けている確率)が45%のようなときです。
初心者のうちは、バリューがありそうかなさそうか分からないときはフォールドした方が無難ですが、ある程度の基礎を抑えて、ポーカープレイヤーとしての伸び代を考える際には、シンバリューのときにバリューベットを打てるようになると良いでしょう。
コンビナトリクスを理解しよう
バリューベットの精度を上げて、シンバリューベットを打てるようになるためには、コンボ数という概念を理解することが役に立ちます。
例えば、上でもあげた、こちらのケースを考えてみましょう。
ケース例
- 自分のスターティングハンドがA❤︎K❤︎
- フロップで、コミュニティカードがA♠︎T♣︎9♣︎
コールしてくれる可能性のあるハンド
- スリーカード
- ツーペア
- Aのワンペア
- Tのワンペア
- K、Q、Jなどのポケットペア
- ♣︎4枚のフラッシュドロー
- QJT9やT987などのストレートドロー
先ほどは、スリーカードとツーペア以外がバリューターゲットで、スリーカードとツーペアの確率は低いので、バリューベットを打つべきだとざっくり説明しました。しかし、シンバリューベットを打つためには、さらに精度高く相手がバリューターゲットである確率を求められなければいけません。
そこで、コンボ数という概念が登場します。
例えば、相手がスリーカードを持っているケースを考えてみます。
相手がスリーカードを持っているとき、相手のスターティングハンドはAかTか9のポケットペアになります。それぞれのポケットペアについて、マーク4枚のうち2枚という組み合わせなので6コンボあります。ただし、Aについては自分がA❤︎を持っているので、残り3枚のうち2枚の組み合わせで3コンボとなります。
つまり、相手がスリーカードになっているようなスターティングハンドのコンボ数は3+6+6で15コンボとなります。
このような形で、それぞれのコンボ数を求めると、以下のようになります。(一旦、相手のハンドレンジは無視します)
相手がコールしてくれるハンドのコンボ数
- スリーカード:15コンボ
- ツーペア:21コンボ
- Aのワンペア:72コンボ
- Tのワンペア:108コンボ
- K、Q、Jなどのポケットペア:15コンボ
- ♣︎4枚のフラッシュドロー:55コンボ
- QJT9やT987などのストレートドロー:48コンボ
合計:334コンボ
合計334コンボ中、スリーカードとツーペアを除いたバリューターゲットが298コンボなので、相手がコールしたときに、相手のハンドがバリューターゲットである確率は約89%となります。
なお、厳密には、例えば、3♣︎2♣︎やJ❤︎8♠︎のようなハンドは、相手のハンドレンジに含まれていないと思われるので、このようなハンドは除いてコンボ数を数えることになり、もう少しバリューターゲットのコンボ数は減ります。
しかし、コンボ数を数えることで、相手がコールした場合にバリューターゲットである確率を求められるという考え方はご理解いただけたと思います。このような考え方をコンビナトリクスといいます。
ちなみに、このようなコンボ数をゲームの最中に数えるのは難しいので、ゲーム中に都度コンボ数を計算するというよりは、バリューベットを打つべきか悩んだ局面を記録しておいて、時間があるときにコンボ数を数えて検証し、どのような場面でバリューベットを打つべきかを覚えていくようにしましょう。
バリューベットのベット額(ベットサイズ)
バリューベットのベット額を考えるときには、どのくらいの額であれば、相手がバリューターゲットのハンドでコールしてくれるかを考える必要があります。
基本的には、大きくベットしてコールしてもらえるほど、自分のエクイティを増やすことができます。
しかし、例えば、先ほどのようなケースでオールインまでしてしまうと、バリューターゲットの中でもストレートドローやフラッシュドロー、Tのワンペア、KQJのポケットペアなどをフォールドさせてしまう確率が高まります。そうすると、相手がコールしてくれた場合にバリューターゲットである確率が減ってしまいます。
例えば、オールインに対して、相手がスリーカードかツーペアでのみコールしてくるのであれば、相手のハンドがバリューターゲットである確率は0%になってしまいます。
つまり、バリューベットは、相手のバリューターゲットのハンドをフォールドさせてしまわない金額で、なるべく最大額を打つのが良いということになります。
一般的には、1/3ポットや1/2ポットなどで打つことが多いですが、自分がナッツハンド(例えばAフラッシュ)で、相手もフラッシュ(例えばKフラッシュ)のような局面では、オールインしてもコールしてもらえる可能性が高く、大きくベットすることが正当化されます。
まとめ
今回はバリューベットについて説明しました。
- バリューベットとは?
コールしてもらうことで、自分のエクイティを増やすことを目的としたベットのこと - バリューターゲット(バリューレンジ)とは?
相手がコールしてくれるハンドのうち、自分が勝っているハンドのこと - シンバリューとは?
相手がコールしてくれた場合に、相手のハンドがバリューターゲットである確率がわずかに高いこと - コンビナトリクスとは?
相手のハンドがバリューターゲットである確率を正確に求めるために、コンボ数を計算する考え方のこと - バリューベットの適正額は?
相手がバリューターゲットのハンドをフォールドしない範囲でなるべく最大の額
以上です。
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